・自分は母親失格だと感じることがある ・子どもはわざと自分を困らせていると思うことがある ・子どものちょっとした言動にイライラして、怒ったり手を挙げてしまったりすることがある ・自分がしていることは虐待ではないかと感じることがある
育児への困難さ、自分がしていることは虐待ではないかと感じてしまうということは、今までに大きなストレスを感じている状態が継続してきた結果と言えます。多くの場合は、お母さんがそのように感じても誰にも相談できなかったり、相談してもお母さんの気持ちを受け止めてもらえなかったりするなど、一人で悩みを抱えてきたことでしょう。 育児への困難さを自覚し、自分がしていることは虐待ではないかと感じてしまう状態は、お母さんが「このままではいけない」というサインを受け取ることができているということです。そのサインを感じられている、今のタイミングで、お母さんの悩みをしっかりと受け止めてもらえるところで、今ある問題点を明確にするように心がけていきましょう。
子どもが欲しくて妊娠し産まれたことを喜んだものの、いざ育ててみると思うようにいかずに手を挙げてしまうという親と、望まない妊娠のもとで産まれてから子どもに手を挙げてしまうという親では、そもそもタイプが異なるのに手を挙げているということだけで同じ「虐待」という括りになってしまっています。しかし、子育てに真剣に向き合い、それでも解決策が見つからず、どうしてよいか分からないままに、不安定な気持ちを子どもにぶつけてしまっている場合には、「虐待」と言われるのではないかとビクビクせずに、しっかりと声を出して人を頼って相談することが大切です。一人で迷っていること、困っていることについて、一人で抱え込まずに、誰かと一緒に考えていった方が改善方法を見つけることができるでしょう。
・こんなこと、誰に相談していいか分からない ・夫や家族に頼れない ・専門機関に相談したら、子どもと引き離されてしまうのではないか そんな気持ちが頭の中を渦巻いて、悪循環へと陥っていないでしょうか? カウンセリングを通して、親子ともに笑って楽しく過ごせる状態へと変えてみませんか? カウンセリングでは、何をどうしていけるとよいのか、何からであれば変化しやすいかなど具体的な方法を、対話を通して、あなたとカウンセラーで一緒に探していきます。 まずは、今までの子育ての大変さや苦労、困難や不安に感じていることなどを話しながら、ネガティブな気持ちを吐き出し、気持ちの安定をはかりましょう。カウンセラーは、あなたのネガティブな感情を否定することなく、受け止めてくれますので、安心してお話いただけます。
「子供を育てられない・育てるのが辛い」と感じてしまう状態が「育児困難症候群」と呼称されていることも増えてきています。その大きな原因として考えられるのは、これまでの人生の中で毛制されてきた家族のあり方への強い固定観念です。しかし、その固定観念を一度外してみることで、自分たちにとっての家族の姿が見えてくるかもしれません。
「暴力」といったわかりやすい行動ではない、見えづらい虐待も存在します。子どもへの強い理想像の押し付けは「優しい虐待」と呼ばれています。それは明示的に行われるわけではなく、傍目から見ると、教育熱心で理想的な親子関係のように思えます。しかし、「理想的な子ども」でいつづけることに子どもは強いストレスを感じている可能性があるのです。
フリーライターの黒川祥子さんによる「誕生日を知らない女の子 虐待――その後の子どもたち」は第11回開高健ノンフィクション賞も受賞し話題になったルポルタージュです。家族という閉鎖された世界で生まれうる歪な関係、だからこそその外へ目を向けることが重要です。社会、家族、個人が緩やかに連帯していくことの重要性が語られています。