更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
年々生存率が上向きになっているとは言え、「がん」という診断をくだされてショックを受けない人はいません。
「自分ががんである」「家族ががんである」--積極的治療を開始する以前に、このショックによってうつ病・適応障害といった「心の病気」にかかってしまう人も大勢います。
ここでは「がん」という診断が下りた場合に知っておきたい「心のケア」についてご紹介していきましょう。
「がん」と言われて即座に「よし、治療を頑張ろう!」と切り替えられる人は稀です。 ほとんどの人は仕事も手につかなくなり、まず最初の数日間は「拒否反応」を起こします。 「検査のミスがあったのかもしれない」「他の病院で診てもらおう!」と考えるケースも少なくありません。
これは心の動揺を少しでも抑えようとする心理の働きです。 そのまま受け止めてしまえば心が壊れてしまうかもしれない--このような危険信号を察知して、脳が情報を受容することを一時的にシャットアウトしています。
拒否反応が収まると、次に訪れるのが「怒り」や「自責」という感情と「落ち込み(気分低下)」です。 今までの人生の生活習慣を悔やんだり、「家族が注意をしてくれなかったからだ」と責任転嫁をすることもあります。 仕事を欠勤してボンヤリしたり、部屋に引きこもってしまうケースがあるのも当然です。
これらのショック状態が緩和するには通常2週間~3週間程度の時間が必要となります。
繰り返しになりますが「がん」と言われてショックを受けない人は居ません。
ですから動揺し、哀しみ、苦しむことは「ごく当然」であり、それを無理に抑えようとすることは却って心のストレスを増してしまうことにも繋がります。
周囲に気丈に振る舞おうとしたり、「日常生活をいつもどおりに過ごさなくては」と気を張ろうとする必要はありません。 「怖い、苦しい、悲しい」といった気持ちがあれば、家族や友達、もちろん医療機関でも良いのでその旨を吐き出して構わないのです。 動揺や苦しみを無理に押し隠そうとするあまり、後から抑うつ症状を発症したり、心身症があらわれるといったケースもあります。 「怖がって良いのだ」と自分を許してあげましょう。
がんの診断による落ち込みに2~3週間を経ても緩和が見られず長期化した場合、以下の様な症状が現れていることもあります。
・食欲の著しい減退
・不眠・睡眠障害
・無力感
・自殺願望
上記のような精神的な症状が見られている場合、早めに専門のケアを受けることが大切です。
最近ではがんを治療する医療機関でも専門の心理療法士やカウンセラーを置き、患者の「心のケア」にあたっています。
まず担当医師に現在の状況を相談し、専門家に頼りましょう。
カウンセリングでの認知療法、強い不安に対しての薬物治療、緊張を和らげる方法等、様々なケア法が用意されています。
「がん」と診断されてショックを受けるのは本人だけでなく家族・恋人等も同様です。 同時に「落ち込む当人をどう扱ってよいかわからない」「怒りや責める言葉を受けてもかける言葉が無い」等、がんと診断された家族からの態度や言葉によって更に不安や混乱が増し、ストレスを貯めることになります。
そして家族等の周囲の人の方が、「辛いのは当人なのだから」とこのようなショックやストレス、哀しみや苦しみを自分の心に押し込めようとしてしまう傾向にあるのです。 当人に比較して「否定・怒り・落ち込み」という「がんの受容」へのステップを踏みづらく、その分、心の中で哀しみや自責の念などを解消できないままに抑うつ症状等を発症するケースは増加する傾向にあります。
「自分はがんではないのだから、我慢しなくては」と耐える必要はありません。 辛さや苦しみは周囲に相談し、症状が重いと思われる場合には早めに専門医・カウンセラーに相談しましょう。
心の病気についてはいまだ偏見も多く、「自分はそれほど弱くない」「落ち込んだくらいで医者にかかる必要は無い」とカウンセリング等を拒否しようとするケースは散見されています。
しかし「風邪」と同様、心の病についても「早めの手当て」を行うことが大切です。 カウンセリングで辛い気持ちを早めに穏やかにすることで、がんの治療に対しても無理することなく「頑張ろう」という姿勢を取りやすくなります。
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