カウンセリング保険適用の3つの条件|保険適用外の理由と背景

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: カウンセリング

参考:厚生労働省|令和4年度診療報酬改定について

「カウンセリングを受けたいけれど保険適用にならないって本当?」「費用面が心配……」と不安に思っている人も多いのではないでしょうか。

一般的に、公認心理師が行う個人カウンセリングは保険適用にならず、自由診療であるため10割負担です。

本記事ではカウンセリングが保険適用にならない理由や、保険適用でカウンセリングを受けられる条件を紹介します。

費用を抑える方法も紹介しているので、経済的不安からカウンセリングを受けるか迷っている人はぜひ最後までご覧ください。

カウンセリングは基本的に保険適用されない

健康保険が適用される一般的な治療を「保険診療」と言います。

公認心理師による個人カウンセリングは、一部例外はあるものの、基本的に保険診療とはなりません。

カウンセリングの目的は、クライアント自身の心の整理や、専門家による問題解決のサポートです。

そのため、効果を数値などで客観的に示すことが難しいことから、保険診療にはなりません。

カウンセリング保険適用になる4つの条件

公認心理師による個人カウンセリングは一般的には保険適用外ですが、以下4つの条件のどれかを満たす場合は、保険適用となります。

  1. うつ病などの気分障害等で医師および看護師による認知行動療法を受けた場合
  2. 医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合
  3. 医師による標準型精神分析療法を受けた場合
  4. 特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合

参考:厚生労働省|第8部 精神科専門療法

個人カウンセリングが例外的に保険適用になる条件について、ひとつずつ見ていきましょう。

1. うつ病などの気分障害等で医師および看護師による認知行動療法を受けた場合

うつ病などの気分障害と診断され、医師および看護師による認知行動療法・精神分析療法が実施されるカウンセリングは保険適用です。

気分障害以外にも以下のような精神疾患と診断された場合も健康保険の対象です。

  • 強迫性障害
  • 社会不安障害
  • パニック障害
  • 心的外傷後ストレス障害(PTSD) など

もしあなたが保険適用のカウンセリングを考えている場合は、心療内科・精神科の医師への相談も検討してください。

2. 医師による精神疾患の通院・在宅精神療法を受けた場合

特定の精神疾患と診断され、その治療として受ける通院・在宅精神療法のカウンセリングも保険適用となります。

該当する精神疾患名は以下の通りです。

  • 統合失調症
  • 躁うつ病
  • 神経症(不安障害)
  • 中毒性精神障害
  • パーソナリティ障害 など

ただし上記疾患によるカウンセリングが保険適用となるのは「精神科を担当する医師が行った場合」のみとされています。

近年は受診のハードルを下げるため、心療内科と精神科を兼ねているクリニックもあります。

保険適用のカウンセリングを受けたい人は、クリニックへ確認してみてください。

3. 医師による標準型精神分析療法を受けた場合

標準型精神分析療法として医師によるカウンセリングを受けた場合は保険適用となります。

標準型精神分析療法とは、悩みの原因となっている出来事に関して深く分析していく治療法です。

ただし、標準型精神分析療法が保険適用となるのは、診療に要した時間が45分を超えたときに限ります。

保険適用のカウンセリングを受けたい人は、標準型精神分析療法を実施しているクリニックや病院を調べてみましょう。

参考:厚生労働省|令和4年度診療報酬改定について

4. 特定の精神疾患や依存症等の治療を受けた場合

上記以外にも、以下の治療としてカウンセリングを受ける場合は保険適用となります。

  • 入院・通院集団精神療法
  • 依存症集団療法
  • 小児特定疾患カウンセリング

特定の精神疾患等の治療でカウンセリングを受ける場合は保険適用になる可能性があるため、事前に確認しておくと良いでしょう。

カウンセリングにかかる費用

そもそも保険適用外のカウンセリングはどのくらい費用がかかるのか疑問に思っている人も多いでしょう。

本章ではカウンセリング費用の相場や、保険適用外のカウンセリングが高額な理由を紹介します。

カウンセリング費用の相場

独立行政法人 中小企業基盤整備機構の市場調査では、1回あたりの心理カウンセリング利用金額の割合について以下のような結果が出ています。

1回あたりの利用額 割合
3,000円未満 47%
3,000円~4,999円 18%
5,000円~9,999円 18%
1万円以上 17%

※調査期間:2019年6月14日~6月17日

 調査対象:国内在住の20代~60代男女(有効回答数:1,000人)

 調査方法:インターネットによるアンケート調査

この結果から、カウンセリング費用の相場は3,000円から1万円未満と幅広いといえるでしょう。

また、保険適用外のカウンセリング費用は、実施場所によっても大きく異なります。

実施場所ごとの料金相場は以下の通りです。

カウンセリングの実施場所 料金相場(1回約50分~1時間)
国・自治体の相談窓口(精神保健福祉センターなど) 基本無料
医療機関(保険適用外) 3,000円~1万円ほど
学校・企業内の相談窓口 基本無料
外部EAP(Employee Assistance Program:従業員支援プログラム)機関 基本無料
大学附属の相談機関(心理臨床センターなど) 1,000円~5,000円ほど
私設心理相談機関 5,000~1万円ほど

国や自治体、学校、企業の相談窓口でのカウンセリングは基本無料で受けられます。

外部EAP機関のカウンセリングは、近年福利厚生として導入している企業が増えています。

社員が無料または低価格で心理士によるカウンセリングを受けられるのがメリットです。

実施場所によって価格に差はあるものの、基本的には1万円未満のところが多いでしょう。

保険適用外のカウンセリングが高額になる理由

表からも分かるとおり、保険適用外のカウンセリングは、約50分~1時間で1万円ほどかかることもあります。

保険適用外のカウンセリングが高額になってしまう理由は、主に以下の2つです。

  • 場所代や人件費が高い
  • カウンセリングの質を担保するためのコストがかかる
  • 1日に対応できる数に限りがある

保険適用外のカウンセリングは必要経費が高くなるため、料金も高額になる傾向があります。

効果的なカウンセリングを実施するには、相談者が落ち着いて話せるような環境づくりが必要です。

そのため、カウンセリング部屋の賃料や運営費がかかります。

公認心理師や臨床心理士など、専門的な知識・資格を持ったカウンセラーの採用費や人件費も必要です。

質の高いカウンセリングを実施するためには、カウンセラーの教育にも力を入れる必要があるでしょう。

カウンセリングを実施する機関が研修やセミナー、学会などカウンセラーの教育費を負担しているのも、料金が高くなる要因の1つです。

また、カウンセリングは1回につき50分から1時間ほどかかり、1人のカウンセラーが対応できる回数には限りがあります。

このように、カウンセリングは必要経費の高さや1日の対応上限により、高額になりやすいのが特徴です。

カウンセリングを安く受ける方法

保険適用外のカウンセリングをなるべく安く受ける方法を探している人も多いかもしれません。

実際SNSには、カウンセリングの費用が気になって受けるのを諦めた人の投稿がありました。

私のこの思考、本当はちゃんとしたカウンセリングで根っこから掘り返して探って解決するべき何でしょうけど、心理カウンセリングって一回の料金が高いのよねぇ('A`)
X(旧Twitter)より引用

やっぱりカウンセリング受けたほうがいいんかな。
そんなお金ないから無理やけど。
愛着障害とかありそう。
あと自分で勝手に思ってるだけやけど、回避性PDの可能性もあるかもしれん。
病院では「うつ状態を改善するのが先」って理由で他のことについては診てもらえてない
X(旧Twitter)より引用

初診の時カウンセラー予約するか聞かれました 断ったけど

今はとにかくお金ないのでカウンセリングとかむりです…
X(旧Twitter)より引用

保険適用外のカウンセリングの費用を抑える方法は以下の2つです。

  • 大学等併設の心理臨床センターのカウンセリングを利用する
  • 自治体のサービスを利用する

カウンセリングを受けたくても費用面で諦めていた人は、ぜひ参考にしてください。

大学等併設の心理臨床センターのカウンセリングを利用する

大学や大学院附属の心理臨床センターでは、比較的安く保険適用外のカウンセリングを受けられます。

施設によって差はあるものの、50分から1時間で1,000円〜5,000円ほどが相場です。

大学等併設の心理臨床センターのカウンセリングは基本的に予約制です。

もしカウンセリングを希望する人は、事前に電話やホームページで確認しておきましょう。

参考:特定非営利活動法人 コミュニティ総合カウンセリング協会|大学等が運営する心理相談

自治体のサービスを利用する

自治体が用意しているカウンセリングは基本的に無料で受けられます。

自治体のサービスとして利用できるカウンセリングの例は以下の通りです。

  • 精神保健福祉センターの精神保健福祉相談
  • 男女共同参画センターの相談窓口
  • 厚生労働省のこころの健康相談統一ダイヤル など

「有料のカウンセリングはハードルが高い」と感じている人は、まず国や住んでいる地域の相談窓口を利用してみましょう。

保険適用カウンセリング医療費控除について

診療・治療として保険適用のカウンセリングを受ける場合は、医療費控除の対象にもなります。

保険適用外のカウンセリングは、医療費控除の対象にもならないため注意が必要です。

医療費控除を受けたい場合は、自分が受ける予定のカウンセリングが保険適用の対象になるかどうか、事前に医師に確認しておきましょう。

まとめ

一般的に、公認心理師による個人カウンセリングは保険適用外です。

ただし一定の条件を満たすカウンセリングは保険適用となる場合もあるため、気になる人は病院やクリニックへ確認しましょう。

保険適用外のカウンセリング費用は3,000円から1万円未満が相場です。

保険適用外のカウンセリングをなるべく安く受けたいなら、大学等併設の心理臨床センターの自治体のサービス利用がおすすめです。

cotreeでは、ビデオや電話でのオンラインカウンセリングを45分5,500円〜と比較的安価で受けることができます。

保険適用外のカウンセリング費用が心配な人は、ぜひお問い合わせください。

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