うつ病や幻聴、胃潰瘍になることも。知っておきたい『ペットロス症候群』と7つの対策

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

『ペットロス症候群』という名前を聞いたことがある人は多いはず。 しかし、その名前の普及に比較すると、その症状や問題の重さは意外と知られていません。

かわいがっていたペットが亡くなれば、悲しいのは誰もが同じこと。 そして多くの人はその哀しみを乗り越えられるため「ペットがいなくなって悲しいくらいは当然だ」と問題を軽く考えてしまうのです。 ところが実際の『ペットロス症候群』では、ペットの不在に心が耐えられず、心身に大きな不調を伴う症状がでることも珍しくありません。 ここでは知っておきたい『ペットロス症候群』の症状やその対策についてご紹介していきます。

1. ペットロス症候群の様々な症状

『ペットロス症候群』であらわれる症状として、一般的に知られているのは「情緒の落ち込み(気持ちの不安定さ)」、「食欲の不振」といったものではないでしょうか。 しかし実際にはペットロス症候群の症状は非常に多様で、心身に重大な問題となることもあります。

1 )睡眠障害(不眠・眠りの浅さ・悪夢等)
2 )拒食・過食等の摂食障害
3 )慢性的な疲労感、無力感
4 )思考力・集中力の著しい減退
5 )自責・罪悪感による自殺念慮
6 )妄想(ペットは死んでいない、現在どこかに行っているだけなど)
7 )幻視・幻聴(ペットを見かけた、そこにペットが居る、家の外で鳴いているなど)
8 )ストレスによる胃潰瘍・頭痛・円形脱毛症・喘息発作等の心身症

いずれの症状においても、日常生活・社会生活を送ることが困難になるケースが珍しくありません。 本人や周囲の『ペットロス症候群』に対する知識・認識の不足によって問題が初期発見できず、重症化してから原因がペットの死去・不在であったことが判明することもあります。

2. もしかしてペットロスかも…その時の対策とは?

ペットとの死別は残念ながら避けきれるものではありません。 『ペットロス』にならないための対策として、また現在ペットを亡くされて辛い思いをされている場合には、以下の様な対処を行ってみましょう。

1 )通夜・葬儀をきちんと執り行おう

通夜・葬儀とは「ペットの死を受け止めるための儀式」です。 「ただの形式ではないか」と感じる人もいるかもしれませんね。 しかし家族・友人の「死」に直面する事態の少ない現代日本人の場合、このような「形式に則った儀式」を踏むことではじめて「死」を受容できるケースは非常に多いのです。 ペットが亡くなった際に葬儀を行わなかった場合には「お別れ会」をしても良いでしょう。

2 )哀しみを無理に抑えるのをやめよう

家族とも言えるペットとの別れはとてもつらいものです。 無理に哀しみを抑える必要はありません。 泣くのを我慢すること、気丈に振る舞おうとすることは、却って心にストレスを溜めてしまうことになります。 特に男性の場合、また年配の方の場合には「哀しみを我慢しよう」と考えてしまいがちですが、「哀しんで良いのだ」と考えてみましょう。

3 )自分を責めるのをやめよう

ペットの死について「自分の責任だ」と考えるのはやめましょう。 死を悼み、泣き哀しんでくれるほど愛してくれる飼い主と共に暮らしたことは、ペットにとっても幸せな時間であったはずです。 「ごめんなさい」と考えず、「幸せな時間を一緒に共に過ごせた、ありがとう」という感謝の気持ちを口にしてみましょう。

4 )「自分一人で解決しよう」と抱え込まない

『ペットロス症候群』になる人の多くは他の人に悩みや苦しみを吐き出すことを苦手とします。 しかしこの症候群について、「自分一人だけで解決」をするのは非常に困難です。 まずはご家族、ご友人、ネットでのペット仲間等でも良いので、哀しみ・苦しみを吐き出してみましょう。

5 )周囲は共感・支えの姿勢を取ろう

『ペットロス症候群』を重症化させる理由のひとつが周囲の共感や支えの無さにあります。 「たかが動物のことで…」「いつまで哀しんでいるんだ」と言った問題の軽視姿勢は症候群に苦しむ人を孤立させ、ますます症状を重くさせます。 「愛する子どもや恋人を失った人なのだ」と考えてみて、相手の話をよく聞いてあげましょう。

6 )旅行・別のレジャー・新しいペットなどでの気分転換はNG

落ち込んでいる当人に対し「気分転換」を提案するのはあまり良い策とは言えません。 抑うつ状態にある人は「何かを起こす気力」が著しく低下している状態です。 「心を休ませる期間が必要なのだ」と考え、そっとしておくようにしましょう。 また最もNGなのが「新しいペットを飼う提案」です。 家族を失った人に「新しい家族が来ればいい」と言うのと同じであると考えましょう。

7 )症状が重い場合・長期化の場合には専門医・カウンセリングを

摂食障害・抑うつ状態等が1ヶ月以上続いていたり、なんらかの心身症が出ている場合にはすみやかに専門医を受診しましょう。 また「何ヶ月経っても気分が晴れない」「周囲に相談ができない」という場合にはネットカウンセリングで相談してみるのも手です。

おわりに

『ペットロス症候群』では、特に「家族・会社・友人等からの理解が得られない」という孤独感がますます「今まで頼ってきたペットの不在」を重くさせる傾向にあります。 様々な心身問題を引き起こす可能性の高い症候群であるため、周囲はペットロス症候群の人に対して配慮・共感を示し、状態を見守ることが大切です。

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