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カウンセリングは続けなきゃいけないの?~シングル・セッション・セラピーと転移性治癒|カウンセラー 鶴田 みさ

更新日 2018年01月12日 |
カテゴリ: カウンセリング
カウンセリングは続けなきゃいけないの?~シングル・セッション・セラピーと転移性治癒|カウンセラー 鶴田 みさ

見せかけの治癒、「転移的治癒」

カウンセリングにおいて、「治る」とはどういうことなのでしょうか?

精神分析の世界では「転移性治癒」ということが言われてきました。
これは、治療の比較的初期に、相談者が治療者に信頼やポジティブな感情を抱くあまり、症状が軽快しているように見える、という状態です。

「本当の」根本的な治癒ではなく、治療者との関係に依存しているため、その信頼やポジティブな感情が浮上してきたネガティブな感情などによって崩されると症状も戻ってきて、いわゆる「リバウンド」的状況になってしまいます。

もっと永続的な治癒は、転移性治癒を超えて、治療者に対するポジティブな感情とネガティブな感情の両方を見れるようになってから始まると言えるでしょう。

精神分析的な治療は通常「長期」であることを前提にしていますが(短期力動療法などは覗く)、認知行動療法やブリーフセラピー、あるいは短期の精神力動療法など、短期の療法の効果も研究によって証明されています。
しかし、短期の療法は、気をつけないとこの見せかけの治癒、「転移的治癒」になってしまう危険性もはらんでいます。

短期のカウンセリングに効果はある?ない?

短期の治療でもある程度効果は上がりますし、それがその後ずっと維持される場合もあるでしょう。
もし維持されなかったとしたら、転移的治癒であった可能性か、症状を生む元になっている深い部分の原因が残ってしまっていて、症状を生み続けていると考えることもできるでしょう。

また、何かをきっかけとして症状が起こっているとき、そのきっかけにどう対処するかを学ばないでいると、また同じような出来事に出会った時、同じような反応をしてしまうこともあるかもしれません。
その場合は、いささか対症療法的ではありますが、また必要に応じてカウンセリングに戻り、今度は対処法をしっかり身につけるのがいいでしょう。

長期のカウンセリング(心理療法)の場合、1回毎に効果が見えるというより、数ヶ月に一度くらいずつ、段階的な変化があるように思えます。それまでなんらかの情報や経験の蓄積がされ、それが目に見える変化になったという感じです。

1回のセッションに一喜一憂してしまうと、これは難しくなります。
言うまでもなく、相談者の方にも、カウンセラーにも一定の忍耐力を要求しますが、いったん治療的関係ができてしまうと、言ってみれば転がっていく石を転がすのはそんなに難しくないように、継続していくのはそんなに難しいことではないでしょう。

長期の心理療法は万人向けというわけでなく、例えば週1回なら週1回カウンセラーのところへ行く時間や習慣を生活の中に組み込まなければなりません。いわばこころの運動の習慣のようなもので、そのための時間を確保するのにコミットしなければ、実現されません。
運動で新陳代謝が改善され体質が変わるように、カウンセリングでこころの新陳代謝が上がり、「体質」のようなものが変わるというのもあるでしょう。

と言いながら、例えば前々から精神分析を受けたいと思っていた、というような人を除けば、長期になると思ってカウンセリングを始める場合もそんなに多くないのかもしれません。はじめはある程度の期間と思っていたところが、話すことが習慣化してしまい、通い続ける場合もあるでしょう。
それを「依存」と見て嫌う相談者やカウンセラーもいるのですが、ちゃんと「依存」する時期を過ぎないと本当の意味で自立することができないというのも事実です。

シングル・セッション・セラピー~たった1回の効果とは?

一方で、長期の療法とはまったく対極のものがあります。「シングル・セッション・セラピー」と呼ばれているものです。

つまり1回だけのセッションでもそれなりの効果があった、ということです。

考えてみれば、残念ながら一般にカウンセリングは敷居が高いと思われていて、1回来るということは勇気を出してカウンセラーに会ってみるのですから、セッションの内容だけでなく相談者自身のその行動自体にも何らかの意味があるのかもしれません。

病院などでは最初にインテーク面接というのをして、現在や過去の症状、治療歴、家族史や生育歴、などいろいろな情報を一気に取ろうとすることがあります。
これは、なるべく相談者のことを把握し、正確な診断に近づけ、治療方針を出そうとするために行われるのですが、相談者にとってはそれを通じてそれまで気づいていなかった客観的な自分の生き方のパターンなどが見えてくることもあり、これだけで「おなかいっぱい」になってしまう、というのも頷けます。

病院のインテークは、誤診をして誤った治療をしたくないといったリスク回避の意図もあるのかもしれません。個人開業のカウンセラーなどは、通常もっと自由に初回面接をされていると思います。

「たった1回」であるかもしれないセッションをもっとも有効に使うには、当然のことではありますがやはり相談者中心で、カウンセラーがあまり自分を前に出さない方がいい、というのがシングル・セッション・セラピーの結論のようです。

いろいろな入り口がある

「継続しなければならない」と思ってカウンセリングを始めると、それもまた縛りというか、「~ねばならない」になってしまいます。
「~ねばならない」は神経症の根本みたいなものなので、それを取り除き、できるだけ自由に自分の気持ちや意志に基づいて決断をし、実行していくことを目指すカウンセリングにとって、これは矛盾です。

ある仕事や趣味を始めるときや、また友達や恋人など、ある人間関係を始めるときなど、振り返ってみて「こんなに続くとは思わなかった」ということがあります。
実を言えば筆者も、最初心理学に出会ったときここまで続けてくるとは思っていなかったのです。

「継続は力なり」と言いますが、最初から継続を目指しているとは限りません。
1回のセッションでも効果があるというのなら、まず思い立ったときに1回試してみるというのも手かも知れませんね。

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