若者の離職率が高いのはなぜ?3つの原因から考える離職率低下対策

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス

「せっかく新人が入ったのに、また辞められてしまった…」

こんな悩みを持っている企業は少なくありません。 就職後3年以内に退職する人の率は、大卒離職率で全体の3割、高卒離職率で全体の半分以上という高い数値を維持し続けています。

「なぜ若者はすぐに辞めてしまうんだろう?」

離職率の高さの原因について「若者の側に問題がある」と考える人も多いことでしょう。 しかし実際には、企業側の新人受け入れ体制に離職率の原因が潜んでいることも多いのです。 ここでは離職率が高い企業の原因と、離職率改善のための対策について解説をしていきます。

1. 「思っていた仕事ではない」-- 将来性への不安

退職理由の上位トップ10に必ず食い込むのが「仕事内容への不満」です。 雑用ばかりやらされる、華やかな業界だと思っていたのに地味な仕事ばかり… いわゆる「理想と現実とのギャップ」に面食らってしまう人が多いわけですね。

これを「甘い」と考える人もいるかもしれません。 しかし離職率が高い企業の場合、就職活動時に「理想面」しか提示していないことが多いのです。

またいわゆる下積み期間(教育を受ける期間)の長さやその後のステップアップを明確にしない企業の場合、若者達は「このままずっとこうなのか?」という将来性の無さを感じることになります。

「地道な作業が必要である」という現実を提示した上で、「その代わり、その作業や工程が将来的にはステップアップに繋がる」という将来報酬を示した方が、理想と現実のギャップを埋めていくことができるでしょう。

【離職率改善法例】

・どんな業務があるのか(特に新人の業務)は事前に提示する
・教育期間がどの程度で終わるのかを示す
・ステップアップの工程を図や表で示す(視覚的認識をさせる)

2. 「聞いていた労働環境ではない」-- デメリットによる幻滅

離職率の高い企業を退職した人からよく聞かれるのが「労働環境への不満」です。 有給制度が充実していると聞いたのに有給が取れない、思っていた以上に時間外労働が長い… こんな理由が多いですね。

ここには「メリットだらけ」を追い求めてしまう若者心理と共に、「メリットだけ」を事前提示してしまう企業側にも問題があると考えられています。

労働者側にとってのメリットというと、以下のようなものが挙げられるでしょう。

・福利厚生が整っている
・有給が取れる
・給与が良い
・残業が少ない
・キャリアアップできる

残念ながら、この全てをクリアする企業は少ないのが現状ですよね。

しかし「この全てのメリットが有る」と提示して期待させれば、幻滅時に「即退職」となるのは当然です。 「何がデメリットで、そのかわりにどんなメリットがあるのか?」 この点をハッキリとさせている企業では、中小企業でも離職率が低い傾向にあります。

例えば「これから1~2年は成長期間であるため有給を取るのは難しい(デメリット)その代わり企業としての発展が見込めるため、これだけの収入アップが期待できる(メリット)」といった具合ですね。

【離職率改善法例】

・企業のデメリットは必ず面接時に織り込む
・デメリットには「代わりのデメリット」を提示する
・メリット・デメリットを把握した人材を獲得する

3. 「上司のフォローが無い」-- 企業側マネジメント体制の低さ

3年以内に離職した人のうち、最も多くの人が離職理由として挙げているのが「上司との関係」です。

業務ルールがその日の気分で変わる、メンバーによって対応が異なる、部下のフォローアップが無い… いわゆる「パワハラ」とまでは行かなくても、「上司に頼れない」という状況が新人の離職率の一因となっているのは間違いありません。

離職率を改善していくにあたっては、まず直属上司となる管理監督者達のマネジメントスキルを上げて行く必要があります。

【離職率改善法例】

・管理監督者向けのラインケア研修の徹底
・管理監督者向けのマネジメント研修の徹底
・教育係・教育担当者への褒賞制度

おわりに

離職率の高い企業に共通しているのが「応募人数の多さ」への着目です。 確かにデメリットを隠し、メリットだけを提示していけば、一定数の応募者は獲得できるでしょう。

しかしネットの発達した現在、若者達は就職後にも「その他の可能性」を多く目にすることになります。 幻滅度が高ければ高いほど「他の可能性の方が魅力的である」と考え、多くの新入社員が離職してしまうことになるのです。

なお離職率改善のために面接・説明会の内容改善を行った企業では、初期1年目には募集人数の低下が見られたものの、離職率は大幅に改善。 離職率低下に従って従業員満足度が上がり、最終的には応募者数が再度伸びを見せるという結果につながっています。

一時的な応募者数の減少に因われず、「全員が会社に残る人材の確保」を考えることも企業にとっては大切です。

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