年齢を重ねて、より幸せに―「アンチ」よりも「サクセスフル」エイジング

「アンチエイジング」という言葉を一度は聞いたことがあるかと思います。

不老不死の薬を求め、日本に使者をだした始皇帝の例を持ち出すまでもなく、太古の昔から若さを保つことは人類共通の願いでした。

なぜ、年齢を重ねるのが怖いと思うのでしょうか?容貌がおとろえるからでしょうか?「うつ病になりやすくなる」という考えからでしょうか。「高齢者はかわいそうな存在」と、心のどこかで思っているからかもしれません。

高齢者=不幸という図式はほんとうか?

私たちはメディアの影響などもあって、高齢者=不幸というステレオタイプなイメージを知らず知らずのうちに抱いています。

実は、60代以降、幸福と感じる人の割合が増えます。2万8000人のアメリカ人を対象とした研究では、88歳の実験参加者のうち3人に1人が「とても幸せだ」と回答しています(日経サイエンス,2011)。

また、老年学を研究している大阪大学の権藤先生は、「老年的超越」という概念を提唱しています。

老年的超越とは、高齢期にもののとらえかた、考えかたが徐々に発達・変化することです。事例を紹介しましょう。

94歳(女性) 「遊んでいる子どもを見ると……つながりを感じる。」

107歳(男性)「100歳を超えると世話にならなければ生きていけないんだな。自分は地球とともに生きてきた。」

ある種の「悟り」にも似た心境がうかがえます。どうしても自己中心的になりがちな若者の心理とは質的に異なり、大きな流れの中で生きている高齢者の姿がイメージできますね。敬意を払いたくなります。こういった言葉を聞いては、高齢者が一様に不幸であるとは到底思えないでしょう。

アンチエイジングから、「サクセスフルエイジング」へ

上記事例を考えてみれば、外見的な若さだけを保とうとする「アンチエイジング」が、いかに視野のせまい、表面的な考え方かということがわかりますね。

ゆく河の流れは絶えずして、しかももとの水にあらず――。鴨長明が『方丈記』を記したのは、彼が58歳のときであったと言われています。当時では58歳は高齢者であったことでしょう。人間は年齢を重ねるにつれて、諸行無常のことわりを自然と悟るようになるのかもしれません。

そういえば、高齢者はものごとにあくせくせず、悠然と構えている人が多いですね。万物は流転するのだと悟っているゆえかもしれません。そして、そういった心境に至ることこそが、真の「サクセスフルエイジング」なのではないでしょうか。

容貌の衰えは防げないが、心は生涯発達しつづける。

花はいずれ散るからこそ美しいものです。どんなに美容に気を遣い、ジムに通い、栄養面で努力をしても、どうしても容貌はおとろえていくものでしょう。17歳時の美貌を永遠に保つというのは、やはり難しいと思われます。

しかし、心は生涯発達しつづけます。年齢を重ねるにつれて、前述したような心境に変化を遂げるのです。しかも幸せになるのです。

そう考えると、年齢を重ねることがむしろ楽しみになってきませんか。そして、心の生涯発達を目指して、日々、仕事や勉強に努力していきましょう。

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