hidehide
お名前(ニックネーム可)
メールアドレス
パスワード
性別
すでに会員の場合はログイン
 »  »  » 発達障がいと本人への支援・保護者へのカウンセリングについて | 臨床心理士 足立直子

発達障がいと本人への支援・保護者へのカウンセリングについて | 臨床心理士 足立直子

公開日 2015年11月25日 |
カテゴリ: 専門家インタビュー
発達障がいと本人への支援・保護者へのカウンセリングについて | 臨床心理士 足立直子

子どもの発達障がいが心配な場合、保護者はどんなカウンセリングを受けられるの?

最近、発達障がい、特にアスペルガー障がいやLD(学習障がい)、ADHD(注意欠如・多動性障害)などの名前がマスメディアに取り上げられることが増えましたね。私自身も、一昔前よりも、保護者様から、ご自身のお子様が発達障がいではないか…、と心配されての相談を受けることが多くなったように感じています。

ここで、発達障がいとは、どの様なものを指すのか、示しておきたいと思います。様々な分類があるのですが、今回は、平成17年に施行された発達障害者支援法で定義されている障がい名をお伝えしたいと思います。

1. 広汎性発達障害(自閉症・アスペルガー障害 ※知的な遅れを伴うこともあります)
2. 注意欠陥多動性障害(ADHD)
 ①不注意(集中できない)
 ②多動・多弁(じっとしていられない)
 ③衝動的に行動する(考えているよりも、先に動く)
3. 学習障害(LD)
  「読む」、「書く」、「計算する」等の能力が、全体的な知的発達に比べて、極端に苦手。

では、実際に私たち臨床心理士に、上記のようなご相談をされた場合に、保護者様は、どんなカウンセリングが受けられるかを、お伝えしたいと思います。

発達歴・生育歴の聞き取り

まず、保護者様からお子様の様子をお聞きして、発達の問題が関係していそうな場合、私たちは、「発育歴・成育歴の聞き取り」を丁寧にさせていただきます。

産まれてから、今までの身体面での育ち、ことばの育ち、お友だちとの関係、コミュニケーションの育ち、幼稚園・保育園での様子、1歳半健診・3歳時健診での様子…など丁寧に「育ち」を聞かせていただきます。このことで、発達面で量的な問題(知的障がいが疑われるか)や、質的な問題(発達に凸凹があるか)がありそうかを見立てていきます。

発達検査・知能検査

その上で、もし、発達障がいが疑われる場合、発達検査や知能検査を受けることを提案させていただくこともあります。発達検査や知能検査が揃っていないカウンセリングルームであれば、医療機関などを紹介させていただき、検査をしていただく場合もあります。

発達検査や知能検査では、今、お子様が、どのくらいの発達水準・知能水準にあるか(量的側面)、どの様な得意分野があるか、苦手分野があるか(質的側面)などを知ることが出来ます。

適切な心理援助を得るためのサポート

そして今後、お子様自身がどの様な心理援助(療育)を受けることが適切か、を考えたり、個別の治療計画を立てることに役立てることが出来ます。また保護者様に、今のお子様の状態をお伝えし、今後ご家庭でどの様な工夫をすることが出来るか、そして学校ではどの様な支援を受けたら良いかを、一緒に考えていくことが出来ます。

保護者が抱える不安やショックに対するサポート

一方で、この様な現実的な発達面について話し合っていく中で、保護者様が、今まで抱えてこられた不安や、これからの心配、発達に問題があると言われたことへのショック…など、保護者様にも、様々な心の動きが出てくるものと思われます。

私たち臨床心理士は、その様な保護者様の気持ちに寄り添い、お子様に対する気持ちや、これからの不安などに対して、保護者様の立場に立ってお話をうかがい、カウンセリングを行っていきます。

以上のように、現実的な発達面について、そして保護者様のお気持ちについての2本柱でカウンセリングは進んでいきます。

臨床心理士にはできないこと

ここで、私たち臨床心理士には出来ないことをお伝えします。それは、診断と薬物療法です。診断と薬物療法は医師にしか行えない分野です。ですので、発達検査や知能検査で発達障がいが疑われ、保護者様が「障がい名を知りたい」とおっしゃられた場合や、薬物療法が必要ではないかと判断した場合には、適切な医療機関をご紹介させていただくことになります。もちろん医療機関にかかりながら、カウンセリングを続けることは可能です。

カウンセリングを受けることで、より質の高い援助を受けることが出来るものと思います。より充実した生活のために臨床心理士の心理援助をご利用になるのがよいでしょう。

当事者の子どもは、どんな心理援助が受けられるの?

では、子どもはどんな心理援助が受けられるのでしょうか?こちらは大きく分けて、2つに分けられます。1つ目は、発達面に直接アプローチする療育的援助です。2つ目は、発達障がいによって、二次的に気持ちにダメージを受けている場合には、気持ちにアプローチするカウンセリングやプレイセラピー的要素を大きく取り入れた心理援助があります。この際にも、通常のカウンセリングやプレイセラピーに、療育的視点は取り入れられます(場の構造化など)。療育的援助だけの時もあれば、2つを両方取り入れることもあります。

子どもへの対応は、発達障がいと一言で言っても、一人ひとり状態像は異なってきます。そのため、発達面・心理面の両方を考慮して、一人ひとりに応じた個別のセラピーをご提供することになります。時には発達面に直接アプローチする療育的援助が主となる場合もあれば、心理面での援助が主になる場合もあり、様々です。一人ひとり異なることは言うまでもありませんが、その時々に応じて、援助の重みづけが変わっていく場合もあります。

子どもは自分で環境を変えることができません。大人が気付いてあげて、心理援助に繋いであげることが大切になってくるでしょう。お子様が心理援助を受けられる際には、親御さんもカウンセリングを受けて、今のお子様の状態を知り、ご家庭での過ごし方を話し合うことが有効です。

当事者が大人の場合は、どんな心理援助が受けられるの?

では、発達障がいの当事者が大人の場合は、どんな心理援助が受けられるでしょうか?大人の場合は、子どものように直接的に療育的援助を行うことは少ないと思われます。

しかし、療育的視点をもって、今、生活で困っていることについて具体的なアドバイスを提供することが出来ます。片づけが苦手な場合、職場で同時並行に仕事が出来ない場合、ケアレスミスが多く困っている場合…、など、ご家庭や職場などで困っていらっしゃることの解決策を考えていくことが出来ます。

また、これまでの育ちの中で、気持ちに傷つきをもっていらっしゃる場合には、カウンセリングも取り入れられます。このカウンセリングの際にも、療育的視点をもちながら、当事者様のお気持ちに寄り添い、適度に過去を振り返りながら、現在の気持ちに焦点をあてていきます。ここで気をつけたいのは、過去にばかり焦点を当ててしまうと、発達障がいの状態によっては、その点にこだわってしまい、抜け出しにくくなることもありますので、お一人おひとりに合わせていくことが適切と思われます。

「今まで何だか生きにくかった…」という思いをお持ちの方が多く、今までお辛い経験をされてきた方のお話も多く聞きます。臨床心理士によるカウンセリングを受けることで、今までのことを整理し、現在・将来について具体的に話しあっていくことが、より充実した生活に繋がっていくと思います。

心理援助(療育)が効果を生むために必要なことは何? 

対象がお子様の場合は、やはり「ご両親の障がいへの理解」が大きく影響します。ご自分のお子様が、今、どんな心理状態にあるか、生活上で困っていることはどんなことか、学校生活はどうか、得意分野は?苦手分野は?好きなことは?リフレッシュ出来る方法は?…などを、ご両親が知っておくことが、心理援助の効果を発揮するために大切なことになります。

しかし、これだけのことをご両親が知っておくことは大変なことでしょう。ですので、ご両親もカウンセリングを受けて、上記のことを臨床心理士と共に考えていくことが重要になってくると思います。

発達障がいと病院で言われたら、お薬を飲まなければならないの?心理援助(療育)を受けていれば、飲まずにすむの?

病院で発達障がいと告げられたら…、お薬は…、色々な心配事が浮かび上がってくるでしょう。

病院で発達障がいの状態にあると告げられても、必ずお薬を飲まなければならないということはありません。主治医の診察、臨床心理士などの専門家の心理援助(療育)と保護者様へのカウンセリングのみで進んでいくことが多いかと思います。

しかし、発達障がいが影響して、二次的に抑うつ状態になっていたり、興奮状態が続いたり、多動が目立って、そのために叱られることが増えてしまい、自己評価が低くなってしまったりした場合などには、お薬を服用する場合もあります。

お薬を服用することで、毎日の生活を安定して過ごせ、対人関係がなめらかになると、お子様の気持ちも安定し、より充実した生活、得意分野を発揮した生活を送れるようになるでしょう。

しかし保護者様としては、お薬に抵抗のある方もおられると思います。お子様が服用するとなると、尚更不安も出てくることでしょう。お薬に関する不安・心配は、遠慮せずに主治医に尋ね、納得した上で服用することが、大切になってくると思います。

また心理援助(療育)を受けていても、その時のお子様の状態によっては、薬物療法を併用することが必要な時もあります。薬物療法を併用することで、より心理援助(療育)の効果を上げることも期待できます。

発達障がいは、薬物療法だけでどうにかなる…、というものではありません。むしろ、現実生活の中での困り感をカウンセリングの中で解決していくこと、気持ちを安定させていくことが重要になってきます。そのような時には臨床心理士がお手伝い差し上げることが出来るものと思います。どうぞ臨床心理士の心理援助にも足を運んでみてください。

質問に答えてマイカウンセラーを見つける

あなたにおすすめのコラム

>>> 同じカテゴリ(専門家インタビュー)のコラムをもっと見る
このページのトップへ