更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: カウンセリング
「カウンセリングマインド 」という言葉を聞いたことはありますか?
プロのカウンセラーがカウンセリングを行う際の態度として知られているカウンセリングマインドですが、現在では、保育者・教師といった、指導する立場にある職業についている人にも求められるスキルとなっています。
今回は、そんなカウンセリングマインドの意味や事例、活かし方について紹介します。
カウンセリングマインドは、コミュニケーションにおいて、相手の立場に立って理解しようとする態度のことをいいます。この態度は、相手の考えや価値観を尊重し、受け止めようとする意識から成り立っています。
カウンセリングマインドという言葉自体は和製英語であり、明確な概念を持つ専門・学術用語ではありません。プロのカウンセラーだけでなく、教育や保育、福祉など対人援助に携わる人の中でよく用いられます。
カウンセリングマインドを身につけると、相手の決定権を尊重できるようになります。
例えば、「こうしなさい」などの指示ではなく、「どうすれば良いと思うか」「あなたはどうしたいのか」などの本人に考えさせるような問いかけによって、自ら考えて決定することを促します。そうすることで、他人の意見や環境に流されない「自主性」を育くむことができるでしょう。
カウンセリングマインドによって、相手の考えや価値観を受け止め、尊重できるようになります。そうすることで、相手は「自分のことをわかってもらえた、認めてもらえた」と感じ、承認欲求の充足につながります。結果として、「自分は大切で価値ある存在である」と自己肯定感を高められるでしょう。
自己肯定感が高まることによって、成功も失敗も前向きに受け止められるようになり、何事にも積極的に挑戦できるようになります。
文部科学省は、子どもたちの「生きる力」を育てるための教育相談体制を紹介しており、その中で、一般教員もまたカウンセリングマインドを持ち、生徒をサポートすることの重要性を説いています。
また、保育の現場においても、多様なニーズに対応するために幼稚園教員が採用後に身に付けていくべき知識や技術として、カウンセリングマインドが挙げられています。
カウンセリングマインドを身につけることで生み出せる「自主性」「自己肯定感」は、特に成長段階にある子どもの発育にとって重要です。そのため、カウンセリングマインドを学ぶことは、特に保育や生徒指導の場面で、子どもの成長と関わる保育者・教師が身につけておきたいスキルであるといえます。
年齢の低い子どもと関わる保育者にとって大切なことは、子どもの言動や行動など外に表れる部分だけでなく、内側に秘められた思いや内的プロセスにも目を向けることです。重要なポイントの3点を具体的な事例とともにご紹介します。
「心のつながりを大切にする」
「相手の立場に立って一緒に考える」
「ありのままの姿を受け入れ、見守る」
このようなカウンセリングマインドを持つことで、自分の思いをうまく言葉で表現できない子どもに寄り添い、子どもが何かに興味を持ったり、覚えたりすることを「待つこと」ができるようになります。
教育現場における生徒指導は、教師が一人ひとりの生徒の人格や個性を尊重し、社会性や行動力を身につけられるよう指導・援助することです。したがって、カウンセリングマインドを持って生徒指導をすることも、生徒を「甘やかす」ことではありません。
生徒が反社会的・反倫理的な言動や行動をとったときには、教師はただ注意するのではなく、そのような状況に追い込まれた生徒の心情や状況を理解しようとした上で、指導していくことが求められます。そのことは以下の事例が参考になります。
カウンセリングマインドの基本姿勢は、米国の臨床心理学者カール・ロジャーズが提唱した、傾聴の3条件です。傾聴の3条件は、「自己一致」「共感的理解」「無条件の受容」から成り立っています。
自分自身を否定したり、偽ったりせずにありのままの自分を受け止め、認めることです。相手を受け止め、認めるには、自分自身に対してもそのような態度をとる必要があります。
相手の立場に立って、考えたり、感じたりすることです。自分の主観的な見方や先入観を排除して相手に関心を持つことを意味し、感情移入する同情とは異なります。
相手を一人の対等な人間として尊重し、どのような考えや価値観を持っていても受容することです。
プロのカウンセラーのカウンセリングを受けてみることもカウンセリングマインドを身につける方法のひとつです。
カウンセリングマインドを身につけているプロのカウンセラーと対話することで、その態度やコミュニケーションを学ぶことができます。また、カウンセリングマインドの意味や効果も実感できます。たとえばcotreeなら、オンラインカウンセリングで気軽に相談することができます。仕事や職場の人間関係、日常の些細なことを相談して、カウンセリングマインドを実感してみてはいかがでしょうか。
今回は、「カウンセリングマインド」について紹介しました。カウンセリングマインドは、特に、相手に寄り添いながら成長をサポートする保育者や教師には欠かせないものです。ぜひ今回の記事を参考にしてみてください。
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