栄養療法と対話で、子どもと家族の明るく穏やかな未来を支えていきたい【アイデスクリニック 池田勝紀先生】

更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: 専門家インタビュー

発達障害の子育てに悩む方々の力になりたい


――池田先生のご経歴を教えてください。


私は1999年に聖マリアンナ医科大学を卒業し、救急救命医としてキャリアをスタートしています。救急救命医として働きながら、学生時代から興味を持っていた総合医療やアンチエイジング抗加齢医学などの統合医療を勉強していました。

――アイデス・クリニックを開業されたきっかけを教えていただけますでしょうか。


2010年に生まれた長男が発達障害を持っていたため、治療のヒントを得ようとアメリカの先端医療学会に学びにいきます。
そこで栄養療法に出会い、長男の治療に活かしたところ症状が良くなったため、同じく発達障害のお子さんの治療に悩みを持つ保護者の方々の力になりたいと考え始めます。

その後、ご縁があった恵比寿の満尾クリニックにて発達障害のお子さん向けの外来をオープンしました。
さらに2018年には、支援の質の向上と幅を広げるために、「アイデス・クリニック」の開業と発達障害のお子さんを支援するための放課後児童発達支援と放課後等デイサービス「キッズプレイスたかなわだい」の運営を開始しました。


お子さんと家族との対話し、治療のゴールを設定する


――クリニックの立地へのこだわりを教えてください。


私たちが行っている栄養療法は、様々な地域から患者さんがいらっしゃるので、電車などで通っていただきやすい利便性の高い場所が良いと思い、都心の高輪台に決めました。
近隣からいらっしゃる患者様も多いですが、東京全域、他県からもいらっしゃいます。コロナ禍以降は遠隔診療にも対応しているので、現在は全国から相談や問い合わせをいただいています。

――どのような悩みを抱える患者様が多いのでしょうか。


不登校、衝動性が強い、勉強が苦手、集中力がない、こだわりが強い…などのお子さんの様子に対する保護者の方からの相談が多いです。最近は受験をきっかけにした学習の相談も増えています。

――診療で大切にしていることを教えてください。


お子さんが自立できる力を育てることが治療のゴールだと考えています。
全てお子さん一人でできなくても、周囲の手助けを得ながら本人が自立できれば良いと思います。お子さんとご家族の明るく穏やかな未来を作る手助けをしていきたいですね。


――印象に残っている患者様のエピソードがあれば教えてください。


不登校だったお子さんが治療を経て学校に行けるようになり、志望校に合格して楽しく学生生活を送っているというお話を聞くと非常に嬉しいですね。

私は受験が成功するためには、3つの力が必要だと考えます。
1つは計算や記憶など、学校のテストの点数に表れるような認知能力。そして2つ目に物事を達成するために自分の気持ちを抑制したり、他人に協力を求めるなどの非認知能力。そして3つ目が免疫力です。風邪をひかないだけでなくストレスに耐える力を含めた免疫力が必要だと考えます。

それらの力を伸ばすためには、お子さんなりに「自分が何をやりたいのか」のゴール設定をする必要があります。そして本人とご家族が望むゴールを合致させることで、目標を達成しやすくなるのではないでしょうか。
そこで私たちは、診療を通じて不足している栄養素を見つけて補給しつつ、対話を通じてゴール設定のすり合わせをして行動の改善をする手助けをします。
問題の原因を見つけて治療をしつつ、リハビリをしながら日常に戻していくというやり方は、私がキャリアをスタートさせた救急の集中医療と同じ考え方だと思います。


子どもの発達にモヤモヤしたら、ぜひ早めに相談を

アイデスクリニック
併設する「キッズプレイスたかなわだい」でのイベントの様子

――子どもの発達障害について受診の目安を教えてください。どのような状態であれば、受診した方が良いでしょうか。


小児期であれば、「ESSENCE」に関するチェックリスト に沿って確認し、症状が当てはまって2〜3ヶ月改善が見られなければ受診してください。
小学生・中学生の場合は、不登校になったり元気がないように見えたり、保護者の方が育てにくいと感じたら相談してみてください。 また受診だけではなく、地域の発達支援センターに相談してみるのもおすすめです。

――お子さんの不登校を予防することはできるのでしょうか。


完全な予防は無理だと思いますが、お子さんのダメージを減らすためにできることはあります。
適切に栄養素を摂ることによって必ず心身の発達やバランスの調和を促すことと対話でしょうか。
親子の問題だけでなく、保護者の方々の夫婦問題がお子さんにストレスを与えていることもあるので、まず夫婦関係の改善が必要な場面があります。 家族の対話を改めて見直すことは、不登校などのダメージを改善する糸口になり得ると思います。

――発達障害を持つお子さんの保護者の方に向けて、アドバイスをいただけますでしょうか。


気になることがあれば気軽に相談してみてください。子どもの場合はまずかかりつけの小児科に相談してみるのも良いでしょう。
なるべく早く相談した方が対処方法の選択肢が広がるかもしれません。「発達障害は治らないものだ」と悲観的に捉えてしまう家庭が多いですが、対処方法はたくさんあります。


――最後に、読者へのメッセージをお願いします。


悩みを解決するには、診療やカウンセリングを通じた対話が大事だと思います。
お子さんや保護者の方が孤独になってしまわないように、悩みがあればクリニックに行ってみたり、カウンセリングを活用して対話できる場所を探してみてください。

私は、栄養療法やその他様々な療法を使い、心と体を包括的に育てていくことを目的にし、クリニックや療育施設を運営しています。これからも、お子さんと家族の明るく穏やかな未来を支えていきたいと考えています。

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