check(1)言葉の発達が遅い・指示が通りにくい

1歳前後から少しずつ言葉が出始め、2歳頃になると2語文が出始めます。2歳頃までは日々、目に見える成長を遂げていくため、他の子どもを見る機会がある場合や育児書を読んだ場合などに、数ヶ月の違いで出来ないことが気になることがあるでしょう。3~4歳頃になると、集団生活の場が出てきて、先生による一斉指示に理解、周囲の子どもたちと行動のテンポの違いなどが気になることがあるかもしれません。
一人で悩まず、まずはお近くの相談機関または当カウンセリングでお気軽にご相談ください。

よく見られる状態

  • 言葉の数がなかなか増えない。
  • 指示の理解はしているようだが、子どもの言うことは伝わりにくい。
  • 同年代の子どもに「何を言っているか、分からない」と言われることがある。
  • 家の中などで個別の指示では困ることがないが、先生が前で話すような一斉指示になると行動のテンポが遅れる。
  • 考えられる可能性

  • 聴覚の弱さ

  • 耳が聞こえに何らかの問題がある場合、言葉(語彙)の吸収ができないため、話すことの難しさが生じてくる可能性があります。

  • 語彙の吸収力の弱さ
  • もともとの持つ力として、言葉(語彙)を吸収していく力が弱く、蓄積されるペースが同年齢の子どもに比べるとゆっくりとしたペースでの獲得となっている可能性があります。

  • 蓄積されているところからの語彙の検索力の弱さ
  • 言葉を話すためには、子どもの中にある引き出しの中に言葉が蓄積されていること、その引き出しの中から適切な言葉を引き出すことが必要となります。中には、言葉は蓄積されているものの、周囲の人からの話など状況に応じた言葉(語彙)を引き出してくるという、検索力の弱さを有している可能性があります。

  • 文章構成力の弱さ
  • 伝えたいことを文章にまとめるということは、引き出してきた複数の言葉を保持しながら、助詞をあてはめたり時系列・優先順などを考えたりと、頭の中で複数のことを同時に処理することが必要となります。そのようなことの苦手さがあり、瞬時に文章を構成する力の弱さを有している可能性があります。

  • 抽象的表現の理解力の弱さ
  • 食卓を家族で囲んでいる時に「お醤油取って」と言うなどの具体的な表現であれば理解できていても、同様の場面で「それ取って」と指して言ったり「ちゃんとしなさい!」と言ったりするような抽象的な表現になると、場面に即して柔軟に意味を理解していく力の弱さを有している可能性があります。

  • 注意の切り替えの問題
  • 言っていることの理解はできるものの、大勢の人の中や何かに夢中になっているときに指示をした際に聞けていないような場合があります。そのような場合には、言語理解の程度には問題はないものの、必要な情報・不要な情報と多くの情報が耳に入ってくる中で、状況ごとに適切な情報へと注意向けるという、注意の切り替えを行う力の弱さを有している可能性があります。

    ※これらは、『言葉の発達が遅い・指示が通りにくい』という気になるポイントに対して、多くの割合で要因として考えられる可能性として 挙げていますが、必ずしもこれらのどれかに当てはまるとは限りません。また、場合によっては、1つの要因に絞れず、複数の要因が絡み合っていることもあります。

    対応の具体例

  • 聴覚の検査を受け、問題がないか確認

  • 生まれた直後に聴覚の検査は行っているため、先天性の難聴などの場合は早期に発見できる場合が多くなります。しかし、中には、1~2歳頃に中耳炎になっていて、自覚症状を訴えないために気が付かずに言葉の遅れが気になって相談したら、中耳炎になっていたことが分かったというケースもあります。聴覚は言葉を吸収していく中で重要なものになるため、まずは問題がないことを除外することが必要となります。聴覚に問題が見つかった場合には、聴覚の状態に合わせて、医師と相談しながら対応を考えていくことが必要です。

  • 本の読み聞かせを通しての対話の習慣化
  • たくさんの言葉を語りかけることで、言葉の吸収につながっていきます。ただ、語りかけるだけでなく、対話へとつなげていくことも大切です。本の読み聞かせをしながらも、ただ読み聞かせるだけではなく、絵や内容を通してストーリーと関係のないことであっても質問するなどして対話をすることを習慣化していけるとよいでしょう。しかし、読み聞かせをやろうとしても子どもが嫌がるという場合も中にはあります。そのような場合は、一般的に読み聞かせの本とされている童話などである必要はないので、戦隊ものの本や図鑑などで対話をし、まずはそのジャンルでの言葉を増やしていけるとよいでしょう。

  • 具体的な表現で、短く伝える
  • 言葉の理解がゆっくりな場合に難しい言葉ばかりを言われてしまうと、聞くこと自体が嫌になってしまったり、子どもからすると指示が分からないのに怒られてばっかりいたりということになってしまいます。そのため、子どもに分かる表現へと変えて、しっかりと話を聞くことでやることが分かるという経験を重ねることも大切です。言葉の理解がゆっくりな子どもの多くは、抽象的な表現や長くて複数の指示を同時に伝えられることに苦手さがあるので、具体的な表現を心がけながら、一度に伝える指示を短くすることが大切です。

  • 具体的な問いかけをして、子どもからの言葉を引き出す
  • 子どもからしっかりと言葉を引き出すことによって、子どもの言葉の表現力を高めることにつながります。いつも身近にいる親なら子どもの行動や前後の流れから子どもの言いたいことが推測できる場合もあるでしょう。しかし、その推測で行動すると、子どもの言葉を発する機会を減らしてしまいます。たとえ推測できる内容であっても、推測した内容が答えとなる、「いつ」、「どこ」、「誰」などの具体的な質問をしながら子どもから言葉を引き出すことが大切です。

  • 子どもから出てきた言葉を文章化して伝え返す
  • 言葉は出てくるけど、単語で答えているなど適切な文章にならないという場合があると思います。子どもから出ている言葉を用いながら、「~なんだね」と必要な補足を行って文章化して伝えてあげることを繰り返し続けていくとよいでしょう。

  • 注目を引きつけてから、指示を伝える
  • 指示の理解ができていないわけではなく、大勢の人の中や何かに夢中になっている時などの指示での聞き逃しが多い場合があります。そのような時には、名前を呼んだり軽く肩を叩いたりして指示を伝える前に注目を引きつけてから、指示を伝えるとしっかりと指示が伝わりやすくなります。

  • 不要な情報の入力を減らすような環境設定を行う
  • 指示の理解ができていないわけではなく注意のコントロールをすることが苦手な場合、大勢の人の中で不要な情報をカットして必要な情報のみを取り入れることに、人の何倍もエネルギーを要します。たとえば、学校の授業中の場合、先生の話が必要な情報となるわけですが、クラスの周りの人の動き、少しのザワザワした音、窓の外の様子、中には隣のクラスの声などの不要な情報にも気を取られてしまい、先生の話のみに集中することの難しさが生じることがあります。そのような場合、席の位置を前の方にするなどすると、視界に入る情報の量を減らすことができ、一番後ろの席よりも先生の話を聞きやすくなります。

    選べるふたつのオンラインカウンセリング

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