更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
家族、それは私たちが暮らす一番のベースとなっているところですよね。とても大切な場所です。一方で常に波乱含みでもあります(笑)。寝坊して怒られたり、器を割って喧嘩になったり…日々色々なことが起こります。そんな些細なことも含めて家族は1つのまとまりとして数々の荒波を乗り越えていきます。
家族の間に起こる問題やストレスを、家族は成長、発達するという視点でここでは少し眺めてみましょう。専門的には家族サイクル論とよばれ、家族の発達を個人のライフサイクルと同じように考えて、結婚による家族の誕生から死までの一生と捉える考え方です。ま、専門的なことはさておき、家族の発達を大きく分けて家族の形成期、発展期、収束期の3つに分けて考えてみましょう。
結婚するためには他人と親密な人間関係を作らなければなりません。‟親密“とは一体どういうことでしょう?何となく分かるような、分からないような感じですよね。レーナー(1989)が端的に次のように言っています。「関係の中で自分を犠牲にしたり裏切ったりせず、相手を変えたり説得しようという要求を抱かずに、相手のその人らしさを承認しあえること」と。
単に仲良し、という訳ではなく、お互いに自分らしさを大切にして、相手のその人らしさも大切にしていくことです。これは実はとても難しいことです。お互い全く違う環境で育ってきています。価値観をすり合わせていく作業が必要になります。それは想像以上のストレスを生みます。
夫婦にとって重要な問題については結婚前からある程度話し合っておくことがとても重要になります。欧米諸国では、プリマリタル(PREmarital)カウンセリングなど、結婚後の夫婦がより幸せに暮らせるように、結婚前のカップルを対象に予防的なアプローチも積極的に行われています。日本でも少しずつそうした動きも出てきています。
2人が愛し合っていれば幸せな家族を築くことが出来る!なんて甘くないのが現実です。今、女性たちの社会での活躍は目覚ましいものがあります。また政府が掲げる1億人総活躍社会、女性活躍推進法など、人生の選択肢は益々増えていきます。子どもを産むことに関しても選択肢が増えました。
産む、産まないの選択肢はもとより、産みたいけど産めない人たちへの助成、育児休暇の適用範囲の広がり…新しい命が生まれ育まれることはとても素晴らしいことです。
しかし選択肢の増加に伴う心理的ストレスも見逃すことは出来ません。不妊治療の進歩が子どもを欲しくても難しい人たちへの希望をもたらした一方で、産まなければ、というプレッシャーを感じたり、何故うちには治療しているのに出来ないのだろう、と悲嘆を感じることもあります。
そういう方たちに対する心理的ケアも行われ始めています。また育児に関しても、育児休暇が取りやすくなりつつあることはとても良いことである反面、男性、女性どちらが取得するのか?など夫婦が話し合って決めることも多くなっています。
最近イクメンという言葉が男性への褒め言葉である一方で、男性の育児ノイローゼや産後うつ、それに伴い不幸にもDVに繋がってしまうケースも耳にするようになりました。そのため保健所や産科クリニックなどでは両親学級に最近ではお母さんだけでなく、お父さんへの参加を進める企画も少しずつ増えています。
一見幸せで喜ばしいと考えられる出来事も、当事者たちにとっては心身ともに負担を感じるストレスになり得ることをその家族を取り巻く人々、社会が理解する必要があるのです。
近年の晩婚化、少子化、高齢化により、子育ての時期が以前に比べ様々な問題が同時に起こる時期になってきています。おおよその目安として30代半ばから50代の夫婦が子育てを体験していると考えられると思います。
この世代はまさに社会的にも立場を得、仕事が忙しくなってきます。職場でのストレスも男女ともに増していきます。その過程で子どもが成長していきます。子どもにどの様な教育を与えるか、また与えられるのか、思春期を迎える子どもをどうやってサポート(ネットとの関わりなど)するのか、子育てにおいても数多く考え対処しなければならないことがあります。
そして自分たちの親の介護の問題も同時に起こることもまれではありません。それは経済的な面でも大きな負担が予想されます。そして身体的に心理的にかかるストレスは想像以上のものとなります。
企業でのストレスマネジメントが法的に義務化されたり、スクールカウンセラーがより多く配置されるようになったり、以前に比べ社会全体の心理的サポートは進んできました。しかしまだまだ足りていないのが現状ですね。
子どもの巣立ち、そして老年期を迎える夫婦、という家族の分離が起こる時期です。最も成熟した家族のステージである、と言われています。しかしその一方で、家族メンバーの喪失による孤独感、自らの老いを自覚することによる抑うつ感など厳しい時期でもあります。またこれまで人生を共に突っ走してきた夫婦がまた再び2人の生活になり、互いに関係性を再構築していく時期でもあります。
老老介護になるケースも少なくありません。歳を重ね、持ち時間が少ないと感じ、自らの体力への自信も揺らぎ始める高齢者にとっては、過去の体験を受け入れ現在とのつながりを感じ、人生の再評価や意味を見つけていく作業はなかなか難しいことです。高齢者個人への心理的ケア、そして老いを重ね、再び夫婦2人の関係の再構築にはカップル・セラピーなど心理的サポートが役立つと考えられます。
いかがですか?家族は発達、成長していく、という視点から、家族に起こり得る問題・ストレスを見てきました。一見幸せに思える出来事も問題になり得るのです。
またこれまで以上に私たちは自分たちの意志で色々な選択が出来るようになってきました。同性婚も認められるようになってきました。カップルの概念も変わりつつあります。それに伴い家族の形態は益々変わっていきます。
自由になる分、これまでになかった心理的ストレスが生じることも残念ながら事実です。また、東日本大震災のような突然の出来事により起こるストレスもあります。
先ずは、悩んで、困ってしまったら、そんな自分を認めてあげてください。そして歩み続けることを一旦小休止する勇気を持ってください。或いは周りが気づいてあげてください。そして専門家をたずねてください。抱え込んだ重荷(悩み、問題)に先ず気づくお手伝いを共にします。そして重荷(荷物)の下し方、或いは抱えながらも歩む方法を一緒に考えていきます。どうぞ1人で抱え込まないでください!
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