うつ病で数年間のひきこもりから、社会復帰するには?そのステップと注意点

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

引きこもりとうつ病の関係

部屋の中に閉じこもって現実社会との関係を断ってしまう若者たち。外界とのつながりがインターネットしかなく、親との会話もほとんどない、という状況にある人も珍しくありません。

引きこもりの人口は2002年に急増した後ほぼ横ばいに推移しており、現在63万人ほどいると言われています。(参考資料:内閣府 平成25年版 子ども・若者白書)引きこもりになったきっかけを調査すると、「職場になじめなかった」「病気やケガ」が半数を占めています。

うつ病との関係を考えると、職場の労働環境や人間関係の悩みからうつ病を発症して引きこもりになった、病気やけがを理由に引きこもりになった結果うつ病を発症した、というケースが予想されます。うつ病から引きこもりになった人も、引きこもりからうつ病を発症した人もいますが、どちらにしろ日々憂鬱な気持ちや自己否定感に苛まれながら生きざるを得ない若者の苦しみが垣間見えます。

話せる環境があるかどうか

引きこもりかどうかに限らず、うつ病の人に必要なのは徹底的に話を聞いてもらうことです。うつ病になるまで追い詰められている人は、いろいろな面で抑圧されて、自分の考えや判断や価値観を否定され続けています。そのため最初のうちはうまく話すことが出来ません。「こんなことを話して大丈夫だろうか」「否定されないだろうか」「迷惑ではないか」と、話すことを恐れてしまうからです。

引きこもりに対する風当たりは強く、白い眼を向けられることも少なくありません。家族より何より引きこもりの当人が一番それをよくわかっています。そのため引きこもっている人は余計にうまく話せません。それでも継続して「聞く姿勢」を示し続け、どんなに支離滅裂なことでも話せる環境を整える必要があります。

自室という狭い空間で自己嫌悪と自責を繰り返す人からは、卑屈で否定的、時には攻撃的な言葉が出ることもあります。そうした言葉に辛抱強く耳を傾けてくれる人がいることが、外の世界に目を向けるための第1歩です。民間のサポート団体や訪問カウンセリングを利用することが出来ます。

焦らずスモールステップを踏む

無理矢理外へ引きずり出すようなことはやめましょう。あくまで本人が「外へ出てみよう」という意志を持つことが前提です。何度か話を繰り返すうちに、そうした意志を持ってくれる人もいます。そうなれば、外へ出るための計画を立ててみましょう。いきなり仕事を探しに行かせたり、学校に行かせたりするのは早計です。スモールステップを踏み、少しずつ外界に慣れていくので十分です。

最初は「自室から出る」、それが出来る日が増えてきたら「窓を開ける」、次には「玄関を開ける」、それも出来るようになったら「玄関から出る」「家の周りを一周する」…。自室に閉じこもっている人には圧倒的に成功体験が不足しています。

小さなステップが出来るごとに成功体験を積み、自分に対する肯定的な思いを増やしていきましょう。目標は「外へ出ること」ですが、目的は「自分を肯定すること」に置きます。

揺り戻しとうつ病の回復期に注意

どんなに順調に回復する人でも、必ず揺り戻しがあります。昨日は家の周りを散歩できたのに、今週になったらまた自室から出られなくなってしまった、ということも十分にあり得ます。これはとても自然なことです。留学をするほどの行動力のある人だって、カルチャーショックの中で「学びの意欲」「自国への寂しさ」の両方を行き来するのです。

新たな環境を前に心が揺れ動く方が普通なのです。家族も見守りに徹するよう意識しなければなりません。焦りや自己嫌悪に苛まれて苦しい思いをしますが、揺り戻しがある方が健全な心だと考えて気楽に構えましょう。

外出の練習と並行してうつ病の治療も続けましょう。うつ病は回復期の落ち込みに注意しなければなりません。意欲が出てきていろいろなことをしてみるものの、病気の影響から以前は出来ていたことが出来ないことを思い知ることになります。

投薬治療の継続はもちろん、意欲の出たことを肯定すること、失敗しても大丈夫だということを根気よく伝え、回復期の不安定な心を支える環境を確保することが必要です。大切なのはこうした時期を乗り越えるための継続的なサポートを受けることです。焦ることなく長い目で見た歩みにこそ、立ち直りの鍵があることを忘れないでください。

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