生産性向上のために知っておきたい!行動心理学で学ぶ3つのポイント

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 職場のメンタルヘルス

生産性の改善のために企業が行う施策は様々です。 動線の改善、作業プロセスの省略… 作業効率を良くして生産性を高めようと、あらゆるアイデアが考えられています。

しかしここで盲点となっているのが、「働いている人達は『人間』である」という点です。 コンピュータのCPUとは異なり、人間の脳は一見非効率的に見える行動の方が、結果として生産性が上がることが多々あります。 ここでは行動心理学から考えられる生産性を上げるための3つの方法を解説していきましょう。

1. 朝の10分はタスク管理に使う

出社してパソコンを立ち上げ、いきなりメールチェックから入る… オフィスではこんな人も多いですよね。 また朝礼の後になし崩しで昨日の業務の続きを始めている、なんて人もいるのでは? このような計画把握の無い状態でスタートした作業では、脳の働きは鈍くなってしまい、結果として生産性が落ちてしまいます。

朝の最初の10分間は、今日のタスク管理を行うことから始めましょう。 ざっくりとした午前・午後のスケジュールだけでなく、それを更に細分化してタスクリストを作っていきます。

例えば1ヶ月間かかるスケジュール工程の場合、タスク消化率が目にみえないとモチベーションは下がってしまうもの。 脳は「成果」を無意識のうちに求め始め、現在必要の無い書類の整理や不要メールの消去といった「手応えのある逃避行動」へと向かってしまうのです。

「何がどこまで進んでいるのか?」「今日は何を進められるのか?」がハッキリとしていれば、仕事の進み具合は大きく変わっていきます。

なおタスクリストを作る際に気をつけたいのが、「理想を追い求めすぎない」という点です。 「アレもコレもやろう!」とタスクリストを盛り込んで、結局明日に持ち越し…これでは「タスクが消化できた」という満足感は得られません。

本人の能力に適切なタスクが制作できているか、タスクの消化度がどの程度なのかは、管理監督者もチェックしておくべきと言えます。

2. ルーティン業務は午後にやるべき?

「脳も疲れる」というと、意外に思われる人もいるかもしれません。 しかし脳も人間の臓器のひとつ。 体と同じように、シャキシャキと動ける時間と疲れてしまう時間帯があるのです。

脳科学の研究によれば、脳の判断力や認知力が最も高いのは目覚めてから2時間後~3時間後程度からで、その状態が維持できるのが3~4時間であることがわかっています。 つまり6時に起きた人の場合、認知力が上がっているのは9時台~12時台。

午後から夕方にかけては、マラソンランナーのように徐々に脳の理解力・判断力が落ちていき、仕事の生産性に問題が出てくるのです。 つまり最も創造力・思考力を使う仕事こそ、朝のうちに片付けておくのが理想的というわけですね。

せっかくの「脳のゴールデン・タイム」を、頭をそれほど使わなくてもこなしていけるルーティン業務で終わらせてしまうのはもったいないことです。 例えば夕方4時頃等の「体力・集中力が落ちやすい時間」こそ、習慣的に対応しやすいルーティン・ワークをすべき時間と言えるでしょう。

3. 適切な休憩が生産性を上げる

「社員の休憩を増やす」というと、「それは生産性が落ちるのでは」と懸念される経営陣の方も多いはず。 ところが実際の心理学調査において、休憩を取らせずに長時間作業を行ったチームと、適切な休憩を取ったチームでは、後者の方が早くしかも丁寧に作業を終えられたことがわかっています。

人間の脳と身体の集中力が一定状態を持続できるのは、およそ1時間半。 いくら集中力が続く人でも、2時間が限度であるとされています。 休憩を挟まない劇場映画作品の長さが原則「2時間以内」とされているのも、この辺に理由があるんですよ。

この時間をすぎると、人間の脳と体は一気に「休み」を求めるシグナルを出します。 例えばミスタッチが増える、手を止める時間が増える、座った体制が維持できなくなる…これでは生産性向上をするのは難しいですよね。

作業1時間半~2時間程度を目安として、適宜の休憩を挟むようにしましょう。 休憩時間はデスクではなく、リラックス・リフレッシュできる別の部屋やフロアに行くことも大切です。

いくら作業をしていない状態でも、「作業している場所」に居るままでは神経が休まることがありません。 短時間でも別の場所に身を置くことで、脳の疲れが取りやすくなるのです。

おわりに

心理学から考える3つの生産性向上のポイントはいかがでしたか? 「人間の脳は機械ではない」この点に着目して人間の行動を抑えた生産性改善策を打ち出した企業では、既に仕事の生産性効率を上げることに成功しています。

人間の行動の場合、一見すると遠回りのように見える道の方が、意外と近道であることが多いものである--この点に気づくか否かが、今後の企業発展を決める分かれ道であるとも言えるでしょう。

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