格付け・過剰な自己アピール…『マウンティング』の特徴・原因・対処法を紹介します

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 自信がない

『マウンティング』とは元々、動物(サル等の霊長類)の間で行われる順列の確認行為のこと。 相手の上に乗って「自分が上だ」と示すことで、集団の中での関係を調整させる役割を果たしています。

ところが最近、この『マウンティング』という言葉は人間関係の中でも使われるようになってきました。 言葉や態度で「自分が上だ」とアピールしてくる人、あなたの周りにも居ませんか?

今回はマウンティングについて、その特徴や深層心理、対策等をご紹介していきましょう。

1. マウンティングは男女共通?

テレビドラマ等で「女性同士の格付け」として『マウンティング』という言葉が使われたことから、マウンティング的な行為(上位者のアピール)は女性特有のものであるという認識をしている人も多いかもしれません。

ところがこれは、かなりの誤解。 元々マウンティング的な上下間の格付けは、男性の間で熾烈に行われてきたものなのです。 例えば給与の多さ・能力の高さ・恋人/配偶者の有無…「自分の方が優れている」というアピールを激しく行う男性は現在でも数多く居ます。

ではなぜ、今になって「女性間でのマウンティング」が注目されるようになったのでしょうか?

これには1980年代に入ってからの女性の社会進出が徐々に影響を及ぼしているとも考えられています。 女性の多い職場の中で、男性同様の「優秀アピール」をする必要性が出てきたというわけです。

また1990年代以降の不況・氷河期を経て、日本全体が「常に不安を感じる市況である」という点も原因のひとつと言えるでしょう。 「人を見下していないと安心できない」という心理がそこには見え隠れしています。

2. 無意識にやってるかも?『マウンティング発言』の特徴

1 )男性に多い「自慢型」

男性のマウンティングの場合、その発言はストレート・露骨である傾向を見せます。 自分がどれだけ優秀か、多忙か、能力が高いかといった発言が一例です。

2 )女性に多い「自虐自慢型」

「私なんか●●しかできない」「自分はダメだ」と一見自分を卑下しながら、自己アピールをする方法です。 相手に対し「●●でいいよね」とうらやましがる形でアピールが行われることもあります。

3 )年長者に増える「アドバイス型」

「こうした方が良い」「この方が似合う」等、頼まれていないのに忠告を行うタイプです。 また自分が持っている情報をひけらかしたり、出し惜しみをして興味を引くこともあります。 目上・経験が多い・年齢が上といった場合により増加する傾向を見せるようです。

4 )遠回しなネガティブ表現の多用

例えば「太っている」という直接的表現を避けつつ、「柔らかそう」「癒される」と言った一見ポジティブな表現で相手のネガティブな部分に触れます。 相手の欠点、弱点、触れてほしくない部分を話題にするのが特徴です。

3. 『マウンティング』をする人の心理とは

マウンティングをする人には以下の様な心理的傾向が見られます。

1 )条件付きの自尊心

マウンティングをする人ほどプライドが高いですが、これは「条件付き」のプライド。 「一流企業に勤めている」「配偶者が高給である」「良いブランド服を着ている」等の「条件」がある状態で、初めて自分の価値を認められる状態になっています。 そのため自分の価値を認めるための「条件」に強くしがみつき、その点で周囲と張り合おうとするのです。

2 )激しい他者承認欲求

マウンティングをする人は自分に対して本来の自信が持てず、価値を認めてくれる人(他者からの賞賛)を求めています。ところが家庭や職場等で満足できる評価が受けられないと、価値を高めるために他者を卑下しようとするのです。 他者を見下げることによって、相対的に自分を高く感じられるというわけですね。

3 )外的統制型で固定的

格付けを行う人ほど、自分の才能や環境・課題について、その原因を「自分の外側にある」と感じます。 例えば「会社の環境が悪いから自分は伸びない」「運が悪かった」といった具合で、問題が自分にあるとはあまり考えません。

そのため本人の努力や挑戦によって資質・環境が変化することを認めない傾向にあります。 周囲が努力・挑戦で成功をすることに不安を感じ、自分より下のランクへと引き下げようとするのです。

4. 『マウンティング』された時の対策は?

1 )張り合うのは絶対にNG

マウンティング行為を行ってきた相手は「相手が屈服しない」と感じると執拗に攻撃を繰り返します。 有効なのは、サラリと相手のマウンティング発言を認めてしまうこと。

「そうなんですか、スゴイですね」と相手を肯定してしまうことで、繰り返しの攻撃は行われなくなります。 大げさに褒める必要はなく「勝負をするつもりが無い」という意思表示をすれば十分です。

2 )自己開示をしない

「格下の相手」を求めている人は、執拗に相手の情報を開示させようとします。 しかし開示すればするほど不快な思いをすることになりますので、情報をできるだけ制限してしまいましょう。

3 )「良い人であろう」と思わない

「誰とでもうまくやらなくては」「仲良くしなくては」と自分を必要以上に抑えこむ必要はありません。 「この人と居るとストレスを感じる」という相手からは、思い切って距離を置くことも大切です。

おわりに

「人間の集団」というものがある限り、多かれ少なかれマウンティング的な行為は存在します。 そして残念ながら、マウンティングをしている人はそれを無意識に行っていることも多いもの。

また意識的に行う人の場合、マウンティングをすることが「人間関係に良くない」とはなかなか考えません。 「相手を追求して治そう」と考えるよりも「自分は自分で楽しく過ごそう」と割りきった方が、よりポジティブで充実した人生を送れることになります。

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