休職した社員の復職を成功させるために--必ず抑えるべき3つのポイント

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

うつ病等の精神的疾病を訴える患者数は年々増加しており、いまや全企業中の50%近い企業で休職者が発生している状態となっています。 その中で問題となっているのが、復職者の「再休職」です。

休職者が焦りによって早すぎる復職を望んだり、復職直後から無理をしてしまうことで、精神的な症状・身体的症状が再度現れるケースが散見しています。

ここではうつ病等による休職者の復職支援を行う際に知っておきたい3つのポイントについて解説をしていきましょう。

1. 職場復帰支援プログラム・復帰プランの策定

休職者に対する職場復帰支援対策は、従来各企業に判断が委ねられる傾向があり、また休職者個人によって対策が大きく異なるといった問題がありました。

そのため2004年には厚生労働相によって「心の健康問題により休業した労働者の職場復帰支援の手引き」が公表され、休職者への対応・支援内容が一貫したものであることが求められるようになっています。 職場復帰支援プログラムでは、以下のような流れを定め、明確にしておく必要があります。

【職場復帰支援プログラムの段階】

1 )休職に至るまでの段階
2 )療養中の対応
3 )休職者の復職意志表示
4 )主治医との面談
5 )産業医との面談・指導
6 )復帰時の配慮
7 )復帰後のフォロー内容

上記のような流れに合わせ、各段階における産業保健スタッフ、人事労務管理スタッフ、監督管理者の役割を予め定めておきましょう。3)~4)の復職意思表示・主治医による判断が出たところで、休職者に合わせたより具体的なプランを立てます。

業務への復帰へのプロセスを明確にし、復帰後の処遇・仕事内容等が明瞭化されることが「復職できないのでは」という不安を解消し、休職者の焦りや性急すぎる復職の予防にも繋がるのです。

2. リハビリ出勤制度の導入検討

復職者の支援制度として、完全な復職前のリハビリ出勤制度を導入している企業も増えています。 リハビリ出勤とは、復職直後から復職前の仕事に戻すのではなく、出勤や仕事量を徐々に増やしていく試みです。

休職中から復職後は急速な環境変化によって心身ともに負担がかかりやすい時期であり、このストレスを緩和することを目的としています。

【リハビリ出勤制度の復職プログラム例】

第一段階:出勤のみ
第二段階:出勤後ルーティンワーク等の作業(1時間程度)
第三段階:短時間勤務(3時間~5時間)
第四段階:段階的に勤務時間・勤務内容を通常体系に戻す

平均的なリハビリ出勤プログラムでは、第一段階~第三段階までを1~2ヶ月、第四段階を約2ヶ月程度で組んでいますが、これはあくまでも目安です。 当人による自己申告のみに頼らず、産業保健スタッフ・主治医・管理監督者が連携しながら当人の体調をチェックし、段階を引き上げていきます。

3. 復職時の外部産業医(外部機関)面談の導入

企業規模によっては産業医を置いておらず、当人の復帰意志表示・主治医との面談(主治医の診断書提出)後の復帰判断を総務・人事に任せている企業も少なくありません。

しかしながら主治医の判断はあくまでも「日常生活への復帰」を主軸としているものです。 業務内容・職場環境といった復職後の状態を主治医では把握しかねますし、企業側の求めている精神状態の改善基準と、主治医側の考える病気の安定した状態とでは、大きな隔たりがあることが少なくありません。

これは「主治医の判断が間違っている」ということではなく、就労環境(企業側)の情報は原則として患者を通してしか知り得ない主治医の限界とも言えるでしょう。

そのため重要になってくるのが、企業との連携を行っている産業医の配置ということになります。 企業側の求めている復職の基準を知り得た産業医(もしくは外部専門機関)と主治医が連携を行い、また復職時の産業医面談も取り入れることで、より確実な復職段階の判断が可能となるのです。

おわりに

うつ病は非常に再発をしやすい病気であり、うつ病患者のうち60%~70%が再発を経験しています。 正しい復職支援を受けられず、うつ病によって休職と復職を繰り返すことで当人が自身を喪失し、問題を悪化させてしまうケースも珍しくないのが現状です。

重要な人材の流出・再休職による生産性の低下といった問題をクリアするためには、専門家の助言を得た上で、早期的かつ正しい復職支援プログラムを組むことが重要となります。

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