一流ホストは美人を「キレイだね」と褒めない?対人関係で使う「褒め」の技術とは

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

「褒めて伸ばそう」「相手を褒めることがコミュニケーションを円滑にする第一歩」--このような言葉、最近は日本でもよく聞かれるようになりましたね。
ところが、日本文化ではまだ「褒める」という経験に慣れておらず、「相手が喜ぶ褒め方」を知らない人の方が多いのです。

「褒めているつもりなのに、あんまり嬉しがってもらえないな…」と思ったら、心理学の「褒めるコツ」を抑えてみましょう。

1. 「本人が知っている美点」は褒めても意味が無い

人を褒める技術に長けている職業の代表が、ホステスやホスト。
心理学を学んでいる人も中には居るかもしれませんが、そのほとんどは「経験的」に相手が喜ぶ言葉を探す技術を身につけているのでしょう。

そして一流ホストになればなるほど、芸能人クラスの美人がやってきた場合には「外見を褒めない」と言います。 これは何故なのでしょうか。

美人ならば、今まで何回も人から「キレイですねえ」「カワイイ!」と言われたことがあるはず。
「自分はキレイだ」という認識がすでにあったり、誰が見てもわかるものを褒められても、あまり喜びを感じられないのです。

心理学者ジョセフ・ルフトとハリー・インガムは、人間の人格には4つのものがあると提唱しました。

・開放の窓(自分にも他人にもわかっている人格)
・盲点の窓(自分はわかっていないが、他人に見える人格)
・秘密の窓(他人から隠した自覚している人格)
・未知の窓(自分にも他人にも知られていない人格)

上記の例で言えば、「美人だ」という側面は「開放の窓」。
「開放の窓」にあたるポイントをいくら褒めても効果は薄く「営業的だ」「ごまをすっている」等、反対に否定的な感情を与えることはコミュニケーション心理学の調査でもわかっています。

2. 相手が喜ぶ「相手の盲点」を見つけるには?

では、ホストは美人に対してどこを褒めるのでしょうか。
それはほとんどの場合「内面の優しさ」や「知的さ」「能力」などということになります。

これは上記に挙げたの4つの自己のうちの「盲点の窓」。
自分で気づいていない「良い点」を褒めることで、褒められた客は「本当の自分を見てくれている」「自分のことをよく理解してくれている」と感じるのです。

「でも、盲点を見つけるなんて難しい…」と思いましたか?
ところが相手をよく見ていれば、これは意外とカンタンなんです。
まずは相手の「よくわかる良い点」(開放の窓)を見つけてみましょう。
そしてその反対のベクトルにある美点を探してみるのです。

例えば「元気で明るい」ことが開放の窓である人ならば、その反対の「繊細な部分」に焦点をあててみます。
実は人をとても良く見ていて、相手を気遣っている…そう感じられたら、その部分を褒めるというわけです。

控えめに見える人ならば、ユーモアがある部分を。
一見キツそうに見える人ならば優しい部分を。
このような「逆ベクトル」の良さを探していけば、相手の「盲点の窓」を開けることは難しくありません。

3. 褒めるときには主語を「 I 」にしよう

相手を褒めるとき、日本人はついつい恥ずかしさなどが先にたち、主語を「みんな」や「誰か」にしてしまいがちです。
例えば「モテるでしょう」というのも、「みんながあなたに好感を抱くだろう」という意味ですから、主語は「誰か」ですよね。
また会社等で「部長も褒めていたよ」等、他の第三者に褒め役を押し付けてしまうケースも少なくありません。

しかし褒める時には主語は「I」にすべきです。
「あなたが頑張ってくれているから、(私は)助かっている、感謝している」
「(私は)とても素敵だと思う」
このように主語を「I」にする理由のひとつは、「褒められた人が、褒めた人に好感を抱く度合いが高くなる」というもの。
そしてもうひとつが、「相手が褒め言葉を否定しなくなる」ということです。

例えば前述の「モテるでしょう」などと言われても、ほとんどの人は謙遜して「いいえ」と否定しますよね。
ところが例えば「あなたの手の形はとても素敵だと思う」と言われてしまえば、それは「褒めた人の感想、気持ち」なのですから、相手も否定はしきれません。
初めは「そうかな?」と思ったことでも、褒められ続けるうちに肯定的に受け止め「嬉しい」と感じるようになるのです。

おわりに

「褒める」という行為は人間関係をスムーズにするものですが、その効果を焦るあまり「褒めすぎる」のは禁物です。
特に普段褒め言葉を使い慣れない人の場合、「褒めなくては!」と力んで、普段使わないような語彙を使ったり、営業的な笑顔になってしまって逆効果…なんてこともあります。

「盲点の窓」を見つけ出せたら、特に言葉を飾り立てる必要はありません。
素直な気持ちや言葉で「良いと思う」と褒めてみましょう。

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