あなたの恋人は? 演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)とは

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 自分を変えたい

演技性人格障害(演技性パーソナリティ障害)とは、周囲の関心・注目を集めるために、極端に芝居がかった行動を行ったり、自分を偽ったりするタイプの人格障害です。

カンタンに言えば「目立ちたがり」ということになりますが、単なる「目立ちたがり屋」と違い、問題行動から人間関係に問題が生じたり、会社・学校といった集団の中に居られなくなど、社会生活に支障が出るケースも多数見られています。今回はこの「演技性人格障害」によく見られる傾向について、8つのポイントから解説をしていきましょう。

1. 常に興味・関心を求める

学校・会社等、集団の中では常に自分が話題の的でいないと不安や不快さを感じます。

演技性人格障害となった人には、幼少期の家庭環境における愛情の不足、親との自然な関係を築けなかった経験などが影響をしているケースが多く見られる傾向です。「親から子供への自然な関心・注目の不足」が、成長してからも過度な関心・注目を求める要因であるとも考えられています。 後述する特徴のほとんどが、この「他者からの注目・関心」を寄せるためのものであると言えるでしょう。

2. 行動・感情表現がオーバーである

体を大きく使って笑ったり、マンガや映画のように驚いたりと、周囲から「オーバーだ」と感じられるような行動をします。

例えば「ビックリした」という表現をするために両手で口を塞いだり、「理解した!」という時に片手でポンともう片方の手をたたく…このような表現は映像作品やマンガではよく見られますが、現実社会ではあまり見られませんよね。 演技性人格障害の場合、このようなデフォルメ(誇張)された表現をよく使う傾向が見られるのです。

3. 仮病やウソの話が多いなど虚言癖がある

「周囲からの注目や関心を集められない」と感じると、わざと具合が悪いように装ったり、耳目を集めるようなウソや見栄の話を始めることもあります。 また「ウソを見破られないように」と、過剰な無理をする(例:借金をしてでも派手な服装をする、行きたくも無い場所に外出する)といったケースも見られます。

4. 過剰に性的アピールをする

女性の場合には露出の多い服装をする等、セックスアピールを過剰に打ち出そうとします。 また男性の場合にも外見に対して強いこだわりを見せ、常に「異性からみて魅力的」と本人が考えるスタイルを維持しようとする傾向です。

特に「相手が自分に興味を抱いていない」と感じた時、ボディタッチ、性行為を連想させる内容等を話し、自分に興味を向けさせる傾向があります。

5. 感情の幅が激しい、気持ちが移りやすい

先程まで明るく魅力的に行動していたかと思うと急にふさぎ込んで涙を流すといった、感情の移ろい・不安定さを見せます。 またかんしゃくを起こす、怒りの表現において物を投げる等、感情表現に子供っぽさが見られるのも特徴です。

6. 流行や周囲の好みに流されやすい

演技性人格障害では、ウソで自分を固めようとするかわりに、「本来の自分の好み」というものが強くありません。 そのためその時々の流行に流されやすかったり、会社等の環境・友人・恋人の影響などを受けやすい傾向があります。 「その場で一番魅力的とされやすいロールモデル」を常に模倣しようとするのです。

これは服装や髪型等だけではなく、ライフスタイル・喋り方・行動様式などにも現れます。 例えば少し前までは「人気の女優のような、おしとやかで乙女風」だった女性が、そのタイプがウケないと知ると「人気のミュージシャンのような活発なタイプ」に変貌したりするわけです。

7. 他人との距離感を過剰に親密に捉える

演技性人格障害の人は、他人との距離感を少しずつ詰めていく(他人との距離感をはかる)ということが苦手です。 知り合ったばかりの人を長年の友人のように扱ったり、知り合い程度の関係の人の家に突然押しかける、家族レベルのようなプレゼントを渡すといったケースも見られます。

常に人に囲まれていたいという欲求は強く「仲良し」「親友」「仲間」といったものを過度に求めますが、友人・恋人への愛着は少なく、自分自身にしか興味が無いため、人間関係は浅いものになりがちです。

8. 発言の中身が薄い

演技性パーソナリティ障害の人の話し方は、社交的で明るく、物腰が良いため非常に魅力的に見られることも多いです。 また話題が豊富であったり、一見すると「非常に良いことを言っている」と聞こえることもあります。

しかしそれらの話は作り話や小説・マンガ・ネット等からの引用、誰かの意見や一般論をなぞっただけというものがほとんどです。

演技性人格障害の自己同一性(自分なりに生きる方法を悩んだ経験や、自分らしさを獲得した自信)はほとんど無く、自立性・内面性は非常に希薄なものとなっています。 「その人らしさ」を会話から感じられないため、友人・恋人といった人間関係ができても、周囲は少しずつ「魅力が薄い」と感じるようになっていきます。 「自分への興味が薄れた」と感じた当人は、誇大化させたウソの話しやセックスアピール等で相手の興味をつなぎとめようとするのです。

おわりに

演技性パーソナリティ障害の特徴としては、自己愛性人格障害、反社会性人格障害といった他の人格障害との併発が多いという点、そしてうつ病等の気分障害にもなりやすいといった問題点も挙げられます。

しかし、当人が自分の問題に気づくことが少なく、家族等から指摘を受けて受診をする、もしくは注目を引くための問題行動等によって障害が発覚するというケースが多い傾向です。

かつては「女性に多い」とされた演技性パーソナリティ障害ですが、専門家の間では「自覚が無い、本人が社会的問題を『問題である』と認識しない」という点から男性の受診率が少ない可能性を指摘しています。いずれにしても様々な他の病気や社会的問題を生じる前に、早めに専門家に相談をすることが大切です。

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