食事マナーが悪い人は嫌われるのはなぜ?心理学的4つの理由

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

人が相手を嫌ったり苦手に感じる理由として、常に上位に上げられるのが「食事マナーが悪い」というもの。 でも「マナーが悪い」と言われても「好きに食べさせて欲しい」「なんで食事くらいでそんなに言われるのか」と反発心をおぼえる人も少なくないようです。

なぜ食事マナーが対人関係において、大きな印象付けとなってしまうのでしょうか? 今回は心理学的な側面から、食事マナー違反が強く嫌われる理由について解説をしていきます。

1. もっとも強い「生理的嫌悪」を生みやすい

人間が完全にコントロールできない欲求は、睡眠欲・食欲・排泄欲の3つ。 これに性欲を加えた欲求は「本能」であり、つまるところ「動物と同じ」ということになります。

大脳が発達した人類はこれらの欲求をあらわにすることを嫌い、より「人間的」であろうとしてきました。 マナーとは「生理的欲求をいかにコントロールして、動物ではなく人間であるか?」という点から始まっているんですね。 食事マナーの場合も「動物的で無く、清潔感があること」が基本であると言えるでしょう。

例えば背中を丸めて口を皿につけて食べると言った行為は日本では「犬食い」と呼ばれてマナー違反とされていますね。 また音を立てて食べる、ガツガツと慌てて食べるといった行為が「行儀が良くない」とされるのも、やはり動物的な印象を与えるからと言えます。

そしてこれらの行為が相手に与える嫌悪感は「規則違反だから」といった論理的なものではなく、より生理的なものです。 「生理的に嫌だ」という嫌悪の印象は他の印象に比べて非常に強く、他に様々な美点があったとしても挽回が非常に難しいものとなってしまいます。

2. 「ガンコな人」という印象が強まる

食事マナーについては、10代までは周囲から注意をされる人も多いですが、20歳頃をピークに注意を受けることは減っていくもの。 20代前半頃までは社会に出たことで「注意を受けたことがある」という人もいるものの、30代を過ぎると激減する傾向を見せています。 これは「食事作法については、幼少期(成人前)には教えられる礼儀である」という認識となっているからです。

大人になってから食事作法が悪い人に対して、人間は無意識に「既に教わったり、注意を受けたことがあるのに、それを受け入れなかった人」という印象を持ちます。 人の意見に耳を傾けない、いわゆる「ガンコな人だ」というイメージを持たれ、精神的な距離が遠くなってしまうのです。

3. 「自分とは違う人」という不安を生み出す

食事作法は国によっても違いますし、地域によって多少違いも生まれるもの。 しかしどの国に行ってもその国のマナーに合わせた振る舞いをする人は好かれ、周囲から受け入れられます。 これは「食事の仕方やマナーが一緒だから、自分と同じだ」と感じさせる社交的心理です。

人間は「同じ集団に所属している」と感じる人に対して、「帰属意識」を持ち、強い好感を抱きます。 例えば同じ学校の卒業生だと知ると親近感がわいたり、同郷出身のスポーツ選手を応援するのも一例です。 そして例え今まで違う過去を生きてきた人同士であっても、同じ作法で食事をすれば「同じような生き方をしてきた」「仲間だ」と安心し、同属として好印象を抱くわけですね。

反対に食事作法が全く異なる場合、人はその相手に対して環境や経歴等の違いを強く認識させられます。 「自分とは違う」「共通項が無い」と感じ、相手への印象を悪く捉えやすくなってしまうのです。

4. 「知識・経験が少ない」という印象を与える

食事マナーに対して「今更憶えるなんて」「かしこまって食べた気がしないのでは」という発言をする人は少なくありません。 しかしこれは「できないことに対するハードルが高く見える」という認知の歪みの一つであると言えるでしょう。 基本的な食事マナーを身につけ、リラックスして食事をしている人は大勢います。

例えば「自転車に乗ること」を思い出してみてください。 乗るコツを憶えるまでには、少し時間がかかったかもしれません。 でも一度乗り方を覚えてしまえば、誰もがラクに乗っていますよね。

人間は様々な事柄に対して、自分の今までの経験や知識を思い出したり、周囲の行動等を見ながら「カンタンか、そうでないか」という判断をしているもの。 一般的マナーとされる食事作法を「格式ばっている」「難しそうだ」と避ける人については「それ以外の知識や経験も少ないから、難しく捉えるのだ」と受け取られやすいのです。

おわりに

食事マナーの違反は上記のとおり心理的に様々な悪印象を受け付けやすく、その人の元々持っている美点や才能を覆してしまうほどの威力を持っています。 しかし反対に言えば、マナーは一度覚えてしまえば忘れず、その後にもずっと好印象を与える得点源となってくれるものでもあるのです。 「マナーを見なおしてみようかな」と思った時が、まさに自分を変える最高のチャンスであるとも言えるでしょう。

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