更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 習慣を変えたい
「無駄遣いをせずに節約する」という生活は、一見すると自分をコントロールできる良い生活に思えますね。 ところが最近では、この「節約」が過剰になるあまり家庭生活や交際関係にまで問題が生じたり、「貯金をいくらしても不安が止まらない」という人も増えているようなんです。
このような「お金を使えない人たち」のことは、『お金使えない症候群(節約症候群)』と呼ばれることも。 ここでは『お金使えない症候群』の原因や対策を、心理学的側面からご紹介していきましょう。
この記事のまとめ
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「節約をする、お金を貯める」という行動は、常識の範囲であれば「褒められる行為」であると思われがちです。 そのため当人も「節約をするのはいいことだ」と認識しやすい傾向にあります。 過剰な節約行為が自分の生活から楽しみを奪っていたり、人間関係に問題を生じさせていても、そのことになかなか気づけないという問題点をはらんでいるのです。
『お金使えない症候群(節約症候群)』の原因には、以下の様なものが考えられます。
幼少期等に「欲しいものが買ってもらえない」「自分の好みが否定される」という経験が多かった場合、そのような「抑圧」は大人に成長してからも心理的影響を与えます。 自分の欲しいものに散財する傾向として現れることもありますが、「欲しいものを買うのは良くないことなのだ」という認知の歪みが生まれ、「出費に対する恐怖感」として残ることも多いのです。
『お金使えない症候群』の人は、一見すると将来に対して計画的であるように思えますね。 ところが実際には過剰な節約に走る人ほど、マネープランやライフプランを専門家等に相談し、計画している人は少ない傾向にあります。 人間は現実的な対処を行わない(直接的接触をしない)ものに対し、実際よりも大きな不安を抱えがちです。 そのため「今後いくらが有れば大丈夫なのか?」という実質的な計画を立てられず、「とにかくお金があれば良いのだろう」「あればあるほど良い」という単純な行動へと走ってしまうのです。
『お金使えない症候群』の人の多くは、学歴・職業・恋愛・現在の状況等、自分に対する何らかの不満を抱えています。 また節約志向が若い頃からあった人の場合、「仕事以外に打ち込む趣味」や「交友関係」が無く、生活の中での喜び(ハリ)が少ない状態です。 これらの「理想的では無い自分」「楽しみの無い自分」への不満を払拭してくれるのが「貯蓄額」ということになります。自分を認め、ゆるすことは心理学では「自己承認(自己承認欲求)」と呼ばれていますが、節約症候群の人の場合、自分を認められる(許せる)点が「お金を貯めている」だけということも多いのです。
『お金使えない症候群』の人は、貯蓄計画を過剰な設定にしていることがほとんど。 また意外と「家計簿」等、自分の出費の内容を把握していないことも多いのです。 まずは「将来的に必要になるお金(貯蓄)」の範囲を限定しましょう。 そして「今月いくら使っても良いのか」という金額をきちんと定めて、その分を取り分けます。
大切なのは「出費はすべて損である」という認識(認知の歪み)を正していくことです。 とは言え、いきなり「お金を使うことを楽しむ」のは難しいかもしれません。 まずは「出費をするのは自分への投資だ」と考えてみましょう。 美味しく栄養価のある食事を採ることは、健康面に対しての投資です。 またキチンと身なりを整えることも「投資」のひとつであると言えるでしょう。 旅行や趣味、資格のための勉強等も「自分の経験を増やす」という投資に繋がります。
金額云々のことを一切考えず、「今後、自分はどうなりたいか」をもう一度見つめてみましょう。 元々好きだったもの、興味があること、やってみたいことなどを5個~10個程度で良いので紙に書きだしてみます。 その中でひとつでも良いので、「月々の自分のお小遣い(取り分けた投資のための金額)」から使ってみることを始めてみます。 「好きなことができた」「本当に好きなものを手に入れられた」という喜び(成功体験)を得ることが、「過剰な節約」から脱却するためには重要なのです。
『お金使えない症候群』の原因が家庭環境等にあり、その問題が根深い場合、「お金を使うのは良くないことだ」という認識を自分だけで正していくのが難しいこともあります。 また過剰な節約・金銭問題によって既に家庭内や友人同士・会社内等のトラブルが生まれている場合には、早急な対策が必要とされる可能性大です。 このような場合には自分だけ・家族内だけで無理に解決をしようとせず、早めにカウンセラー等の専門家に相談しましょう。
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