「あのタオルが無いと不安!」「抱きまくらを変えられない…」それ、もしかして『ブランケット症候群』かも?

更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: もやもやする

「お気に入りの枕やタオルケット・毛布などがある」という人は意外と多いはず。 また子供の頃から大切にしているぬいぐるみやおもちゃ、文房具・マスコット・時計等、「これに触っている・持っていると安心」という「お守り」的な存在があるという人もいることでしょう。 でも「常にソレがないと不安」「無いと生活できない!」と社会生活や人間関係支障が出ている場合には、『ブランケット症候群』である可能性も。 ここでは「特定のもの」にこだわってしまう『ブランケット症候群』についてわかりやすくご紹介していきます。

1. 『ブランケット症候群』って何?

『ブランケット症候群』の『ブランケット』とは、英語で「毛布」のこと。 スヌーピーで有名なマンガ『ピーナッツ』の登場人物の一人、ライナスの毛布への固執から名付けられています。 ライナスの名前を知らない人でも、「スヌーピーの側でいつも毛布を持っている男の子」と言われると「あの子かな?」と思い出す人もいるのではないでしょうか。

ライナスは外でも常に自分のお気に入りのブランケットを持ち歩き、それに触れ続けることで安心しています。 ブランケットを手放すと恐慌状態に陥り、自分を保つことができないのです。 このエピソードから、心理学では「特定のモノに対する所持への固執」を「ライナスの毛布<<ブランケット症候群>>」と呼ぶようになりました。

特定のモノは必ずしも毛布(ブランケット)とは限りません。

枕等の寝具類、ぬいぐるみ・マスコット、タオルやハンカチ、鉛筆などの文房具、時計、古くなった手帳等、「所持することにこだわる対象物」は人それぞれです。 外出時/帰宅時/就寝時等に必ずその「モノ」を持っていることを確認したり持ち歩き、それに触れると安心し、そのモノが無い状態に不安を感じる状態を指します。 古くボロボロになったり、衛生状態が良くない状態でも手放せず、またニオイに固執する場合には洗濯・洗浄を拒むケースも多くあります。

2. なぜブランケット症候群になるの?

ぬいぐるみや毛布等に「お気に入り」を見つけ、常にそれを持ち歩いている子供というのは珍しいものではありません。 不安な状況でストレスを感じた時、その柔らかな感触に触れたり匂いを嗅いだりすることで安心し、ストレスを解消しているのです。

幼少期のストレスの原因には、母親・父親等が傍に居ない不安、家族以外の人間とコミュニケーションする不安、家以外の場所へ赴く不安などがあります。

幼少期から成長を重ねることで徐々にこのモノへの執着は治まることがほとんどです。 しかし、成長期を過ぎてから再度「特定のモノ」への執着が始まることがあります。 対象は幼少期と同様のものであることもあれば、まったく別のものであることも少なくありません。

その原因は現在の人間関係・環境ストレスが影響していることもあれば、幼少期の心理的外傷、「見捨てられるのではないか」という不安、強い孤独感・疎外感等、人によって個人差があります。 いずれにしてもなんらかの「不安な気持ち」を解消すべくその物体に依存した状態となっているのです。

3. ブランケット症候群に対処法はある?

『ブランケット症候群』に対処すべきか否かの線引きは「社会生活・日常生活における支障の有無」という点にあると言えるでしょう。

例えば「毛布が変わると眠れないので遠出ができない」「常にタオルを触っていないと人と話していられない」ということになると、職務や生活範囲が『ブランケット症候群』のために狭められてしまうことになりますから、やはり対処をしていくことが必要になります。

自分での対処としては「特定のモノに触れる時間を徐々に減らしていく」という方法が挙げられます。 例えば「15分触れないでみる」「モノを持たないで30分でかけてみる」と言った具合に自分とモノとの距離と時間を置き、「モノがなくても大丈夫だった」という成功体験を得ることで不安感を減らしていくのです。

対処にあたって重要なのは「急速的なモノとの離別」(モノの処分等)を行わないことと言えます。 『ブランケット症候群』にかかった人の周囲の多くが対処法として「対象のモノを捨てる・処分する」等の突発的な行動を行ってしまい、ブランケット症候群の人が恐慌状態(パニック)に陥るというケースは少なくありません。 ゆっくりと時間をかけて対処を行うことが大切です。

ただし本人の心的外傷・ストレスが大きい場合や、自己対処での改善が見られない場合、カウンセラー等の専門家による行動認知療法を受けることをおすすめします。

おわりに

『ブランケット症候群』の症状については多くの人が「こんな事を周囲に相談できない」「家族から理解が得られない」という悩みを抱えています。 また本人は「軽度だ/日常生活に問題は無い」と捉えているのに、家族や周囲が「清潔状態が維持できず困っている」等のストレスを抱えているケースも珍しくありません。

また『ブランケット症候群』によって家族間でトラブルが起こっている場合などには、家族同士でカウンセリングを受けてみるのも手です。 症候群についての理解度を深め、お互いの「歩み寄れるポイント」をプロと一緒に探っていくことができますよ。

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