接待・宴会はムダじゃない?キャリアや人生を決める「職場の人間関係」の重要性

「新年会や忘年会に出たくない」「職場の人間とどうして一緒に昼食を取らないといけないんだろう?」--同僚や上司との勤務時間以外での関わりを拒否する傾向は、年々高まっています。

しかし一見すると非合理的に思われる「宴会」や「接待」、そして「一緒に食事をする」という行為は、心理学的に見るとかなり「合理的」なところも多いのです。

「時には食事を一緒にした方が良い」--なぜこの結論に至るのか、ここではポイントを3つに抑えて紹介をしていきます。

1. 宴会・接待・食事がもたらす心理的効果

人間が生物である限り、「感情で人を判断する」ことから逃れることはできません。
つまり「好き/嫌い」というのがどうしても影響してしまうんですね。
そこで重要になってくるのが、好悪の判断をする要因の中での「自己要因」そして「環境要因」です。

「自己要因」とは、その時の自分の心の状態。
「環境要因」とは、その場の雰囲気や場所の快適さなどということになります。
楽しい行事で興奮している時には相手のことを好きになりやすく(自己要因)、暑くて不快な場所では相手を嫌いになりやすい(環境要因)というわけです。

食事の場では私達は「美味しい」という肉体的な快楽(感覚)を得ます。
この共通の快感を得ることで、お互いの自己要因・環境要因を良くし、相手への好感度を高める--これが「共に食事をすること」の第一の理由となります。

宴会や接待は日本独特の文化と言う人が居ますが、実際にはそんなことはありません。
例えばアメリカで「ランチョン・テクニック」と称して頻繁に仕事相手と昼食を共にしますし、ホワイトカラーになるほど家族ぐるみのホームパーティーを行い、仕事相手との距離を縮めようとしています。
また各国の首脳がわざわざ飛行機に乗って顔を合わせ、食事を一緒にするのも同じ効果を狙っていると言えるでしょう。

2. 「相手を知る」ことが好意の決め手になる

人間は、よく知っている相手ほど好意的な見方をするもの。

例えば或る歌手がテレビでトチったとしましょう。
顔を知っている程度だと、「プロなのに間違えるなんて!」と、厳しい評価を下しがちですよね。
ところがその人のファンで、例えば「前日に家族が入院している」ということを知っていたらどうでしょうか。
「動揺するのも仕方がない」と好意的に取る人が多いはずです。
さらにこの歌手が過去の同級生、親戚などの「身内」であれば、もっと心配しますよね。
このような心の動きを心理学では「熟知性の法則」と呼んでいます。

ただ職場などの場合、人間はどうしても相手の「仕事の顔」しか知りうることができません。
そのため「厳しい人」など、ビジネス面のペルソナ(外的側面)しか知らず、なかなか相手を好きになれないということが多いのです。

このペルソナを外してくれるのが、会社の外での付き合い。
「ペットが好き」「娘に弱い」などのプライベートの人間的な一面をお互いに知ることで、好感度・信頼度はさらにアップするのです。

3. 仕事の人間関係は「普通にしていても嫌われやすい」

「別に仕事相手に特別好かれなくても構わない」--そう考える人も多いことでしょう。
しかし、「会社」や「取引先」という人間関係の場合、通常に働くだけでも「印象がマイナスになりやすい」という傾向があるのです。

友人関係などに比べるとお互いにミスをしたり、それで迷惑をかけたりすることが多いですよね?
特に顔しか知らない程度、親しくない相手から迷惑を受けると、お互いに印象を大きく悪くすることになります。
このマイナスを払拭し「フラットな状態」に持っていくのが宴会や昼食というわけなのです。

ところが仕事以外での関わりをまったく持たず、「印象がマイナスの状態(嫌いな状態)」が続いた場合、その相手からの「法令義務以外での助け」は、ほとんど受けられないことに。
ミスをする、トラブルに遭う、体調不良となる--このような局面で誰の助けも受けられず、「自己責任」を問われることになります。

ちなみにこのような「マイナスの人間関係」の中でも頭角を表し「能力のみで自分の立ち位置をキープする」には、一般的に平均より3倍~5倍以上の仕事能力が必要とされると考えられています。
また「能力至上主義で人間関係は考慮しない」という会社になればなるほど、能力が発揮できなくなった瞬間にリストラを行うという点も留意しておくべきでしょう。

おわりに

毎週の飲み会や週末の度の接待--このような過度な仕事上の付き合いは、「どうしても昇進に必要だ」という場合を除けば、必ずしも無理に付き合う必要はありません。

しかし仕事・取引先での人間関係を「フラットな状態」に維持しておくために、1年に2~3度、必要最低限の宴会に出席したり、身近な同僚と食事を共にするのは、けして無駄とはならないでしょう。
相手に好感を抱かれ、相手に好意を抱きやすい機会をもてば、仕事へのモチベーションも変わってくるはずですよ。

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