更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 子育て・家族関係
私たち夫婦それぞれの親はみんな元気で、義父も義母もしっかりした方、私の母は70歳を過ぎてもテレビゲーム大好きというぐらい精神的に元気な人なので、認知症とはほぼ無縁となんとなく思っていました。
ところが義父がある病気で療養生活を送ることになり、使用した薬の副作用も手伝って、徐々に何度も同じことを聞いたり、確認したりを繰り返すようになりました。そんな異変に気付いたのは義母。
「認知症かも…」と。
にわかに信じられなかった私たちでしたが、義父とじっくり話した時に私も異変を感じるようになりました。
介護保険申請時の面談では9月で自身も半そでを着ていたにもかかわらず「今の季節は?」の問いに、自信たっぷりに「冬です」と答えていたのを聞き、確信しました。まちがいなく認知症だと。
私たちは義父母とは別居だったので、日常生活上、主に義父と接するのは義母や義姉が中心でした。
義母や義姉によると、何度も同じことを言う・聞くはもちろんのこと、「認知症のCM」にもあるような、これまでできていたことや習慣としてやってくれていた家事もしなくなりました。
ついには車の運転操作を忘れ、外出先から帰れなくなり、夫に電話をして車を動かしてもらったということもありました。
ちょうど、高齢者の運転による事故が問題視されるようになったころということもあり、これ以上運転をさせるわけにはいかないと、免許を返納することにしました。
最初は納得していた義父でしたが、いざ返納手続きの前日になって「そんなことを承知した覚えはない」と言い、義姉と大ゲンカ。さんざん説得しなおして返納手続きを済ませたのですが、しばらくは「運転免許を奪われた」とかなり非難されたそうです。
義父の対応に義母も義姉も疲れ果て、私たち家族と同居しようかという話も出ました。が、経済的な事情から、同居には私たちの家に住むことになること、家の近くには線路があり危険なこと、また急激に環境を変えると認知症がさらに進行するリスクが高いことなどから断念することになりました。
認知症が進行し、家庭で介護ができなくなれば特別養護老人ホームへの入所を検討しなくてはなりません。
もしそうなった場合、住み慣れた家で介護ができなくなったのならあきらめもつきますが、慣れない環境に引っ越した挙句の入所になると義父の立場から考えると胸が締め付けられるぐらいつらいことだろうと考えてしまいました。
しかもホームへの入所はすぐにというわけにはいきません。年単位で待機と言われるほどです。
在宅でできるだけのことをして、できるだけ認知症の進行を抑え、義父自身にも今の生活を楽しんでもらうことも必要だと考えました。
ある日、義母が「デイサービスを利用したい」と言いました。自身の足の痛みで歩きにくさを感じていて、リハビリをしなければと思ったことと、義父の生活にハリができるのを期待してのことでした。
さて、問題は義父です。「行く」って言うかな。
高齢者になっても特に大きな病気をせず、元気に過ごされてきた方ほど、デイサービスなどのような介護保険サービスを利用することに対して否定的です。私たちも義姉も、「義父は絶対こういうサービスを利用したがらないだろう」と思っていました。
一転、利用することになったのは「義母に付き添ってあげてほしい」とうまいこと言って、行ってもらったのです。
作戦は成功。現在、夫婦で週1回のデイサービスに通っています。
担当のケアマネさんが上手に義父の好きなことや得意なことをうまくデイサービスのプログラムに組んでくださったことで、今は楽しく通っているそうです。何より、大きなお風呂に入れて、身体もきれいに洗ってもらえることも楽しみのひとつのようです。
担当ケアマネさんよりこんなことを言われました。
「今はサービスがたくさんあるので、高齢者の方にはサービスを利用することに慣れてほしい」と。
昔のように身寄りのない人が利用するだけのサービスではなく、今は介護が必要なすべての高齢者が気軽に利用できるサービスになっています。職員も施設も工夫を凝らし、楽しんでもらえるプログラムを考えてくださっています。
うすらさびしいところではありません。利用者の方々はおしゃべりや食事、趣味やお風呂を楽しんでおられます。義父母がデイサービスに行き始めたことによって、義姉の心配も少し軽減されたそうです。
今回の件で、「説得するのは無理だろう」とあきらめてはいけないと思いました。
また、具体的なサービスが頭に浮かばなくても、とりあえず現状をアセスメントする目的でもいいので、地域包括支援センターに相談してみるのもいいのかもしれません。
相談員やケアマネさんが突破口を一緒に探してくれます。
先述の「サービスを利用することに慣れてほしい」というのは高齢者本人たちだけでなく、家族についてもいえることなのかもしれませんね。
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