check(1)友達にすぐ手が出てしまう

1歳6か月~2歳頃では、友達よりもオモチャへの関心が強い時期です。そのため、何も言わずに急に友達が使っているオモチャを取ったり、近づいてきた友達を押し倒したり噛みついたりして、友達の間でトラブルになるような行動が見られる場合があります。言葉の理解や自分と他者との理解など成長に伴い、トラブルとなるような行動は減ってきます。

しかし、様々な要因から5~6歳頃まで、あるいは小学校入学後も持続する場合もあります。なかなか改善が見られないような場合には、一人で悩まず、お近くの相談機関または当カウンセリングでお気軽にご相談ください。

よく見られる行動

  • 友達を叩く、噛みつく、引っ掻く、つねる、押し倒すなどの行動が見られる。
  • 友達が使っているオモチャを奪い取る。
  • 使いたいオモチャを友達に「貸して」など言ったのに、断られると手や足が出る。

考えられる可能性

1. 言語発達が遅れている

言葉を理解したり表出したりする力が未熟で、言語発達が遅れている可能性があります。

友達が使っているオモチャで遊びたい時にどう話しかけたらいいか分からなかったり、「貸して」ということはでき、すぐに貸してもらえた場合はスムーズにやり取りが進むものの、「あとで」や「ヤダ」などとすぐに貸してもらえない場合にどう言ったらいいかが分からなかったりしているかもしれません。年齢があがると、コミュニケーションの幅が広がるため、その幅の広がりに対して応用していくことが難しくなってきているかもしれません。

2. 感情をコントロールする力が弱い

状況に応じて、自分の感情をそのまま出してもよいのか、抑制した方がよいのかなど感情をコントロールする力の弱さがを有している可能性があります。また、状況や感情に応じた、より適切な行動や対応方法の獲得に至っていない可能性もあります。

「欲しい!」、「やりたい!」など思うと、「友達が使っている(やっている)から」という状況は分かっていても、感情が全面に出てしまっているかもしれません。

3. 部分的認識となり、全体から状況を把握する力が弱い

“気になったもの”という部分的にしか認識ができておらず、状況全体を把握する力が弱い可能性があります。

「友達がオモチャを使っている」という状況に対して、オモチャが目に入って「使いたい」と思うと、「友達が使っている」という状況は見えていない(認識できていない)かもしれません。

4. 親のすることのマネをしている

子どもは、大人のしていることをとてもよく見ています。

中には、子どもがいけないことをした時など注意や躾として手をあげている場合に、子どもは「お母さん・お父さんがしているから、してもいいこと」と認識して、大人がしている行動と同じように行動して、友達とのトラブルの原因となっていることがあります。

※これらは、『友達にすぐ手が出てしまう』という気になるポイントに対して、多くの割合で要因として考えられる可能性として挙げていますが、必ずしもこれらのどれかに当てはまるとは限りません。

また、場合によっては、1つの要因に絞れず、複数の要因が絡み合っていることもあります。

対応の具体例

1. 言語発達が遅れている

「この時にはこう言う」という具体的な伝え方を、その都度、伝えることを繰り返していくことが大切です。大人からすると「昨日の状況と今日の状況は同じ」であっても、子どもは別々のフォルダに入れてしまい関連付けられていない場合があります。そのため、“その都度”と“繰り返し”ということが必要となるのです。その際、伝えるフレーズのパターンを決めて、同じパターンで伝えることが大切です。

2. 感情をコントロールする力が弱い

年齢が低いうちは、まず「何回(あるいは何秒)したら交代」など、回数や秒数が終了したら自分の順番が来るということへの理解を深め、我慢する力を高めていくことが大切です。我慢の時間に関しては、3~5回や5秒など短いところから、具体的な表現で決めることが大切です。

年齢があがってきたら、怒りなどの「自分の感情が今、どの水準に位置しているのか」を感情エレベーターを使って確認したり、「その場から離れる」、「深呼吸をする」、「水を飲む」など落ち着くための方法の獲得を促していくことが必要な場合もあります。

3. 部分的認識となり、全体から状況を把握する力が弱い

幼稚園や保育園くらいの年齢までは子ども同士で遊んでいる様子を親が見れる場面も多いと思います。気になる行動が出そうな場面では、子どもの様子を注意深く観察し、何に注意が向いているのかを確認しましょう。

そして、手が出てしまった場合には、子どもとともに一歩下がって、「今、お友達は何してる?(子どもからの返答を待つ。)お友達がこのオモチャで遊んでるよね?欲しいときにはどう言ったらいいんだっけ?」などと全体の状況を把握させてから実際の行動まで確認できるように問いかけることが大切です。

年齢があがると、実際に子ども同士が遊んでいる場面を親が見れる機会が減ってきます。反面、言葉でのやりとりが成立するようになるため、実際の場面でなくても、絵や写真(あるいは人形など)を使って状況を再現しながら、上記のような全体の状況の把握から実際の行動までの確認をする問いかけを行っていけるとよいと考えられます。

4. 親のすることのマネをしている

ご自身に心あたりがある場合、どんな時に子どもに手をあげることが多いか、他に伝え方はなかったかなど、ご自身の気持ちが落ち着いている時に振り返ってみましょう。子どもを育てていく中で、親自身の感情のコントロールが必要となる場面はとても多いです。子どもの年齢があがればあがるほど、親の感情で子どもの行動をコントロールすることは難しくなります。

ご自身が「感情のコントロールが苦手かも…」、「感情に任せない、もっとよい関わり方を知って、親子関係を良くしたい!」など感じられる場合には、ぜひ相談してください。子どもと一緒に笑って過ごせる時間が増えるように、より良い関わり方を一緒に考えていきましょう!

※上記の対応の中には、かなりのエネルギーの消費や親御様自身の感情コントロールが求められ、ご家庭だけで担うことに困難が生じやすい場合もあります。各地域に児童発達支援事業や放課後等デイサービス、あるいは民間でソーシャルトレーニングなどを行っている機関がありますので、それらを活用して子どものスキル獲得に向けた練習を行っていくことも方法です。

選べるふたつのオンラインカウンセリング

①パートナー・プログラム

人と話すのが億劫な方、自分のペースで気軽にスマホから相談したい方におすすめです。期間内は無制限でカウンセラー・コーチとのメッセージのやりとりができるプログラムです。
パートナー・プログラムについて詳しく見る>>

パートナープログラム パートナープログラムについて詳しく知りたい方はこちら

②Skypeカウンセリング

じっくり自分と向き合いたい方や、カウンセリングを受けたいけれど身近にカウンセリングルームがない方におすすめです。相談内容や時間帯からカウンセラーを選び、予約します。
Skypeカウンセリングについて詳しく見る>>

skypeカウンセリング skypeカウンセリングについて詳しく知りたい方はこちら

相談したい内容から選ぶ

こんな困りごとをカウンセラーがサポートします