「沈黙は金」はホント?コミュニケーションにおける「沈黙」の3つのメリット

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい

「沈黙は金なり」そんな諺もありますが、現在の日本ではどちらかというと「どのように話すか」という点が注目されがち。 でも実は、現代のコミュニケーションでも「沈黙」は重要な要素なんです。 沈黙が怖くてついついしゃべり続けてしまう人は、意外と損をしているかもしれませんよ。 今回は「沈黙」がもたらす3つのメリットについて解説をしていきます。

1. 沈黙が作る「集中」と「緊張」

「ずっと同じリズム」で動いているものに対して、人間は徐々に興味を失っていくもの。 例えばメトロノームがカチコチカチコチと音を立てていても、同じ間隔で動いている限り、時計のように感じて気にしなくなる人がほとんどです。

ところがこれが「カチッ」と途中で止まれば、多くの人がメトロノームに目をやります。 今まであったものが無くなる「音の空白」に対して集中をするのです。

これは会話についても同じこと。 絶え間なく同じスピードで話をしていると、人は集中力を失っていきます。 ところが合間・合間にフッと「沈黙(間)」が入ると、「これから何を言うのかな?」と相手に対して強い興味と緊張感を持つのです。

この効果をうまく使ったのがリンカーン大統領であると、アメリカのスピーチスキル開発者であるデール・カーネギーは述べています。 彼はスピーチの中で時折沈黙をし、聴衆の顔を眺めました。 また対面して話し始める前にも黙って、ジッと相手を見つめる一瞬があったそうです。

集中をして話を聞いた相手は、沈黙(間)の次の言葉を強く記憶に残します。 面接の場やプレゼンの場、恋人や友人との大切な話…「ここぞ!」という時の話にこそ、「沈黙」は大きな効果を発揮してくれるのです。

2. 沈黙が与える「誠実さ」

「沈黙=悪いこと」と感じてしまう理由としては、テレビやラジオ等のメディアの影響も大きいと考えられています。 テレビやラジオで「…」という無音があったら、「放送事故?」と思われかねませんよね。

そのためテレビに出ている出演者の人たちは、のべつまくなしに話し続けているわけです。 これを毎日聞く視聴者たちが「同じように話そう」と無意識に捉えるのも致し方ないことでしょう。

さらに現代の日本では、昭和初期に比較すると約2倍ものスピードで会話が行われているという説も。 現在のニュースでは1分に350文字程度のスピードで話が進められていますが、実際の会話では更に早く、1分400字程度で話す人も多いようです。 処理すべき情報が増えた分、より早く相手に情報を伝達しようとしているのかもしれませんね。

しかし実際には、私達の脳はそこまで早く情報を処理しきれてはいません。

「黙っていてはいけない」と思うあまり、「えーと、その…」「そうですね…」「あのー」といった挟み言葉が増えたり、語尾を伸ばして次の言葉を探そうとしてしまうのです。

ところがこのような話し方は、残念ながら相手に対して良い印象を与えないもの。 「えっとーー、私の長所はーーー、マジメな点でーーーあとはーーー」 こんな話し方をオフィシャルな場でされたら、「真面目で良い人」と思う人は少ないことでしょう。

「すぐに言葉が出てこない!」と思った時には、いっそのこと一瞬の沈黙を選んでしまった方が吉。 「長所は……マジメな点だと思います。それから…」 テレビタレントのように流暢には話せなくても、「きちんと考えて話している」という印象を与えた方が好感度が上がることも多いのです。

3. 有利になれそうな時ほど「沈黙」を

人と会話をする時に、「話すべき時」と「沈黙を選んだ方が良い時」、このどちらを選んだら良いかで迷う人もいるはずです。

心理学では、人間は「自分が不利な時」ほど押し黙りやすく、反対に「有利になれそうな時」には雄弁になると考えられています。

( 例 )
・「こんな質問をしたらバカと思われるかも(不利)」と思った時には、質問を避ける。
・「踏み込んだ話をしたら嫌われるかも(不利)」と感じた時には、黙る。
・「相手より知識や体験がある(有利)」と感じた時には、雄弁になる。
・「相手よりも自分の方が強く立場が上だ(有利)」と感じた時には雄弁になる。

友だちが「昨日◯◯を買って…」「◯◯を観て」という話をした途端に「私も買った!」「それ知ってる」と喜々として自分の話をしだす人、時々いますよね。 相手と自分も同等、もしくは自分の有利になるように話を展開させたいという競争心が、その人を雄弁にさせていると言えるでしょう。

ところが実際には、好感度を上げるのはこの「逆」であることが多いもの。 つまり「聞きにくいこと、言い難いこと」に対して正直に率直に話した人の方が相手とのコミュニケーションを深めやすく、同時に「自分の有利な分野」すなわち「自慢」に繋がりやすい部分には、沈黙をして聞き手に回った方が良い、というわけです。

「話そうか黙ろうか」と思った時は、「この話題って、自分に有利な話題かな?」と立ち止まって考えてみましょう。

おわりに

沈黙の3つのメリット、いかがだったでしょうか? もちろん、いつも押し黙っていることが良いというわけではありません。 会話の中の「メリハリ」として沈黙を使ってみる…こんな風に考えて、時には「黙る」という手段を使ってみましょう

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