公開プロポーズってダメなの?「サプライズ」の心理学的4つのデメリット

近頃ネットで話題になった「フラッシュモブで離婚となったカップル」の話。 実際の真偽については不明ではありますが、各SNSでも「フラッシュモブ」や「公開プロポーズ」について賛否両論の意見が巻き起こっているようです。

多くの人に祝福されてのプロポーズ、突然のプレゼント。 一見するとロマンティックで素敵に思える「サプライズ演出」が喜ばれない可能性もあるのは、なぜなのでしょうか? 今回はサプライズ演出の心理学的デメリット作用について解説していきます。

1. 身に余る好意は負担となる--「返報性の原理」

人間は自分に向けられた好意に対して、それと同じだけの「お返し」をしなければと考えるもの。 これは心理学で「返報性の原理」と呼ばれています。

日常的な例で考えてみましょう。 デパ地下の試食コーナーでいくつも試食をして、店員さんから丁寧に商品の説明を受けたとしたら… 「商品を買わないと、悪いかなあ」と思う人が多いはずです。 試食し、丁寧な対応を受けた(好意)に対して、商品の購入(好意)でお返ししようとするわけですね。

ところが、これを「負担」と感じる人もいます。 じっくりと商品を選ぶ状態であれば「コレにしよう!」と決めたかもしれないのに、店員さんが寄ってきただけで「止めておこう」となった経験があるという人、多いのではないでしょうか?

「好意には好意で返さなくてはならない=自由に選択ができない」と感じ、その状況を回避しようとしてしまうのです。

好意のお返しを「義務」と感じやすいタイプ

・試食コーナー等を避ける
・実店舗で店員の説明を受けるより、ネットで情報を調べる
・高価なプレゼントを喜ばない
・SNSやメールでの頻繁な交流を好まない

上記の例にあてはまる点が多い人は、手間暇をかけたサプライズ演出に対しても「喜んだ対応をすること/プロポーズを受けること」を「義務である」と捉え、回避しやすい傾向にあると言えます。

2. 「二人の世界を侵された」と感じられる

「恋人と二人っきりの時にだけ見せる顔がある」--心当たりがある人も多いことでしょう。 これは日本の恋愛関係が、ややクローズな関係性であることも影響しています。

欧米の場合、恋人同士は社会や家庭の中でも比較的大っぴらに仲良くするオープンな関係性を持っています。 これに対して日本では、会社や友人関係といったオフィシャルな場ではやや他人行儀で、「二人の世界」になった時だけは別…という感覚の人が多いのです。 「二人体制の秘密主義」と言っても良いかもしれませんね。

このようなクローズな関係性を「普通」と考える人の場合、プロポーズやプレゼント等に友人や店員といった「第三者」が介入してくることを好みません。

恋愛は「二人だけの世界」だと考えるタイプ

・友人や家族に恋人のことをあまり話さない
・SNSやブログでデート内容、プレゼント等の恋愛話をしない
・お互いの友人グループ・会社の同僚等に恋人を紹介することを好まない

3. 大きな計画ほどロマンティストになる男性、リアリストになる女性

「サプライズ」に対する考え方は、男女で意外と差があるもの。

女性は日常生活の中での小さなサプライズに対しては「刺激」として喜ぶ傾向にあります。 ただし旅行や引越といった、現実的な対処を伴うサプライズは苦手です。 大きな計画になればなるほど、計画を事前に知り、その「準備」をすることを女性は喜びと捉えるのです。

男性の場合、日常的なサプライズはあまり喜びません。 そして「ここぞ!」というキメの時ほど、大きなサプライズをしたがる傾向にあります。

そのため、例えば「明日から三泊で旅行に行こう!ホテルは取ってある!」と男性がサプライズをしたとすると--女性の側は「なんで早く言ってくれないの!旅行用の服だって買いたいし、体調だって整えたかった…」と冷めてしまうことになるのです。

4. 「喜ぶに決っている」と考えやすい企画側--報酬返報と同調圧力

人間は何かの行為を行う時、頑張った分だけの報酬が得られることを無意識に期待しています。 これは心理学で「報酬返報」と呼ばれる作用。 サプライズ企画の場合、相手がはしゃいだり喜んだり、プロポーズを受けてくれることが「報酬」となるわけですね。

企画に時間や手間がかかり一生懸命になればなるほど、期待される報酬は跳ね上がっていきます。

またこの企画が例えばフラッシュモブ等の集団で行われるものであったり、レストラン内等の多数の周囲の客が居るものであった場合--そこには更に「同調圧力」という心理作用が生じます。

「同調圧力」とは、集団の中で暗黙のうちに多数に合わせることを強制すること。

レストランで食事をしている時に急にライトが落ち、店員さんがロウソクを立てたケーキを持ってきたら......レストランの店員と客という「集団」は、一気にお祝いムードに包まれますね。 もしもここで「こういうのは嬉しくない」と当事者が言ったら、「なんてことを言うんだ!」という気持ちを持つ人も多いことでしょう。

つまりサプライズを受ける側は「喜べ」という圧力を受けることになるのです。 このような精神的圧力を、ストレスやプレッシャーとして受け取る人は少なくありません。 特に日本文化の場合には協調性、人の和を重視するという同調圧力が強い分、そのストレスを回避したいという人も多いと言えるでしょう。

おわりに

パートナーにサプライズをしたいな…と思ったら、まずはパートナーの普段の行動や、二人の関係性について一度振り返ってみましょう。 またいきなり大きなサプライズから始めず、週末のデート等でちょっとしたサプライズを仕掛けてみて、様子を見るのも手です。

最終的な目標は「パートナーが心から喜ぶこと」であるはず。 独りよがりのサプライズにならないよう、相手を思いやることが大切です。

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