整理整頓が苦手・片づけられない
小学校に入学すると、学校では自分の机やロッカーが決められ、子ども自身で整頓など管理が求められるようになります。また、家庭によって多少の違いはあっても小学生の間に子ども部屋を作り、学年があがるにつれて自分の部屋で生活する時間が長くなっていきます。そうなると、自分で管理する範囲が広がり、子どもだけの力でできていない範囲が明確に見えるようになってきます。大学生や大人になって、一人暮らしをするようになると、一つの部屋だけでなく、台所やお風呂場などすべての範囲を自分で管理しなければならなくなります。
『よく見られる行動』を参考にしながら、気になる場合には一人で悩まず、まずはお近くの相談機関または当カウンセリングでお気軽にご相談ください。
よく見られる行動
部屋の中が散らかっている。きれいに片づけても、すぐに散らかってしまう。
物を出したら出しっぱなし、使いっぱなしになっている。
片づけ始めても、途中で他のことを始めてしまい、なかなか片付かない。
学校の机やロッカーの中がグチャグチャになっている。
よく探し物をし、なかなか必要な物を見つけられない。
考えられる可能性
気になったことに注意が移りやすい。
今、取り組んでいることの途中に何か別のことが頭に思い浮かんだり、取り組んでいることが終了した瞬間に次の活動のことを考えていたりすると、今使っていた道具などを片づけるという活動への意識が消えてしまい、その場に置いたままに次の活動に移行してしまうという傾向を有している場合があります。
記憶力の弱さ
「どこに何が入っていたか」「これはどこから出したか」「あれはどこに置いたか」など覚えておくことが苦手で、記憶力の弱さを有している可能性があります。
空間把握力が弱い
「このスペースにはこれくらいの物なら入るだろう」、あるいは「このスペースにこれだけの物を入れるのは難しいだろう」など感覚的に空間を把握する力が弱い可能性があります。
分類する力が弱い
整理整頓や片付けにおいては、物の種類(服、本、オモチャなど)や、使用頻度(頻繁に使用・たまに使用・全く使用しない、あるいは年中使用・季節限定で使用など)、使用場所(自分の部屋、リビング、風呂場など)など複数の視点で分類を行うことが必要となります。どういう分類方法があるのか、その物に合った分類方法はどれかなどを考える力が弱い可能性があります。
瞬時に物事の優先順位や段取りを考える力が弱い
「まずはどこから手をつければよいのか」など優先的に片づけた方がよい場所を考えたり、効率的に片づける手順を考えたりする力が弱い可能性があります。
こだわりがあり、物が捨てられない
本人の中にこだわりがあり、そのこだわりのために物を捨てられない場合があります。物を捨てられないと当然、物が溢れていくため、収納可能なスペースを大幅に超える物の量を所有してしまっているかもしれません。
※これらは、『整理整頓が苦手・片づけられない』という気になるポイントに対して、多くの割合で要因として考えられる可能性として挙げていますが、必ずしもこれらのどれかに当てはまるとは限りません。また、場合によっては、1つの要因に絞れず、複数の要因が絡み合っていることもあります。
対応の具体例
<小学校~高校までの学校内における整理整頓>
※学校内の行動に関しては、親が直接、声をかけれるわけではありません。子どもが取り組みやすいような工夫の下準備を行った上で、担任の先生に適宜、できているかどうかを確認する声をかけてもらうなどの協力をお願いすることが大切となります。
お道具箱の中身の置く場所の明確化
お道具箱の底に写真や絵を貼って、置く場所がすぐに分かるようにすると片づけやすくなります。物がたくさんある場合には、仕切りを作ることもいいでしょう。
教科書等の授業で使用する物の流れをパターン化
1.学校に着いたらすぐにランドセル(カバン)から机の中に教科書などを入れる。
2.使い終わった教科書などは、授業が終わったらすぐにランドセル(カバン)に入れる。
このように流れを決めることで、使い終わった物とこれから使う物が明確になり、机の周りがすっきりしやすくなります。
ファイルを上手に活用
「学校に着いたら提出するもの」と「家に持ち帰るもの」と分けてファイルを作っておくといいでしょう。
1.「学校についたら提出するもの」ファイル
ランドセルの中に入れるのではなく、ランドセルの横に紐で掛けれるようにすると、着いた時に思い出しやすくなります。
提出が済んだら、空になったファイルはランドセルの中に片づけるように促します。
2.「家に持ち帰るもの」ファイル
学校に着いたらすぐに机の横に掛けるようにしましょう。プリントなどが配られるたびにこのファイルに入れるように促します。
帰る時には、ランドセルの中に入れるのではなく、横に掛けるようにすることで家に帰ってから親に渡すことを思い出しやすくなります。
また、中高生の場合には、1つのファイルに複数の仕切りがついているものを使用し、渡されたらすぐに教科ごとに分類できるようにしておくといいかもしれません。
帰る前に机の周りを確認する声掛け
一日が終わり、学校から帰る時が、机の周りを片づけるタイミングとするといいでしょう。子ども自身の行動として定着するまでは、帰る前に机の周りがきれいになっているか、物が残っていないかを確認する声掛けを先生からしてもらうことが必要となります。
<家の中における整理整頓(全年齢共通)>
収納場所の見える化
扉がなく何が置いてあるかすぐに見える収納/ガラスなど透明の扉で中身が見えている収納/中身は見えないが、何が入っているか書いてある収納などがいいでしょう。
「開けなければ何があるか分からない」などわずかでも手間が加わることで、片づけることが億劫になってしまいます。パッと見で分かりやすい収納方法に工夫することが、散らかりにくい環境を作ることにつながります。
動線に沿った収納場所
「片付けに行くためだけの行動」は、強く意識した上でしか行動することが難しくなります。今の生活の中で、この物を持っている時には、家の中でこのあたりで動いていることが多いといった動き方(動線)に沿った場所に収納場所を設定することで、すぐに片づけるという行動につなげやすくなります。例えば、靴下や服などをリビングに脱ぎっぱなしにして、すぐに洗濯機に入れないという場合、リビングにカゴな
どを用意して「一時収納場所」を作ります。お風呂に入る時に、そのカゴを持って行き、洗濯機に入れるという流れに変えると取り組みやすくなるかもしれません。
こまめに片づける時間を設定
大きく散らかった状態になってしまうと、何から手をつけてよいか分からなかったり、やる気が失せてしまったりして、一向に片付かなくなってしまいます。例えば、就寝前の30分など時間を決めて、こまめに片づけることが大切です。
細かすぎない分類
整理整頓において、分類はとても大切な作業です。しかし、細かく分類しすぎてしまうと、分類の種類がたくさんになったり、その分類に当てはまらないものが出てきたりして、混乱するとともに片づける気力の低下につながる場合があります。細かく分類しすぎずに、大きな枠で分類することが大切です。
捨てる目安
長年、同じ家で生活をしていると、不要な物を捨てるタイミングが見つからず、どんどん物がたまっていきます。収納スペースを増やすことができる場合には、棚などの収納を新たに購入したり、レンタル倉庫などを借りたりすることも方法でしょう。しかし、多くの場合には、そのようなことは難しいのではないかと思います。限られた収納スペースに入りきる分の物しか持たないことが大切です。そのために、1年使わなかったら捨てる、など、物を捨てる目安を決めるということが重要となります。
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