周りの目線や音が気になって仕方がない…そういう方はHSPかもしれません

更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: ストレスに対処したい

周囲の刺激に振り回される生きづらさ

生きづらいと感じる人の多くは、自分の感覚や思考が他人と違っている、その違いを他人に理解されない、という悩みを抱えています。物事の感じ方は十人十色で千差万別とはいえ、ある程度の傾向はあるものです。

花を見れば「美しい」、子どもを見れば「かわいい」というすでに通念や常識と化した感じ方もあるくらいですから、そこに自分が当てはまらないことに苦痛を感じるのも無理はありません。
そうした生きづらさの原因の1つとしてHSPという特性があります。

HSPの人は強い刺激を好まず、大きな音や強い光、刺激の強い映像に過敏に反応し驚きや恐怖を感じやすい傾向にあります。
また他者の気持ちにも敏感であるため気の利く行動をとることが出来ますが、常にそうした神経を働かせているために疲労を抱えてしまいます。

他者と比べて敏感で繊細であるためにストレスを抱えやすく、生きづらさを感じながら生活している人はHSPである可能性があります。
しかしこのHSPは決してネガティブなだけの性格特性ではありません。
HSPを理解して上手に付き合うためにも、その長所と短所をよく知っておきましょう。

HSPの特徴と生きづらさ

HSPは「Highly sensitive person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」の略で、簡単に訳せば「一般よりも敏感な人」くらいの意味になります。
全人口のうち15~20%ほどの割合で現れる性格特性で、生まれつき持っている個人の傾向と言えるものです。

HSPの人の特性を簡単にまとめると「高度に感受性が強く、敏感で繊細。新しい状況に入る前に注意深くなるため他の人よりも細かいところに気が付く」という事になります。
具体的なエピソードとしては、

・他の人が楽しんでいる大音量の音楽が苦痛
・暴力的なシーンのある番組や映画が苦手
・他人の気分に左右されやすい
・他人が不快な様子でいるとき、その原因を察知できる

といったことが挙げられます。
HSPの特性は言葉で見る限りでは、思慮深くて感覚豊かな人、という印象を受けるのですが、実際には「せっかくのライブなのにどうして楽しめないの?」「人の顔色ばかり気にしすぎだ」という言葉が投げかけられ、繊細なHSPの人はその1つ1つに傷ついています。
日々「自分は他の人と違うのだろうか」という悩みに曝され続けることが、生きづらさを助長しているのです。

HSPのどこに焦点を当てるか

時々HSPのことを「親の育て方が原因」だとか「精神障害だ」と言う人もいますがそれは誤解です。
かつては親の怒声や暴力が心に植え付けられた結果刺激に敏感になる、という考えもあったようですが、HSPが被虐待児に特有の特性ではないことから、この考えは覆されています。

もちろんHSPという特性のために周囲の刺激に反応して気分変動が激しくなったり、人の気持ちを鋭く察知して動いたりする経験を積み重ねるうち、ストレスがかかって何かしらの疾患を発症する可能性はあります。

しかしだからといってHSP自体が問題のある特性という事にはなりません。
生まれもった性格なのですから、「この子は運動が得意だ」「絵をかくのが上手だ」という性質と同様に、尊重するべき個性
です。

悩み苦しんだり、あるいはその様子を見たりするとどうしても「原因はHSPにある、これを根絶しなければならない」と考えてしまいがちです。
しかしそれは裏を返せばHSPというその人の性格を否定してしまうことになります。
自分の人格や性格を否定されるのは、誰にとっても何よりも辛いことです。
そのためHSPそのものを改善しようとするのはあまり得策ではないように思われます。

焦点化すべきはHSPの人の周囲の環境を整えることです。
「周りと違う」ということを寛容に受け入れ、その人の感じ方を尊重するムードを保つ必要があります。

HSPに寛容な環境づくりとは

「周囲の環境を整える」というと、HSPの本人には努力を求めないように聞こえるかもしれません。
実際にはそうではなくむしろ本人が自分の特性をよく理解し、自分に圧力をかける刺激からうまく離れる方法や、圧力を感じてもそれをうまく逃がす方法を探す方が重要です。
周囲はそれに理解を示すだけで十分です。それはとても簡単です。

例えば人の気持ちに敏感なHSPの人がいます。
そういう人は「自分は人の気持ちを過度にくみ取ってしまう」という事がわかっているので、ストレスを避けるためにランチを1人でとったり、飲み会に参加しなかったりするかもしれません。
それを無理に誘わないだけでいいのです。

性格の1つとしてHSPを受け入れ尊重する。
それは人間関係の結び方の基本を見つめなおすことかもしれません。
1人1人の感じ方を否定せずにいることで、HSPの人だけでなくあらゆる人が生きやすい環境になっていくように思われます。

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