「人の振り見て我が振り直せ」はホント?自分の成長度を変える「人の不幸やミス」の受け止め方

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 自分を変えたい

テレビを付ければ毎日ニュースで誰かが不幸な出来事にあっていますよね。
例えば、最近では「振り込め詐欺」の被害の報道などは毎日のように目にします。
このような報道を見た時、あなたは被害者に対してどんな感想を抱いていますか?
また、家族やパートナー、同僚などがミスをしたり、不幸な目にあった時、どのように感じているでしょうか。

実はこの「周囲の人のミスや不幸の受け止め方」で、その人自身の能力や情報量の増え方、危機管理能力、人間関係の構築の仕方などの成長度合いが大きく変わってくるのです。
ここでは、「人の不幸・失敗」を見た時の考え方について、3つのパターンから紹介をしていきます。

1. 「その人の行動や思考に不足がある」と批判的に考えるタイプ

前述の「振り込め詐欺」の例で考えていきましょう。
「こんなに報道をされているのに騙されるなんて・・・・・・」と批判的に受け止めている人は意外と多いはず。

しかし実際には、振り込め詐欺に遭う人の90%以上が「振り込め詐欺」の存在・手口などは知っており「自分は詐欺には遭わない」と考えていたことがわかっています。
「自分はそんな愚かなことはしない」「自分は大丈夫」と考えるこの傾向は、心理学では「傍観者効果」による心の働きに近いものであると考えられているのです。

さて、ではこのような「批判」を行う人の中で、現在警察が推奨している以下のような対策を全て実行できている人はどの程度いるでしょうか?

・家族間でしか伝わらない合言葉を複数決めてある
・遠距離に住んでいる場合、週に一度は定期的に連絡をしている
・家族の職場の連絡先、同僚や上司の名前などの情報は共有している

「3つとも完全にできている」という人は殆どいないのではないでしょうか。
他人の不幸を批判的に考える人ほど、このような対策情報に対して「不要だ」という認知バイアスがかかり、対策情報を得ようとしなかったり、実行する人が少ないと考えられています。
そのため「批判的」な人ほど、実際には同じ失敗に遭う可能性は高いのです。

また周囲に対して共感の姿勢を示さないことから「冷たい人だ」と受け止められ、本人が失敗や不幸に陥った場合、手を差し伸べてもらえない可能性も高くなると言えるでしょう。

2. 「ミスや不幸をするなんて気の毒だ」と同情をするタイプ

「振り込め詐欺」の被害者に対して、「お金をとられるなんて、可哀想だなあ」と同情の心を持つ人も居ますよね。 心理学ではこのような同情をする気持ちを「シンパシー」と呼んでいます。

「同情」と言うと「同じ」という感じが使われていることから、相手と同じ気持ちになる「共感(エンパシー)」と混同されやすいのですが、実は「同情」と「共感」には大きな違いがあります。

「同情」とは憐れみの心であり、相手の立場に立って考えることではありません。
「可哀想だな」と感じるのは「自分ではそうではない」という立場があるからこそなのです。

つまり「あんな目に遭うなんて気の毒だ」「ミスをして怒られるなんて可哀想」という同情の気持ちを持つことも、「他人事だ」と考えている点としては、批判をしている人と同じというわけなんですね。

「気の毒に、可哀想に」と同情をする人は、一見すると「心優しい人である」と捉えられることも多く、自分で自分のことを「優しい人間だ」と考えていることも多い傾向にあります。

しかし「同情」を受け続けることは、相手にとっては「下に見られている」「他人事だと思われている」と感じられる可能性の方が大きいもの。 人間関係において、あまり良い影響を与えないこともあります。
また「同情」については「他人事」という気持ちが大きい故に「その気持が行動に移る」という傾向が少なく、例えば前述の「振り込め対策」についても「実際に対策を立てよう」という考え方にはなりにくいのです。

3. 「自分も同じようになるかもしれない」と共感するタイプ

「共感」(エンパシー)とは、「相手と自分を同じ立場に重ねて物事を考える」という受け止め方。
「振り込め詐欺」の例で言えば、「立て続けに電話がかかってきたら、慌ててしまうかもしれないなあ」「そう言われてみると、子供の職場の上司の名前なんて知らないかも」と、自分自身の立場に立って被害者のことを考える受け止め方と言えるでしょう。

共感をする人は相手や周囲の立場になって物事を考えることができるため、一方的に批判的な考え方とはなりません。
相手と自分を重ねるとは「自分を客観視すること」にもなりますから、自分を過大評価せず「上から目線」になりにくいのです。

また相手の不幸やミスなどについて「自分もそうなるかもしれない」という危機感を覚えますから、周囲のミスや不幸な出来事などを見るたびに、その対策や情報を意識的に取り込んでいくことになります。

批判をせず相手の立場になって考える人は、相手が望む「本当に欲しい言葉や態度」を与えやすい傾向も見られます。 そのため、人間関係なども円滑に進められる可能性が高い傾向にもあるのです。

自分自身を高めていく物事の受け止め方としては、「共感」がもっとも推奨されるべきものであると言えますね。

おわりに

物事の受け止め方は、一日で全てを変えるというわけはいかないもの。
しかし、周囲やテレビの報道などを見た時に「自分だったらどうだろう」と自分を客観的に見るクセを意識することで、「共感をする考え方」を徐々に増やしていくことはできます。 人に共感をすることは、最終的には自分自身の成長や危機からの防衛をすることにも繋がるのです。

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