check(1)どこまでが個性?~発達障害の診断は必要か

落ち着きがない、空気が読めない…などの行動として、「こんな子、昔からいたよね?」と思われる場合もあるでしょう。数十年昔であれば、特に障害など言われなかったことでも、障害と言われたりすることがあります。障害の診断基準が明確になってきたこと、障害面の認知度があがったことにより、診断される数が増えているということはあると思われます。
だからと言って、「昔からいたようなタイプだから、診断を受ける必要はない(放っといてもよい)」というわけではありません。「日常生活の中で、本人がどの程度、困っているかどうか?」、「周囲が本人への対応にどの程度、困っているかどうか?」などをベースに“状態像”をしっかりと考えていくことが大切となります。

スペクトラム(連続体)という概念に基づく考え方

『自閉症スペクトラム障害』という障害名がありますが、自閉症や知的障害の症状の程度によって明確な区切りをつけることが難しいことから、『自閉性障害』や『アスペルガー障害』が一つにまとまり、『自閉症スペクトラム障害』と変更となったという経緯があります。(詳細は、自閉症スペクトラム障害を参照ください。)
この『自閉症スペクトラム障害』の考え方の土台となる「スペクトラム(=連続体)」という概念は、自閉症や知的障害の程度に関してだけではなく、“人”そのものにあてはめて考えることができ、個性なのか障害なのかということを考えることができます。
視力を例にして考えてみましょう。視力は、「視力」と「度数」という数値化がされ、その数値によって、眼鏡やコンタクトの購入の1つの目安となっています。しかし、同じ視力であっても、学生のように黒板を読み書きする場合・パソコンなどで小さな文字を読むことが多い仕事に就いている場合などと、接客業や工場などで小さなものを見る機会が少ない仕事に就いている場合などでは、日常生活の中で「常に眼鏡(またはコンタクト)を使用しよう」と思う場合と「普段は使わずに、必要な時だけ使用しよう」という場合があると思います。このように、たとえ同じ数値で区切られていたとしても、日常生活の中でどういう環境に身を置いているかによって、裸眼視力での支障の程度は変わってきます(図Ⅰ参照)。 つまり、“人”の状態像は、「全く問題なし」という状態から「様々な支障あり」という状態までがグラデーションのような直線のスペクトラム(連続体)であり、明確な境界をつけていくことはできないと考えることができます(図Ⅱ参照)。


diagnosis1
diagnosis2

また、以下の点を総合的に考え「個(その個人の有する特徴)× 環境」によって判断が分かれてきます。


  • "障害”という枠組みに入るのか
  • “個性”と言える範疇なのか
  • 日常生活にどの程度の支障が出ているか?
  • 本人がどの程度、困っているか?
  • 周囲(親・園や学校の先生など)がどの程度、困っているか?

  • 「障害かどうか」ということに焦点をあてすぎず、「どうすれば(あるいは、何があれば)、生活しやすいか」に 焦点をあてて、本人のスキルアップに向けたトレーニングと周囲の理解による対応・手立ての工夫を並行していくこと が大切です。
    なお、幼稚園・保育園などの年齢が低い子どもほど、成長の可能性の幅が広いため、「生活で本人が困ることを 減らすために、何を優先的にスキルアップする必要があるか」、「周囲がどんな関わりをすると、このスキルを より伸ばすことにつながるか」ということを考えていくことが大切です。

    発達障害の診断は必要?

    診断とは、「医師が診察して病状などを判断すること」を指します。つまり、その人が「発達障害の中の○○である」と言うことができるのは、医師だけです。しかし、その他の職種の人から発達障害の名前を聞くこともあるでしょう。それは、発達障害の可能性があるという、医師からの診断を受けるかどうかの検討材料の1つとしていくとよいでしょう。 時々、「発達障害かどうかの診断を受けた方がいいですか?」との相談を受けることがあります。それは、その人や周囲の人たちが日常生活の中での困っている程度によって変わってきます。
    診断名は、自己理解の1つのツールであったり、周りの人に説明するための1つのきっかけであったりと、最初の導入には活用できます。
    しかし、同じ診断名であっても、その人の状態像や困っていることは変わってきます。 場合によっては診断名が必要な場合もありますが、診断名に焦点をあてすぎず、状態像や困っていること・できていることに焦点をあてて考えていくことが大切です。

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