「言うことを聞いてくれない…」子供を注意する時に知っておきたい心理ポイント3つ

更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

「何度注意しても同じ失敗をする」「『やらないで』と言ってもきかない」…等など、子供を叱っても効果があらわれずに困っている親御さんも多いのではないでしょうか。

「優しく言ってもダメ、声を荒らげてもダメで…」と、「どんな態度を取るのか」に四苦八苦しているケースも少なくないようです。

こんな時には、子供を注意するときの「言葉の選び方」や「行動」に配慮をしてみましょう。
子供の行動は、大人も持っている人間の心理を非常にまっすぐに反映しているものです。

その心理を捉えたポイントを3つ紹介していきます。

1.「ダメ!」と言うほど注目を引いてしまう

「けっして一人では見ないでください」…こんなホラー映画の広告、よく見かけませんか?
また「絶対に覗かないでくださいね」と言われたのに妻の様子を覗いてしまった「鶴の恩返し」なんて有名な昔話もありますよね。
このように人間には「見るな」「やるな」と言われると余計に見たくなるという不思議な心理が働いています。

実際の心理学の研究においても「この本には絶対に触らないでください」と言われたチームと言われなかったチームでは、「ダメだ」と言われたチームほど本に向かって注目し、何も言われなかったチームはそもそもその本に無関心だった…という結果が出ているのです。

この「禁止されるほど、やりたくなる」という心の動きを、心理学では「カリギュラ効果」と呼んでいます。
大人ですら、カリギュラ効果に抗うことは難しいもの。
自制心の少ない子供となったら、「これはダメ」と言われたものほど強い興味を引いてしまうのです。

絶対に触れてほしくないものなどは、まず「物理的に目につかない場所」に隠し、目の前に出さないことが大切。
また万一視界に入ってしまった場合、子供が触った場合などには、さりげなく別のものに誘導するなど、その対象物から興味を反らす方向性を意識しましょう。

「これはダメ」ではなく「こちらを使おう」など、代替物を提示するのも有効です。

2.「DON'T」は深層心理に刻まれない

人間は誰しもが、自分を認めて欲しいという心理を抱えています。
そのため否定的な表現、禁止的な表現を嫌うのは大人も子供も同じです。

まずは以下の2点の大人向け文章を読んでみましょう。

a.夜遅くまで起きていてはいけません。自律神経の乱れが起き、健康を害します。
b.夜は早く寝るようにしましょう。自律神経が安定し、健康的な体を作れます。

「a」も「b」も、基本的に言っているところは同じですよね。

ところがa.の場合、より「注意されている」「脅されている」ような感覚を受けませんか?
反対にb.の場合、その提案(早く寝る)を受け入れれば、より良い自分を作れるイメージが湧きますね。
「a」と「b」、あなたはどちらの言うことを聞こうと思うでしょうか?

上記のように人間は「よりポジティブな表現を受け入れやすい」という傾向を持っています。
また「それをしてはいけない」という「DON'T・NOT表現」は、深層心理に刻まれにくい(覚えられにくい)というのも心理学の基本のポイントです。

ですから、例えば「一人でどこかに行かないの!(「DON'T」表現)」と言うよりも「お母さんと一緒に手をつないで歩こう(「Let's」表現)」の方がより子供には受け入れやすく、脳裏にも刻まれやすくなります。
「これをやるな」ではなく「こうやろう」という提案をしてみましょう。

3.「限定した注意」が効果的

人間は年齢を経て成長するほどに、言葉の意味を広く捉え「自分で考える」ということができるようになるものです。
例えば大人の場合には、「相手に失礼の無いように」と注意をされれば、自分なりに「相手に対して礼を尽くして振る舞おう」と考えて行動することができるわけですね。

ところが子供の場合、まだこのような「行動指示を広く考えて受け取る」ということができません。
そのため「曖昧な指示」がもっとも子供を混乱させてしまうのです。

たとえば「食事の時にはきちんとしなさい」という指示は、曖昧な表現ですよね。
「背筋を伸ばす」「肘をつかないで食べる」など、できるだけポイントを絞った具体的な指摘をするようにしましょう。
上記でも使用しましたが「きちんとしなさい」「しっかりしなさい」は最も「具体的な指摘がない言葉」ですから注意が必要です。

また大人は非難の言葉として「どうしてこんなことをした」「なぜそうする」などの言葉を使ってしまいがち。
これらの言葉の深層心理にあるものは「私は怒っている」という感情の表現であり、実質的に理由を問うているものではありませんね。

ほとんどの場合、この言葉を発した人が求めるものは「謝罪」です。

しかし子供は「なぜそうしたかと、理由を尋ねられた」と感じるわけですから、彼らなりに「理由」を述べようとします。
これが大人にとって「言い訳」と聞こえ、余計に親が怒りを感じるというパターンは非常に多いようです。
特に日本語はこのような「表層上の言葉」と「実際の意味」が異なるケースが多いので、この点にも留意しておきましょう。

おわりに

「子供を注意する、叱る」というのは、親と子のひとつの重要なコミュニケーションでもあります。
しかし大人は子供の頃に何が出来なかったか、何がわからなかったかを忘れ、ついつい「自分たちの言葉のルール」で話を進めてしまいがちです。
ちょっとした言い方に工夫をして、スムーズなコミュニケーションを取れるように意識してみましょう。

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