自分に合ったカウンセリングを受けよう!カウンセリングの種類と特徴
更新日 2021年10月25日 |カテゴリ: カウンセリング

心に不安や引っ掛かりはあるけれど、具体的な解決策が分からずに悩みを抱えている人は多いものです。また、悩みの内容によっては、親しい人にこそ打ち明けたくないこともあるのではないでしょうか。そんなとき、カウンセリングが大きな助けになる場合があります。
今回は、カウンセリングの種類と特徴について紹介します。
カウンセリングとは?セラピーやコーチングと何が違うの?

カウンセリングサービスで相談できること
”counseling”は「相談・助言」という意味です。深刻な身体面の問題はないけれど、心に抱える心配・悩み・不安などを抱えた人たちが受けるサービスです。そのため、カウンセリング利用者のことは、患者ではなくクライアントと呼びます。
一方で精神科医などの医療従事者が行うのは、治療です。身体の不調に合わせて投薬などもします。カウンセラーはそういった医療行為は行えません。医師の診察などが必要な場合には、カウンセラーが適切な専門機関などを紹介することもあります。
では、カウンセラーは具体的に何をしてくれるのでしょうか。それは、心の悩みや不安を聴き、クライアントと一緒に考えていくことです。専門知識を活用しながら、クライアントが一人で持つには重すぎる心の負担を軽くし、今後同じような問題が起こった時にも対処できるようになれる援助を行っていきます。
相談できる悩みの種類は、人間関係のトラブルや仕事の悩み、将来に対する不安などさまざまで、気になっていることは何でも相談できます。
カウンセリングとセラピー
セラピーとは、薬や手術を用いない治療や療法です。ただ医者ではないため、医療行為は行えません。セラピストは施術することで、クライアントに癒しを提供します。一口にセラピーと言っても色々な種類があり、非常に幅広いです。
カウンセリングとセラピーは同じ意味として用いられることもありますが、厳密には違いがあります。カウンセリングは、クライアントに自ら気づきを得てもらいながら問題解決の方法を一緒に見つけていくのに対し、セラピーはセラピストがクライアントに直接働きかけて問題解決を促します。カウンセラーはクライアントの問題解決にあたり、カウンセリングとセラピーの両方を必要に応じて用いることが多いと言えるでしょう。
カウンセリングとコーチング
クライアントと一緒に考えていく、という意味でカウンセリングとコーチングには共通する部分があります。またクライアント自身から、答えを引き出していくアプローチも似ています。
しかし、カウンセリングが今抱えている心の問題や不安・悩みについて一緒に考えていくのに対し、これから到達したい「目標・ゴール」を達成するための援助をしていくのがコーチングです。
カウンセリングの種類って?それぞれの特徴は?

カウンセリングには対面で行うものとオンラインで行うものがあります。それぞれの特徴や、メリットとデメリットをまとめました。
対面カウンセリング(個別・グループ)
クライアントとカウンセラーが直接会ってカウンセリングを進めていきます。
個別カウンセリングは、一対一で行っていくカウンセリングです。グループカウンセリングは、同じ悩みや不安、問題を抱えている人達が集団でカウンセリングをします。
- メリット
- ・非言語情報(表情・ジャスチャー)があるため言語外の情報を汲み取りやすい。
- ・急な状態の変化にすぐにカウンセラーが対応できる。
- デメリット
- ・病院やカウンセリングルームなどに出向かなければならない。
- ・スケジュール調整がオンラインに比べて大変なことがある。
ビデオカウンセリング
ZoomやSkypeといった会議システムなどを使って、ネット上でカウンセリングが行えます。
- メリット
- ・対面と違い、クライアントが自宅で気軽にカウンセリングが受けられる。
- ・移動の手間などがなく、対面よりもスケジュール調整がしやすい。
- デメリット
- ・別途、通信費用がかかることがある。
- ・IT機器やネット通信のトラブルで、スムーズに話せないことがある。
電話カウンセリング
電話を用いての通話や、その他のツールを用いてのカウンセリングです。
- メリット
- ・匿名で行いやすい。
- ・好きな場所でカウンセリングができる。
- ・対面と違い、スケジュール調整がしやすい。
- デメリット
- ・声のみでカウンセリングを行うため、非言語情報が伝わらない。
- ・カウンセラーの顔が見えない不安がある。
- ・別途、通信費用がかかることがある。
- ・通信状態により、音声が聞き取りにくいなどのストレスがかかることがある。
メールやチャット、SNSによるカウンセリング
メールやアプリ、SNSなどのチャット機能を用いたカウンセリングです。
- メリット
- ・匿名で行いやすい。
- ・カウンセリングの内容がすべて文字で残される。
- ・対面でのコミュニケーションが苦手でも相談しやすい。
- ・自分のペースで考えて悩みや不安を言葉にできる。
- デメリット
- ・文字情報のみで自分の状況を伝えるのが難しいことがある。
- ・返信までに時間がかかるため、緊急性がある相談には向かない。
まとめ

悩みは誰しもが持っており、一人で悩み続けるのはとても苦しいものです。辛いときに誰かに頼ることは、決して悪いことではありません。
心の不調は、最悪の場合、体の健康に害をなし、社会生活へ大きな影響を及ぼすこともあるります。厚生労働省が2019年に公表した「労働安全衛生調査(実態調査)」の結果によると、メンタルヘルス不調により連続1か月以上休業した労働者がいた事業所の割合は 6.7%、退職者がいた割合は 5.8%です。そしてこの数値には、派遣労働者は含まれていません。(参照:平成30年「労働安全衛生調査(実態調査)」の概況 )できることなら、大事になる前に未然に防ぐ手段を知っておきたいものです。
カウンセリングは、そのためのひとつの手段です。常に誰かに相談できる環境を自ら整えておけば、自身の心と体の健康が守れる可能性があります。また、場合によっては、カウンセラーが適切な医療機関や専門機関の紹介もしてくれます。
対面・オンラインのメリットとデメリットや、自身の性格をそれぞれ考慮した上で、まずは一度気軽に相談してみてはいかがでしょうか。現状のもどかしさを解決する大きな一歩になるかもしれません。
※現在、心療内科や精神科などで診療中の方は必ず主治医にご相談の上、ご検討ください。
参考サイト:厚生労働省 e-ヘルスネット カウンセリング / 心理療法 | e-ヘルスネット(厚生労働省)
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