更新日 2025年02月21日 | カテゴリ: 専門家インタビュー
働き続けるのがよしとされる社会で、「今のままでいいのだろうか。」「ちょっと立ち止まりたいけれど不安。」…と、ふとよぎる思いと向き合うのはとても勇気のいることです。
「しんどい」、「つらい」、「でも私だけではない、みんな頑張っているから自分だけ甘えられない。」「無職になるのは不安」…様々な思いが浮かんできても気付かない振りをしてしまう、そんなこともまた耳にします。
社会の動きはとても早く、ついていかなくてはと必死で、今の働く環境を継続しつつ自分と向き合う時間を取ることはなかなか難しいのかもしれません。
私たちは、人生に一時的なブレイクを取り入れる「キャリアブレイク」という考え方を日本の文化にすることを目指し、活動をしています。
「キャリアブレイク」とはキャリアの一時的な中断を肯定的に捉える考え方で、離職、休職、休学など、キャリアの中にあるブレイク期間のことを指します。これらの選択をした際に、焦ることなく自分にとって必要な時間を豊かな気持ちで過ごしたり、これからに向けた準備をしたりすることをいいます。
一時的に離れる目的は様々で、転機は自分が意図して起こす場合もあれば、自らの意思に反して離職を選択せざるを得ない場合もあります。
私たちは「キャリアブレイク」を社会問題として捉えるというよりは、感性を取り戻し人生を立て直すよい転機にする文化だと考えています。
30代前半、勤務歴8年。
忙しい業務に追われ平日は家に着いたら倒れるように眠る。休日も仕事のことが頭から抜けず休んだ気がしなかった。何かをしていても心から楽しめず、日に日に自分が自分でなくなるような、感情が失われていくような感覚だった。まわりは結婚や出産でプライベートも充実しているように見える。
仕事が忙しいのは自分だけではなかったから誰にも弱音は言えなかった。辞めたい、ここから離れたい、そう思う反面、辞めてどうするのか、自分には何もなくなってしまう、怖くて不安、日々葛藤が続き、最終的に心身の体調を崩すことで退職することになった。結果的に場から離れることはできたがしばらくは心身回復に時間を費やすことになり、もっと早く決断できていたら違っていたのではと振り返っている。
今は回復し、離れることでつながった新しい人間関係に身を置き、自分の感性を取り戻す時間を持つことができている。
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この方が「キャリアブレイク」という言葉を知ったのは退職後しばらく経ってからで、「名前は知らなかったけれど、言われてみれば自分は『キャリアブレイク』でした。」と話し、今は自分のペースで新たなはたらき方をスタートしています。
初めは後ろ向きな離職だったかもしれません。それでも何かをきっかけにして「この期間を人生の転機にしよう」と思ったら、それは「キャリアブレイク」ではないでしょうか。
20代後半、勤務歴5年。
好きな業界に就職でき、毎日仕事に没頭。平日は残業も多く、家に帰っても次の日の仕事の準備に追われてあっという間に時間が過ぎる。
上司が自分を信頼し仕事を任せてくれていて、その期待に答えたいから頑張ることは苦ではない。ただ自分に自信がなく、なんとか期待に答えたいと休みの日は勉強に費やす。
人間関係も悪くはなく、教えてほしい、手伝ってほしいと声を掛けたらできたかもしれないが、忙しそうな様子を見ていると自分で何とかしようと踏ん張っていた。プライベートの時間は持てなかったが仕方がない、今は頑張る時だと日々を過ごしていた。
仕事に追われる中、自分が今どんな気持ちなのかとか、自分は今どうしたいかを考える余裕もない中、ふと頭をよぎった。
「”今”はがんばる時の”今”っていつまでだろう。」
決して辞めたいわけではない、働き方を見直したい、もっと貢献できる働き方をしたい。今の働き方ではできる気がしなかった。ただ大きくない企業でこんなわがままは通らないだろう。
思い切って上司に相談すると退職ではなく、休職の提案をされた。そんな制度があるなんて想像もしておらず、一気に力が抜けた。
2か月の休職で見えたことがある。どれだけ自分が自分を追い詰めていたか、自分がどうしたいかを考えることができたのは、休職という期間をもらえたからこその気づきだった。場から離れたことで見えたことだった。
…
この方は現在復職し、「またアクセルを踏み込み過ぎそうになると休職期間で考えたことを思い出し、力を抜くようにしています。」と話します。
休職期間が「キャリアブレイク」として人生を立て直す時間になり、いい転機になったようです。
人生、少し立ち止まることで見えてくる景色もあります。「人生に小休止を入れること」で自分の人生のハンドルを自分で握りなおす、そんな感覚かもしれません。
「キャリアブレイク」をそんな人生の転機における選択肢のひとつとして、自分の人生をおもしろがるお守りのように頭の片隅に置いておいてもらえるとなによりです。
「キャリアブレイク」について興味を持っていただいた方はぜひ「キャリアブレイク研究所」のサイトを覗いてみてください。
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