check(1)癇癪(パニック)を起こす

子どもの自我が芽生えてくると、様々な自己主張が生じてきます。特に、2歳頃は「魔の2歳児」とか「イヤイヤ期」とな どと言われるように、親が言うことすべてに「イヤ」と返して、なかなか指示に従わない時期があります。
そのような時期の間で、多くの場合、一度は癇癪(パニック)と呼ばれるような、叩いたり暴れたり大泣きをしたりという行動が見られる時があります。これは、子どもにとって、一つの意思表現でもあります。徐々に年齢があがり5歳頃になると、言葉で伝えられることも増えるということもあり、少しずつ落ち着いてくるようになります。

しかし、子どもによっては、小学校に入学しても継続している場合があります。「家の中だけならまだしも、お店や駅など外で癇癪(パニック)を起こされると人の目が気になって…」とどう対応したらよいかに悩むことも多くなることでしょう。一人で悩まず、まずはお近くの相談機関または当カウンセリングでお気軽にご相談ください。

よく見られる状態

  • 床にひっくり返って大暴れをする
  • やりたいことを制止されると、泣きわめく
  • 思った通りにならないと、叩いたり蹴ったりしてくる
  • 考えられる可能性

  • 2歳頃であれば、年齢相応の反応
  • 2歳は自分の意思がはっきりしてくるものの、その意思を伝えるだけの十分な表現力の獲得には至ってません。そのため、子どもの中に「伝えたいことはあるのに、どう伝えたらいいか分からない」ということから、「思っていることを分かってほしい!」との気持ちで泣いたり暴れたりして表現している可能性があります。

  • 3~4歳頃であれば、感情的になりやすい場面では起こりやすい
  • 3~4歳頃になれば言語発達が進み、表現力が身についてきます。そのため、多くの場面で、2歳頃に見られていた癇癪(パニック)は減ってくることが多いです。しかし、高度な言語表現ができるわけではないため、初めての場面や慣れない場面、より感情的になりやすい場面では、獲得している言語表現では追い付かず、癇癪(パニック)として表現されている可能性があります。

  • 言語発達の遅れ
  • 5歳を過ぎても継続しているような場合には、1つの可能性として、自分の気持ちを言葉にして伝えることの難しさ、言語発達の遅れがある可能性があります。年齢としては、5歳になっていても、言語発達がゆっくりとした発達をしており、実際の年齢まで到達していないかもしれません。

  • 感情コントロールの弱さ
  • 5歳を過ぎても継続しているような場合には、1つの可能性として、感情をコントロールする力の弱さを有している可能性があります。落ち着いている時であれば、しっかりと言葉で伝えることができる程度に言語発達が進んでいたとしても、感情が高ぶった時には頭の中で状況や周囲の人から言葉を整理し、適切な言葉を引き出していくことの難しさを有しているかもしれません。

    ※これらは、『癇癪(パニック)を起こす』という気になるポイントに対して、多くの割合で要因として考えられる可能性として 挙げていますが、必ずしもこれらのどれかに当てはまるとは限りません。 また、場合によっては、1つの要因に絞れず、複数の要因が絡み合っていることもあります。

    対応の具体例

    1. 子どもの気持ちを代弁して、言葉で伝える

    子どもは、自分の中に生じている感情などを表現するための言葉のレパートリーを、まだ持ち合わせていないかもしれません。子どもの様子を見ていると、「こうしたかったんだね」、「こう思ったんだね」などと感じることがあると思います。その事実や気持ちを親が代弁して、言葉で伝えてあげることを繰り返していくことが大切です。

    2. 頻繁に起こりやすい場面では、事前に約束をする

    たとえば、お店のお菓子やオモチャ売り場などで欲しいものがあるときなど、特定の場面で頻繁に癇癪(パニック)が起こりやすいということがあるでしょう。そのような場面では、事前に「今日は買わないよ」、「今日は1個だけ選んでいいよ」などと約束をすることが大切です。なお、毎回「今日は買わないよ」ということでは子どもの欲求が満たされない状態で、適切な感情表現の獲得を制限してしまう可能性があるため、何回かに1回は個数などを決めて買う機会を作ることも必要です。また、約束してそのときは分かっているようでも、実際にその場面になると約束が守れないということも年齢が低い子どもの場合には多くなります。そのようなときには、合わせて③の対応が重要となります。

    3. 穏やかに、毅然とした態度で、一貫性を持って接する

    子どもが感情的になっているときに、親も同じように感情的になってしまうと収拾がつかなくなる場合があります。癇癪(パニック)になっているようなときには、あれこれと話しても、しっかりと理解するために聞ける状態ではなく、たくさん話しかけることにより一度の癇癪(パニック)を長引かせる場合もあります。声掛けは穏やかなトーンで伝えることが大切です。また、最初に伝えたことを、癇癪(パニック)が収まらないことから、他のことに修正して子どもの願いを叶えていることを繰り返していると、「癇癪(パニック)を起こせば、思いを通せる」という学習を子どもにさせてしまう恐れがあります。「今日は買わない」と最初に提示したならば「買わない」を通すように毅然とした態度で、親の感情で日によって言うことが違うというようなことがないように一貫性を持って接することが大切です。

    4. 人目の気にならない場所・安全な場所への移動

    お店など家の外の場合、人の目が気になってどうしても子どもの言うことを優先してしまうこともあるでしょう。毅然とした態度を貫くためには、人目の気にならない場所へ移動することが必要な場合もあるでしょう。また、暴れたり物を投げたりするような場合には、子ども自身・周囲の人にケガがないように、安全を確保することも大切です。

    5. 一度、距離を置き、落ち着いてから話をする

    家の中での癇癪(パニック)の場合、ケガなどをしないような安全性さえ確保できていれば、必ず傍にいなければならないわけではありません。傍にいると、親の感情が揺さぶられ、穏やかさや、毅然とした態度などを保つことが難しいことも多いでしょう。部屋を離れて家事をするなど物理的に距離を置くと、冷静になれる場合があります。ある程度、お話ができる子どもの場合には、癇癪(パニック)が落ち着いてから、「どうしたかったの?」、「そう言ったらよかったのかな?」などと子どもから言葉を引き出すようにして、言葉で伝えることができたらそれを実行してあげるといいでしょう。

    6. 感情の高低の認識を深める

    癇癪(パニック)が起こるときは、イライラなど怒りの感情が高ぶっていることが多くなります。癇癪(パニック)が起きてからの対処だけではなく、癇癪(パニック)まではいかないけどイライラしているなどのときも含めて、子ども自身がどういう感情の段階に今は位置しているのかを視覚的に確認しながら、感情の高低の認識を深めていけるといいでしょう。ただし、早くて概ね5~6歳頃からしっかりと感情認識ができ始めるため、それ以前の子どもの場合には①~⑤の対応を行い、継続していくようなときに少しずつ導入していけるとよいでしょう。 癇癪

    7. クールダウンの方法を身につける。

    小学生になっても癇癪(パニック)が継続しているような場合には、感情が高ぶったときに落ち着けるための方法を身につけていくことが必要です。たとえば、水を飲む、深呼吸をする、誰もいない部屋で一人で過ごすなどいくつかの選択肢持てるように促していけるといいでしょう。最初は、大人からの提案で「○○の部屋に行こうか」、「水を飲んでみようか」などと伝えて行動を促すことから始め、その行動をすることによってイライラするなどの感情の高ぶりが落ち着いてくるという経験を重ねていくことが必要です。その経験が重ねる中で、少しずつ自分で感情が高ぶってきたことを感じ、「○○してきます」と自分で周囲にいる大人に伝えてから、落ち着かせるための行動ができるように促していけるとよいでしょう。

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