子育てがストレス、虐待してしまいそう…「育児困難症候群」から抜け出すための4つのヒント

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

「赤ちゃんの世話をしようと思っても、何もする気にならない」「子供の顔を見ても、ちっとも愛情を持てなくなった…」など、産後の子育てにおいて「やる気・愛情」が枯渇し、適切な育児が行えなくなるケースは年々増加傾向にあります。 症状の程度や内容は様々ですが、睡眠障害・自己嫌悪感・食欲の減退等、抑うつ症状に似たものや、重症の場合育児放棄、物理的虐待等に繋がるケースとなることも。

正式名称ではありませんが、これらの「子供を育てられない・育てるのが辛い」となる一連の症状は「育児困難症候群」と呼称されることも増えてきているようです。 「育児困難」は育てる親の側の心を苦しませるだけでなく、育てられる子供の側にも直接的に被害が及ぶものであり、早めの対処をすることが大切。 ここでは「育児困難」から抜け出すためのヒントをご紹介していきましょう。

1. 「パーフェクトな母親」を目指すのをやめよう

「育児困難」に陥りやすい人には、育児に対して「精一杯マジメに取り組む」という共通項が見られます。 「大切な子供なのだから、マジメに取り組むのは当然!」と思われる方もいるかもしれませんが…

育児困難になりやすい人、虐待へとつながりやすい人ほど、育児に対して「パーフェクトな結果」を無意識に期待してしまいがちなのです。 しかし、育児というのは残念ながら「これだけの努力をしたから、その分うまくいく(努力に対する報酬がある)」「育児本通りに行えば育児本通りの結果が得られる」というものではありません。 繰り返される「努力をしてもムダにされる」という徒労感、「自分の望む結果が得られない」という不満が抑うつ的な症状やストレスを生み出してしまうのです。

・学校・会社等では優秀だった
・運動・勉強・仕事では努力をし、それに見合う成果を得てきた
・「しっかりもの」という評価を受けることが多い

上記のような人は特に強く「努力をし、完璧な結果(報酬)を求める」という傾向が見られます。 「良い親であろう」と頑張りすぎてはいませんか? 「完璧でなくては」と力むのをやめて、「ほどほどでいいや」と肩の力を抜いてみましょう。

2. 「比べる」ことには意味が無い

毎日子供の成長記録をつけて「標準と違う」「成長が遅れているのではないか」と心配をしている人もいることでしょう。 育児相談をして「個人差があるから」と言われても気が晴れず不安、少しでも遅れがあると思うと子供にイライラしてしまう… 他の子供を見て自分の子供と比較することがやめられない…

このような「標準的」さを強く求める心には、「自分自身が標準的であるように無意識に努力してきた」という心理が隠されていることも多いようです。

・容姿・能力等に劣等感があり、克服するような努力をしてきた
・周囲から阻害されることに対する不安が大きい
・結婚・出産によって「一人前」になれたという気がする
・結婚時期・妊娠時期等について周囲の意見等を聞き入れてきた

上記にあてはまる人の場合、自分や子供のことを「平均的(標準的)」という範囲に押し込めようとしてしまいがちな可能性が高いと言えます。 人間は十人十色、それぞれ違うところがあるもので、それはあなたも子供も同じことです。 人と比べるのではなく「自分は自分だし、子供は子供だ」という絶対的な考え方を意識してみましょう。

3. 配偶者との関係性を見直してみよう

育児困難に陥る人の多くが、「(ほぼ)母親一人で育児をしている」状態であることがわかっています。 配偶者(夫)側が激務等で育児に関われないことも多いですが、育児に対する認識不足が影響していることも少なくありません。 そして育児困難症候群が重症化し、虐待等に表面化してから初めて「妻が育児困難であった」ということに気づくケースも多いのです。 夫側の非協力的な姿勢が問題となるのはもちろんなのですが、非常に多い傾向として妻側が「問題を自分で抱え込んでしまう」というケースが見られます。

「育児をするのは妻なのは当然」「夫には頼れない」と思い込んでいませんか? 子育ては親・家族が全員で当たるもの。 「夫に状況を説明するのが難しい」ということであれば、一度子育て教室や相談窓口を夫婦で訪れてみるというのも手です。 また現在既に妻側に育児困難が見られる場合には、カウンセリングは夫婦揃って受けることをお勧めします。

4. 周囲に「頼ってもいい」と考えよう

育児困難から虐待へと進行した親に共通して見られるのが強い「孤独感」「見放され感」です。

・頼れる親や親族が居ない
・友人を作るのが苦手
・相談窓口や周囲の人間とは育児に対する考え方が合わないと感じる
・転勤等で知らない土地へ来ており地域とのふれあいが無い
・赤ん坊は母親が育てなくてはいけない(他人に任せるのはいけない)と感じる
・妊娠前は独立独歩な性格だったと思う

出産をするまで、自分自身の力で困難をくぐり抜けてきた人ほど「他者に頼ってはいけない(頼れない)」という考えを自分に押し付けようとしてしまいがち。 また育児に対する独自の考え方に固執しやすく、「他者に任せては自分の思うとおりに育児ができない」と考えてしまう傾向もあります。

しかし、乳児に関わる様々な問題は自分一人だけで解決できるものではありません。 現在は行政・自治体等が数多くの窓口を設け、育児相談を受けています。 また自分一人での育児が難しいと考えられる場合、一時的、また一日の何時間かを保育所・託児所等でプロの手に任せることで「心が休まった」と回答している人は非常に多いのです。

何もかもを自分で抱え込もうとせず、周囲を頼ることを考えてみましょう。

おわりに

育児困難という問題については、親側の多くが「子供に原因がある」と考えてしまいがちです。 しかし実際には「完璧を求める」「自分で問題を解決しようとしがち」等、問題は親側の心にあることも多いもの。 今までの自分の「心のスタイル」では育児という問題が解決できず、心が悲鳴を上げてしまうのです。

「今までの考え方を急に切り替えるのは難しい」「いま現在、育児が苦しくてたまらない」という時には、早めに専門のカウンセラーを頼ってみましょう。

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