更新日 2023年05月18日 | カテゴリ: カウンセリング
人の顔色や気持ちを気にしすぎて疲れてしまうことはありませんか?もっと自分の気持ちを大切にしたいのに、まわりの人の感情ばかり優先してしまう、些細な言動に傷つき自分を責めて落ち込んでしまう……。
もしかすると、それは生まれもった性質「HSP」かもしれません。
HSPとは、生まれつき非常に感受性が強く、敏感な気質を持った人という意味で、英語で「Highly Sensitive Person(ハイリー・センシティブ・パーソン)」と呼び、その頭文字をとって「HSP(エイチ・エス・ピー)」と呼ばれています。HSPは、先天的な気質のため生まれつきの性格のようなものです。HSPの傾向があるとされる人口は多く、5人に1人があてはまります。
HSPの人は扁桃体の機能が過剰に働きがちなため、さまざまな刺激に強く反応し不安や恐怖を感じやすくなっています。感受性が強く、音や匂いに敏感です。また、人の感情に影響されやすいことで、怒っている人や悲しんでいる人が周りにいると、影響を受けてしまい苦しむことも少なくありません。
人の感情に敏感なため、細やかな気遣いができ、常に相手の気持ちを察知して行動しますが、一方で気を遣いすぎて無理をしたり落ち込んで、ストレスが溜まりやすくなる傾向があります。
HSPの人は、なかなか周囲の理解を得ることが難しく、一人で抱え込んだり悩みを人に打ち明けられない場合が多いようです。
さまざまなことに気がつくHSPの人は、人の顔色が気になったり気を遣いすぎたりして、気疲れしてしまいます。
また、周りに人が大勢いると、話し声などの騒音が刺激となってしまうこともあります。一人になりリラックスする時間を取るなどし、自分のペースを取り戻していきましょう。
音や匂い、味覚、触覚など外部からのさまざまな刺激に敏感です。タオルの触り心地を不快に感じたり、嫌な匂いに人一番苦痛を感じてしまいます。
苦手と感じるものからは、物理的な距離をとり刺激を避けることで、リラックス状態が保てるはずです。
疲れを感じやすくマルチタスクが苦手なHSPの人は、毎日予定が入っていたり、外出が続いたりすると、誰とも会わず自分の部屋に引きこもりたくなることがあります。
体調を崩して寝込んでしまう場合もあるので、無理をしないのが大切です。なるべく予定を詰め込みすぎず、スケジュールに余裕を持たせられると、疲れやすさを軽減できるでしょう。
HSPには4つのタイプがあります。繊細なイメージがあるHSPですが、タイプによっては行動的で刺激を求めるHSPの人も存在します。
内向型HSP『HSP』は、一般的にイメージされる典型的なHSPのタイプと言えます。特徴としては、社交的ではないことやネガティブ思考が強いこと、打たれ弱いことが挙げられます。刺激に弱く、深く考えるための一人の時間が必要です。
外向型HSP『HSE』は、外向的で人との関わりが好きなタイプです。しかし、人から拒絶されることは苦手で、自分から刺激を求めにいくタイプではありません。
刺激追求型HSP『HSS型HSP』は、刺激を求めるタイプです。特徴としては、好奇心旺盛で、頭で考えるより先に行動に移すことがあるなどが挙げられます。ただし、外交的ではありません。衝動的に刺激を求めますが、その代償として疲れやすく燃え尽きてしまうことがあります。
刺激追求型・外向型HSP『HSS型HSE』は、外交的で刺激を求めるタイプです。特徴としては、リーダーシップが取れることや、明るく人から好かれやすいことなどが挙げられます。
外交的で社交的ですがHSP気質はあるため、深く考え込んでしまったり、刺激を受けた分疲れやすさを感じます。
HSPの方が間違われやすい精神疾患として、よく挙げられるのは「うつ病」と「不安神経症(不安障害)」です。HSPは気質ですが、症状が似ていることから混同されがちです。
うつ病は、主に環境の変化などによる、精神的・身体的ストレスから発症する病気です。気分の落ち込みや、疲れやすさの症状が現れます。HSPとの違いは、うつ病は後天的なものであることです。うつ病は発症後、性格や思考がネガティブになるなどの変化が見られますが、HSPではそのような変化は見られません。
不安神経症は、強いストレスや疲れなどから発症する病気です。強い不安と恐怖を感じ続けることで、日常生活に支障をきたしてしまいます。
不安からささいなことにも敏感に反応してしまい、刺激に敏感なHSPと混同されがちです。不安神経症は後天的なもので、治療が可能です。HSPや不安神経症を疑った場合は、一度病院を受診してみるといいかもしれません。
HSPは病気ではないので、治療をするということはありません。ですが、状態によってはうつ病などを発症させてしまう場合もあります。毎日を健やかに暮らすため、精神疾患の予防として、カウンセリングが大きな役割を果たせる場合があります。
HSPの人は、責任感が強くまじめな人が多いため、中途半端な仕事ができません。また、人間関係に波が立つのを恐れ、頼まれた仕事を断るのも苦手で、損な役割を負わされるなど仕事で悩む場面もあります。
しかし、HSPの人は適職を見つけると、能力を発揮できる傾向にあります。自分のことや適性が見えてくれば、いきいきと働けるでしょう。
HSPの人にとって、対人関係は特に悩みの種かと思います。心優しいHSPの人は、自分の主張を通したり断ったりすることが苦手です。また、周囲に機嫌の悪い人がいると影響を受けて、苦しくなってしまいます。
カウンセリングでは、HSPの人が無理をせず円滑な対人関係を築くための糸口を、カウンセラーと一緒に考えていきます。
HSPの人が感じる生きづらさは、病気ではなく気質であることから、その特性とどう付き合って生きていくかが課題です。
カウンセリングで、「自己肯定感」を高めることで、自分自身を見つめなおし、より生きやすい人生を安心して歩めるよう一緒に考えていきます。一人きりで悩むより、カウンセラーに相談してみることで、心が軽くなるかもしれません。
参考サイト: うつ病|こころの病気を知る|メンタルヘルス|厚生労働省
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