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違う世界を開くきっかけとして、カウンセリングを活用してほしい|臨床心理士 伊藤由紀子

公開日 2016年08月19日 |
カテゴリ: 専門家インタビュー
違う世界を開くきっかけとして、カウンセリングを活用してほしい|臨床心理士 伊藤由紀子

ーー先生は臨床心理士として、どのような道を歩んで来られたのでしょうか?


大学を卒業してすぐ後は、精神科のソーシャルワーカーとして働ていました。その後臨床心理士の資格をとり、15年間、非常勤の小児科の心理士として働きました。たくさんのお子さんのケースを見ていました。それから、教育相談所のカウンセラーやスクールカウンセラーを経て、3年前に今の相談室を開設しました。

ーーお子さんや子育てに関する相談を中心に受けてこられたんですね。


私の経験の中では、不登校やこどもの相談をきっかけにお子さんやそのご両親と関わることが多かったのです。、そのような問題の裏側には発達障がいがあることも少なくありません。パニック障がいや不安障がいの場合も、発達の偏りが基本にあることがあります。

こどもとの関わりで、こどもが自分の課題を受け入れてすんなりと来てくれることは多くはありませんから、母親だけが長く相談にいらして、本人への働きかけ方について考えていき、その中で徐々にお子さんとの関係が改善していくこともあります。子どもはひとりでくらしているわけではありませんから、家族とのかかわりは大事です。

ーーお子さんのどんな悩みで相談を受けることが多いのでしょうか。


小児科ではやはり、お腹が痛いとか、身体症状が出てきて学校にいけないとか多かったです。身体症状が出るけれど、調べてみても問題が出ない。それでカウンセリングを受けてみると、学校でいじめられているとか、そういう話が出てきたりしますね。こどもは特に、悩んでいても言えないですから。

ーーお子さんとのカウンセリングは、どんな風に進めていかれるのでしょうか。


お母さんと一緒に来ていただいて、けれど自分の悩みはなかなか言えなかったり、自覚できなかったりする場合が多いですから、絵を描いたり 箱庭をやってみたり、あなたのことを知りたいということを伝えて、だんだん話ができるようにしていきますね。

お母さんのお話を聞いたり、助言をすることもありますし、だんだんこどもも楽しみにして来てくれるようになって。「わかってもらえる人がいる」というのはこどもにとっても安心なんじゃないでしょうかね。話ができなくても、絵にしたり表現していくことで、気づきが生まれていくことが多いですよ。

 

ーーだんだん心を開いてくれるようになるんですね。


信頼できる大人がいるんだなと感じられるようになるんですよね。頑なになっていたこどもが、外からの働きかけを受けいれられるようになっていきます。何かをやり直したり、こどもの選択を手伝っていくような感じですね。

そのときは受け付けなくても、どこかのタイミングで「これをやってみようと思う」と自分で決めてやってくるようなこともあります。きっかけを提供することで、いつの間にかこどものほうが選んでくれているという感じあります。でも、私も試行錯誤で、これでよいのか思うことも多いですよ。

ーーカウンセラーがこう言ったから、というよりも、自分で選んだという感じが大切なんですね。


大人のカウンセリングもそうですけど、いくらこうしてはどうですかといってもすぐにその通りに行動できる人は少ないんです。でもセラピストとの関係ができてくれば、この人の言うことなら聞いてみようかという気持ちになったり。あるいは逆に先生はああ言っていたけどこんな風にしてみようとか、きっかけになったりします。

大人のカウンセリングとこどものカウンセリングはそれほど変わらないですね。一対一の関係性の中で、いろんな気づきを産んでいく、ということです。決められた手順に沿ったような心理療法であっても、それ自体よりもこの先生を信頼しようというところのほうが大きいのではないでしょうか。

ーー発達障がいのお子さんのカウンセリングも受けておられるんですね。


発達障がいといっても、障がいがどういうことか、というのは人によって違います。例えばアスペルガーとひとくちに言っても、どういう状態かはその子によって違うし、育ってきた環境や個性などの要素が入り混じって「困った状態」ができていたりするので。そして発達の課題がある方は環境によって困りごとが生じてしまうことも多くて、失敗経験を重ねていることが多いんですよね。だから自尊心を育てることが大事です。

自分を理解して、強みも理解して、周りの人にもこういう人だとわかって受け入れてもらうことで、うまくいくようになっていきます。それから、困ったときは人に頼ることができる、相談することができるようになっていくことですね。上手に「助けてください」と言える力を持てるようになっていきます。これは、相談してよかった、という経験を持たないと難しいことでもあります。

ーー先生は、大人のカウンセリングも受けておられますが、大人に対するカウンセリングはどういったカウンセリングを行われるのでしょうか。


子どもの問題で親のカウンセリングをすることは多かったですけれど、子どものカウンセリングも大人のカウンセリングも、それほど違いはないですよ。また、こどもの頃からお付き合いして、大人になってからもカウンセリングに来てくださる方もいらっしゃいます。

ひとつの課題がカウンセリングで解決しても、また違うかたちで相談に見えることもあります。新しい場面で困った時の、安全基地のようなところもあるのかもしれませんね。子どものカウンセリングは行政や教育の場で相談できる場が充実してきましたが、大人のカウンセリングは必ずしも制約なしに相談できる場が多くはないですから。

ーーということは、最初は周りの人が気づいてあげて、相談を促してあげるほうが良いのでしょうか。


こどもの相談についてはそれが一番いいと思いますね。ただし、無理やり連れてこられること自体がその方にとっての傷つきになることもあるだろうから、注意は必要です。レッテルを貼られると感じる人もいます。

その子にとって何が一番大切かを、見極めるのがとても大事です。病院をすすめるのも、注意が必要ですね。診断がその方にとって本当に意味があることなのかどうか。やはり診断を受ければ、そういう扱いをしてしまう人は出てきますから。いきなり病院等に行くよりは、その方がどんな風に困っているのかをしっかりわかってから行くほうが良いのではないでしょうか。

ーー相談の中で意識しておられることはどんなことでしょうか。


実際の生活の中で、どうやって今の課題を解決していくことができるのか、意識するようにしています。そのおうちにはお花を飾る雰囲気があるおうちなんだろうかとか、家族に余裕はあるのかとか、相談の中には出て来ないことに想像を巡らせるようにしています。

ーー相談をためらわれている方に、何かメッセージがあればお願いいたします。


人に相談してみることで今まで見ていた世界と違う世界が開けるということはあると思います。困っていることを、誰かに相談してみる勇気を持って頂きたいですね。

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