忘れ物が多い
幼稚園・保育園の頃は、園からの連絡がすべて親に伝えられ、親が準備するため、“忘れ物”という概念があてはまる場面がほとんどありません。小学校に入学すると、連絡帳に記載し、プリントも子どもを介して親が受け取るようになります。
中学校に入学すると、小学校までの「帰りの会で、みんな同時に、全時間割に関することをまとめて連絡帳に記載する」ということがなくなり、各教科ごとに授業中に持ち物を伝えられる学校が増えます。さらに、大学生や社会人になると、みんな同じ時間割で動くというような決められたスケジュールがなくなり、自分でスケジュールに合わせて持ち物などを考えなければなりません。
このように年齢があがるにつれて、求められる自己管理能力の水準が高くなってきます。人は誰しも、どんなに「忘れないように気を付けよう!」と意識していたとしても忘れてしまうことはあります。しかし、忘れてしまう回数が多すぎると、「何で自分はできないんだろう…」と自信をなくしたり、「どうせできないだろうから」と人から信頼されなくなってしまったりしてしまいます。“忘れやすいタイプ”という根本を変えることは難しいかもしれませんが、忘れることを減らすための“補う方法”を身につけていくことは可能です。
「どういうステップから始めればよいのだろう?」、「自分の生活の中で、まず始めやすいのは何だろう?」など一人で悩まず、まずはお近くの相談機関または当カウンセリングでお気軽にご相談ください。
よく見られる行動
考えられる可能性
※これらは、『忘れ物が多い』という気になるポイントに対して、多くの割合で要因として考えられる可能性として挙げていますが、必ずしもこれらのどれかに当てはまるとは限りません。また、場合によっては、1つの要因に絞れず、複数の要因が絡み合っていることもあります。
対応の具体例
上記で挙げた3つの要因は重なり合うことが多く、対応方法として本人自身が身につける、最も大切なことは1つ、「メモを取ること」です。忘れ物を減らすためには、これを自分の行動パターンに取り入れ、自然にその行動ができるようになることが何よりも大切です。
小学生の場合・・・連絡帳を必ず書けるようにする工夫が必要です。
例)Step1.連絡帳を書く際に、先生から個別の声掛け。(先生と家庭との連携が大切です。)
Step2.書いた連絡帳を先生に確認してもらう。
Step3.帰宅後、親から子どもに連絡帳を確認するように声をかける。
Step4.親に準備してほしいものと、子どもが自分でやらなければならないことを分けて、連絡帳を読み上げるように促す。
Step5.子どもが自分でやらなければならないことは、一つずつ横で一緒に確認しながら進める。学年があがってくれば、自分である程度は進めた後で、親が確認をするという流れに変えていく。
※書くことが苦手で連絡帳が書けない場合や持ち物の管理に関する具体的な方法はこちら
中高生の場合・・・縦書き・横書き、行の幅など自分に合ったノートを見つけましょう。
常に持ち歩くものなので、好きなデザインの物を選ぶことをおススメします。付箋や簡単に切り離しができてしまうメモ帳などは、どこに貼ったかが分からなくなったりなくなったりする場合もあるので、ノート1冊にまとめていくことがいいでしょう。中学生以上になると学校に協力を求めることが難しい学校が多くなりますが、記憶の弱さ、メモ用のノートを用意していることなどを簡単に伝え、「重要なことはノートにメモを取れているか声をかけてほしい」ということをお願いし協力を仰げるか確認することが必要です。
文字を書くことが苦手な場合
・子どもが受け入れられるのであれば、小学生の頃を同様の方法(詳しくはこちら)。
ただし、中高生の場合には、親が準備するのではなく、子ども自身がパソコンを使って自分が使いやすいフォーマットを作れるようにする。
・板書がある場合にはスマートフォンなどのカメラでの認めてもらえないか学校に確認。
(日本の学校は認められないことが多いので、それを前提とした確認ですが…)。
・友達にコピーをさせてもらえるように依頼するスキルを身につける。
・家庭では、お遣いを頼む時などにスマートフォンなどでメモを取って確認しながら買い物をするなどの練習を重ねる。
大学生・大人の場合・・・自分に合ったメモの方法を探りましょう。
・手帳の場合には、一日1ページの手帳で、時間軸が書いてある手帳をおススメ。
その日の予定やタスク、持ち物などがすべて1ページに書いてあることにより、予定・準備物の確認がスムーズに行えます。
・スマートフォンなどの場合にも、1つのアプリでまとめられるものを探す。
※複数の箇所にメモがあると、「メモを取ること」はできても、「確認すること」を忘れて、結果として忘れてしまう状態が変わらなくなります。そのため、1か所にまとめるということがとても大切です。付箋もバラバラになって、どこに書いたか分からなくなることが多いので、極力、使用は避けた方がいいでしょう。
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