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「なかなか本心を打ち明けられない」「人に近づくのが怖い」といった思いはなぜ生じるのか?|カウンセラー 鶴田 みさ

公開日 2016年10月21日 |
カテゴリ: 人間関係を良くしたい
「なかなか本心を打ち明けられない」「人に近づくのが怖い」といった思いはなぜ生じるのか?|カウンセラー 鶴田 みさ

今回は、著者が受けている相談で非常によく見られる「親密性(英語ではintimacy)」の悩みについて書いてみたいと思います。

実際、20代~50代くらいの方で「親密性」の絡んだ悩みを相談に来られる方が、不思議と多いのです。

相談内容としては、結婚したい、結婚を考えている相手がいる、結婚しているが相手との関係で満足しきれないところがある・・・ といった悩みに、不安やうつ、依存症などの問題や症状が絡んでいる場合がほとんどではないでしょうか。

昔「友だち以上恋人未満」といった言葉が、一時期流行しました。この言葉において、なぜ「恋人未満」のままで「恋人関係」に至らないのか、を考えると、二人の間における親密性の問題があるからかもしれません。

「親密性」というのは専門用語で、ややとっつきにくいのですが、要するに「人と人がある程度を越えて近しくなる」といった状態です。特定の人に対して親しみや、信頼関係があると感じ、打ち明け話などをできるような状態です。

人間関係やその距離感にはいろいろなタイプがあります。「顔見知り」「知り合い」「友人・友達」「親友」・・・など、親しさの度合いによって呼び名が分かれていたりしますね。

親密性は、青年期に達成されると言われており、主に成人の男女の仲(カップルや結婚、同性でもあり得ますが)について言われますが、なにも男女に限ったことではありません。親子、特に母親と赤ちゃんも親密ですし、関係の性質上、肉体関係があってはならない来談者とカウンセラーの間でも親密性は達成することができます。

なんらかの理由で親密性が損なわれていると、上記のように一線を越えて恋人になるのが難しかったり、結婚したくてもできなかったり、親子関係や夫婦関係がギクシャクしたり・・・といったことが生じてしまいます。特に、恋人、夫婦、親子などは親密性を前提としていますから、「なんとなく相手が冷たい」「よそよそしい」「関係に満足できない」といった不満や不安を抱えてしまうことになるでしょう。

もちろん、既にカップルであったり結婚していても、親密性が満足行くほどではなかったり、以前はあった親密性が、なんらかの理由でレベルダウンしてしまっている、といった悩みもあります。 単に満足が得られない、悩んでいる、だけではなく、そこから無意識的にうつっぽくなったり、あるいはさまざまな形の依存症(アルコール、ドラッグ、過食、セックス、仕事、ギャンブル、買い物、共依存など)になったりすると、結果的にメンタルヘルスの問題が発生してしまうことになります。

カップルの場合-ー「友だち以上」になるには

高校や大学などで、大勢のグループの中でカップルができたりすると、グループから自然に離れていったり、別行動をするようになったりするようになります。

カップルには2人だけの空間、1対1の親密性が必要ということでしょう。 と同時に、1対1で(つまり2人きりで)過ごせるというのは、親密性の高い状況に耐えられなければならない、ということでもあります。

また、職場で「半径3メートル以内」にいる男女がつき合うことや結婚する可能性が高い、などと言われた時期もありましたが、距離の近さや、会う頻度は親密性の形成にとって、とても大切な要素です。

その点、ネット婚活などでは、「実際に会う」「ひんぱんに会う」ことをしない限り、親密性も上がりづらく、結婚まで到達しにくい状況なのかもしれません。 以前、婚活で一緒に旅行に行く、という広告を見ましたが、旅行やレジャー、アクティビティなどを一緒にやってみるというのも、距離が近づいたり、相手の性格を分かったりするのにとても有効なのではないでしょうか。

親密性が増すことで、会話の内容も、誰とでも話せるような話題から、プライベートな打ち明け話や相談事、子どものときの話、家族のことなども混じってきます。「誰にでも話せるわけではない」ことを話せたら、それはある程度親密性を達成していると言えるでしょう。

恋愛や結婚関係を保つためのコツも、この親密性に関わっていると言えます。食事や旅行、趣味など、二人だけの時間や流儀を大切にすることによって、今まで過ごした楽しい時間の再確認になり、良い関係をさらに続けて行くことができるようになるでしょう。

しかし、サラリとした友だちづきあいだけでは物足りないし、親密なつき合いだけでも疲れてしまいそうですよね。私たちの心の仕組みからして、深い付き合い、浅い付き合いを、必要に応じて使い分ける必要があるのではないでしょうか。

親子の場合-ー赤ちゃんとママからスタートして

そもそも、生まれて間もない赤ちゃんは視力が弱く、視野も限られています。自分から動いて移動するということもできません。そのせいか、親が覗き込むようにして赤ちゃんの顔を見ます。抱っこしたり頬ずりしたりもするでしょう。「相手の顔が視野いっぱいになり、歪んで見える」のが親密性の距離で(50センチ以内くらい)、ママと赤ちゃんはまさしくこのような感じでしょう。

また、授乳のときには抱き寄せて近くで顔を見るでしょう。抱っこやおんぶに始まり、身体をくっつけたり近くに居たりという形での親密性は、親子の場合かなり長い間続きますが、こうしたいわば「甘える」ことを子どものときにできていれば、親密性の基礎は確立されたと言えるでしょう。

もし、身体的に距離が近いといった親子の親密性をこの時期に経験しそこなっていると、そもそも他人に一定以上近づくということが難しくなってしまうかもしれません。

また、一旦親密性を経験したとしても、その後、親子関係や親密性にキズがつくような出来事があれば、親密性が損なわれてしまっていることもあるかもしれません。それでも、一旦確立されたのであれば、カウンセラーの立場からは「復旧しやすい」と言えます。

親に冷たくされたとか、甘えさせてもらえなかった、温かく世話してもらえなかった、と思っている場合は、信頼できる、親密性のある親子関係とはズレたところで親子関係ができてしまっていて、人間関係全般にそうした傾向が及ぶかもしれません。

その場合、「甘える」「信頼する」「温かく感じる」「依存する」といった関係を、カウンセラーとの関係や、他の関係(他の援助関係、恋愛関係、師弟関係など)で学び直す必要があるでしょう。

人間とは不思議なもので、もちろん最初の関係(母子関係、あるいはそれに代わる)が一番大切ではあるのですが、いろいろな人間関係が蓄積されていくので、たとえ母親や親との関係が良くなくても、他にいいクオリティの関係があれば、その分の不足を補ってくれるようです。

子どもと仲のいい関係を築いた親にとっては、子どもが離れて行くことはその親密性を失うことにもなります。失うというより質が変化するといった方がいいのかもしれません。思春期の子供の扱いが親にとって難しいのは、こうした理由もあるのかもしれませんね。

親密性とセクシャリティの関係

男女や同性のカップルにとって、親密性とセクシャリティの間には切っても切れない関係があると言えるでしょう。言うまでもなく私たちも立派な「動物」であり、肉体的な欲求や年齢によるニーズからは、なかなか逃れられないものです。

思春期の難しさは、身体は成熟しているけれど社会的にはまだ一人前と認められていないという「矛盾」の中にあるとも言えるでしょう。また精神的にも、青年期の親密性を体験できるほどには成熟していない状態と言われます。

セクシャリティには様々な社会的ルールや倫理も伴うので、社会性を獲得していることとの関連は、不思議なことではないのかもしれません。たとえば、既婚者が、婚外でそれを発揮してしまった場合、「浮気」として相手に離婚されても文句が言えないことになりますし、既婚でも性依存などセクシャリティの「過剰」に悩む人はいます。

対象が子どもだったりすると、性的虐待として相手に長く残るこころのキズを残しかねません。性的虐待の経験や記憶は、多くの神経症や精神病に悩む人によって語られているからです。また、同意しない相手だったらレイプとして犯罪行為になる可能性もあります。車内の痴漢行為なども、距離の近さを親密性と取り違えてしまうからこそ、起こるのではないかと思います。

実際には、セクシャリティには衝動性(性衝動)が関わっている一方、相手の合意を得るにはコミュニケーション能力や社会性(ソーシャルスキル)、関係を築き保つ能力、などが必要となってくるため、このバランスを取ることが要求されるのです。

また、恋愛やセクシャリティの真っ只中で精神の均衡を保つためにも、ある程度精神が成熟していることが条件になるとも言えます。 浮気、虐待、犯罪行為とまで行かなくても、カップルが望んでいなかった妊娠に直面してしまうなどの「リスク」もあるでしょう。

このように、親密性や近づくことにはいろいろなリスクが絡んでいるとも言えます。その一方、親密さを欠いた人生というのはなにか薄味というか、充実感に欠けるものとなってしまいそうです。親密性のある人生とない人生では、大きく満足感や幸福感も変わってくるのではないでしょうか。

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