憂鬱をうつ病にする前にできること。必要なのは診断ではなく解決

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: うつ病・憂うつな気分

「うつ」という言葉を頻繁に耳にするようになったと思いませんか?厚生労働省は「うつ病」の増加をデータで公開していますし、メディアで「うつ病」が扱われることも多くなりました。現在、日本では公務員の約1%が、主に「うつ病」を要因としたメンタル休職者と言われています。民間企業でも、その数字を基準にしていますから、皆さんの身近でも、会社や親戚、友人などを見まわすと、「うつ病」の患者さんが1人はいるのではないでしょうか。

あいまいなうつ病の判断基準

どうして「うつ病」が増えてしまったのでしょう。

バブル崩壊後の不況や高度成長により、日本人の労働負担やストレスが増えたからだとする説があります。しかし、そうだとするならば、戦前の大恐慌や戦時中にも「うつ」の大流行があってもおかしくなかったはずです。

うつ病対策や職場の環境作り、復職支援などが進んでも、うつ病は減っていませんし、製薬会社が啓発キャンペーンでテレビCMを流したり、街中で見かけるメンタルクリニックの看板も増えるばかり。もしかして、「うつ気味」な人たちまで、ごっそり「うつ病」にしてしまってはいないでしょうか!?

「うつ病」かどうかの診断は、患者さんの自覚症状をもとに医師が判断します。今でも直感に頼るベテラン医師も多いと聞きますが、世界共通のマニュアルとして「DSM-Ⅳ(精神疾患の診断・統計マニュアル第四版)」が使われるのが一般的です。ここでの問題は、精神疾患の診断が、血液検査やMRI検査などのように目に見える数字や画像で判断されるものではないということ。つまり、単なる憂鬱とうつの境目は、人為的であいまいです。

安易にうつ病と診断される危険性

雑誌などに「うつチェックシート」なるものが掲載されているのを見たことがある人もいると思いますが、診断基準となる症状の中に「食欲の変化(減退、もしくは増加)」「睡眠の変化(不眠または過眠)」「易疲労性」という項目が出てきます。

いつも、茶碗山盛りのご飯をおかわりをしていた人が、茶碗一杯でおなかいっぱいになるのは食欲減退でしょうか。

全然眠れないと本人は感じているのに、家族にはしっかり寝ているように見えるということがありますが、これは眠れていることになるでしょうか。(熟眠障害と言い不眠に入ります。)

気力の減退は何を基準にしましょう。「やる気は起きないけど、頑張ればできないこともない」という我慢強い人もいるでしょうし、「もう何もしたくないからやめよう」と、すぐに匙を投げるタイプの人もいます。ここでの答えによっては、あなたも「うつ」という結果が出ます。

大事な試験に落ちたり、仕事でミスをしたり、ペットが亡くなったり、恋人とケンカをしたり。人は誰でも落ち込むことがあるものです。そんな時に、「一日中、憂鬱な気分ですか」「眠れていませんか」「疲れやすいですか」「食欲に変化がありましたか」「思考力や集中力が続きますか」と質問されると、当てはまる気がしてきませんか?日常生活に支障をきたし、持続的に気分が落ち込んでしまうのが「うつ」です。持続性の基準は2週間とされていますが、大抵は、しばらくすると元気になるものです。

精神科医の診断がほぼ同じようになるように作られた「DSM‐Ⅳ」ですが、最低限のラインとして設けられているものなので、慎重に診断しないと「うつ病」でない人まで「うつ病」としてしまう危険性があります。また、「うつ病は心の風邪」といった表現で、「自称うつ病」も増えたように感じます。

必要なのは診断ではなく解決

「自分はうつ病だ」と考えることで、目の前の問題を回避することはできるかもしれません。しかし、医師にうつ病との診断を受けると薬物療法が始まるのが一般的です。それは、必ずしもあなたの症状をすぐに改善してくれるとは限らず、薬物には副作用が伴います。まずは、問題の原因となる生活習慣を見直し、ストレスの原因をつきとめないことには、問題は解決しません。

あなたを憂鬱にしている原因は何でしょうか。どうしてそれは、あなたをそんなに悩ませるのでしょうか。原因について徹底的に考えたら、今度はそれらを一旦忘れて、リラックスしてみましょう。あなたの目指している姿を思い浮かべて、それに向かって何をすべきかを考えてみてください。そして、今のあなたの思いを誰かに伝えてみましょう。

悪いところは専門家の手を借りて治すべきですから、精神科や心療内科を訪れることに抵抗がなくなってきたことは決して悪いことではありませんが、ほんの少しの不調を「心の病」と考えるのはちょっと待って下さい。いつでも、どこでも明るく前向きでいられる人はいません。人間の気持ちには必ずリズムがあります。うまくいかない時、気分が落ち込んだ時に、上手にコントロールする手段をみつけましょう。

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