更新日 2025年03月13日 | カテゴリ: 自分を変えたい
人間関係でうまくいかないことが重なる人は共依存かもしれません。
今回は、共依存とはなにか?共依存に陥りやすい人の特徴や原因、その抜け出し方を徹底解説します。
この記事のまとめ
→共依存で悩んでいる人は、オンラインカウンセリングでの相談もおすすめ
共依存とは、恋愛や夫婦・親子関係において相手にハマってしまうことで、自分自身がわからなくなる心理状態のことです。
依存症はアルコール、タバコ、薬物やギャンブルなどが有名ですが、共依存は「関係性の依存」です。
共依存は見えないものであることから、本人が自覚するまでに時間がかかり、気がつかない場合もあります。
共依存になる原因の多くは、幼少期の家庭環境であることも考えられますが、「アダルトチルドレン」との関連も深いと言われています。
この項目では、共依存が起きる原因をわかりやすく解説します。
幼少期の家庭環境
機能不全家族、アダルトチルドレン(AC)、毒親という言葉を聞いたことはありますか?
共依存になった人の多くは、「機能不全家族」という家庭環境で育ったと言われています。
機能不全家族とは、家族が本来の在り方ではないことを言います。例えば、兄弟差別や虐待、無関心、褒めてくれないなどがあげられます。これらは愛着障害やうつ病、人格障害などに発展することもあるのです。
アダルトチルドレンとは、このような機能不全家族で育ち、家庭内での心的外傷によって傷ついた経験があり、トラウマを持ったまま大人になった人たちのこと。アダルトチルドレンが、他者との関係でうまくいかなくなることや家族以外との人間関係にも影響が出た場合に「共依存」の状態であると言われています。
しかし、機能不全家族だからといって、その家庭で育った子ども全員が共依存になることはありません。同じ兄弟でも性格や感受性、気質、ストレス耐性が違うからです。
機能不全家族で育ったアダルトチルドレンだからといって、今の苦しさからは抜け出せないことはないのです。
幼少期の家庭環境に限らず、学校でのいじめなど思春期の経験から自己肯定感が育たないこともあります。
そして、そのまま大人へ成長した場合も共依存になることがあると言われています。
また、機能不全家族ではなくても、容姿にコンプレックスを抱えている場合や受験、恋愛などで挫折を経験し、自己肯定感が低くなってしまう場合も原因として考えられます。
恋人や夫婦における共依存では、常に相手を最優先にし、自分の時間や他の人間関係を犠牲にしてでも一緒にいようとする傾向があります。
また、自信の欠如から相手の承認を求め続け、「捨てられるかもしれない」という不安に常に苛まれています。
相手のために自分を犠牲にすることは、一見すると強い愛情表現や深い絆に見えるかもしれませんが、実際には両者の自立を阻害し、健全な関係性の構築を妨げています。
お互いの感情に振り回され、自己を見失いやすく、長期的には精神的な疲弊を招くかもしれません。
親子での共依存では、親が子どもに対して過剰に介入し、自立を妨げる行動が見られます。例えば、子どもの進路や交友関係に極端に干渉したり、親が自らの感情の安定を子どもに頼ることがあります。反対に、子どもは親の期待に応えようとして自己犠牲を続け、自分の意思や感情を抑えがちになります。
結果として、子どもが罪悪感や責任感から親の機嫌を取ろうとする関係が続きやすく、自立や健全な人間関係の形成が困難になることがあります。
また、親子の共依存は、アダルトチルドレンの形成要因の一つとなり、自立の難しさや生きづらさの根本原因につながることがあります。
共依存になりやすい人とはどのような人でしょうか?様々な特徴があると言われていますが、特に「世話好き」「自己評価が低い」という特徴があるようです。
世話好きや自己評価が低い人の中でも、これから紹介する特徴に当てはまる方は、共依存に陥っているかもしれません。ぜひチェックしてみてください。
世話好きは度が過ぎると、相手側が「従わなくてはいけない」と無意識に考えるようになります。誰かを世話することで自分の存在価値を見出そうとする行為は、支配欲にも繋がり、共依存に陥ることも。
また、支配欲だけではなく、愛情表現の歪みとして世話をすることもあります。本当に相手が求めていることなのか、アドバイスやサポートの目的をもう一度考えてみましょう。
自分の存在価値が見出せず、すぐにネガティブに考える、自信のない人は共依存に陥りやすいと言われています。自己評価が低いと、相手が要求していないことでも、嫌われないようにと空回りした行動を取りやすいと言われています。
DVや浮気を繰り返された時に「この人を支えなくちゃ」と考える傾向も自己評価の低い人に見られる特徴です。
ここまで共依存に陥りやすい人の特徴や原因をお話してきました。共依存は自覚しにくく、目に見えないものです。今の自分を少しでも楽にしてあげるために共依存度をチェックしてみましょう。
自分の共依存度をチェックしてみましょう!
褒められても素直に受け入れられない
断ることができない
自分で決断することが苦手
人間関係で巻き込まれやすい
相手が一人でできることでも手伝ってしまう
「こうあるべきだ」と思いやすい
なんでも自分のせいだと思う
周囲の環境次第で浮き沈みが激しくなる
尽くしても、報われない
一人でやっていく自信がない
人間関係でつらいと感じやすい
「本当の自分」を出せない
同じことの繰り返しをしてしまう
つい周りにあわせてしまう
時々、恐怖や切迫した感覚がある
自分のことより人のこと
5項目以上に当てはまる人や、「そうそう!」と思う人は共依存傾向があるかもしれません。
参考文献: Spann and Fischer(1991) , 西尾 (1997)
「できない!」と今思った人は既に共依存かもしれません。
恋愛共依存も相手との距離感が非常に大切です。なぜなら恋人と離れることに恐怖を感じていると、相手の行動を束縛したくなることがあるからです。別れたくないのならなおさら、距離を置いて冷静になることが大切です。もし今の恋人でなくても、ただ誰かが傍にいてほしい...というのであれば、今の恋人とは別れてみるのも、環境を変えるためにはおすすめです。
対象の人と距離を置くことが、恋愛における共依存をやめる方法です。
パートナーと距離を取ったうえで、自分を大切にすることが必要です。共依存傾向のある人は自分を受け入れられない、つまり自分を否定している方が多いと言われています。自分の趣味や楽しい時間をつくるなど恋愛以外で夢中になれることを見つけて、自分を大切にしましょう。
親子共依存から抜け出すためには、少しずつ物理的な距離を取り始めることが大切です。いきなり関係を断ってしまうと、相手も自分も不安定になる可能性があるため、「少しずつ」ということがポイントです。
まずは、連絡の頻度や帰省回数を減らすなど、接触の機会を減らしていきましょう。お互いに自分の時間を増やし、相手の存在がなくても過ごせるようにしていくことは依存関係から抜け出す一歩です。
子ども時代の記憶が鮮明ではないとしても、その記憶(潜在意識)がもととなり気持ちにブレーキがかかることがあります。もしかすると子どもの頃に「ダメ」と反対された経験があるのかもしれません。こうした過去の経験により行動や気持ちにブレーキがかかりやすくなっていることも考えられます。
自分の人生を楽しむためにも「過去」と「今」の違いを認識し、前向きかつ具体的に考えてみるのもおすすめです。
共依存から抜け出すために大切なことは「自分で行動する」「自分を信じる」ことです。本記事が、少しでも共依存に悩む人の手助けになれば幸いです。
共依存に必要なのは、相手との関係に対する客観的な視点です。
カウンセラー(公認心理師、臨床心理士など)はあなたを客観的に見て、適切な距離をつくる見本となります。
必要に応じて助言もしてくれますが、決して従わせようとはしませんので、怖がらずに相談してみてくださいね。
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