更新日 2024年05月13日 | カテゴリ: カウンセリング
カウンセラーとは、さまざまな悩みを抱える人の話を聞き、悩みに寄り添い、相談者自身が問題解決をしていけるようサポートする職業です。
ストレス社会の現代において、悩みを抱えた人は多くいます。会社や学校、家庭などでのストレスが積み重なると、精神に不調をきたしてしまうことがあるのです。
傾聴や対話などを通して悩みを解決していくカウンセリングをはじめ、精神分析や行動療法といった心理療法などを行います。カウンセラーは、悩みに応じたカウンセリングの技法や心理学の知識を用いて、悩みを抱える人の心を健全に保つ専門家です。
専門知識があることで、自身のストレスをマネジメントする能力も身につきます。相談者の話に影響されすぎず、ほどよい距離感を保って関わるためにも、専門知識は必須です。
多くの人が不安やストレスを抱える現代社会において、カウンセラーの需要はさらに高まっていくでしょう。
カウンセラーとして活動するためには、専門知識とカウンセリング技術が必要です。カウンセラーの仕事には資格は必須ではありませんが、助言・指導をするためには専門知識は欠かせません。
相談者の悩みは多岐にわたります。そのさまざまな悩みに向き合い、適切なアドバイスができるように、知識のアップデートは常に行う必要があります。
就職するには資格取得が有効です。資格取得の過程でカウンセリングに必要な専門知識を身につけられますし、資格は専門知識を有していることの証明にもなるので活動の幅が広がります。相談者が安心してカウンセリングが受けられる上に、社会的な信頼獲得にもつながるでしょう。
資格を取得するには、大学や大学院への進学や通信講座で自宅で勉強するといった方法があります。取得すべき資格は後述いたします。
専門知識を習得したあとは、現場での実践経験を積むことが重要になります。先輩カウンセラーのカウンセリング技法を学んだり、自分が行ったカウンセリングへのフィードバックを受けたりしながら、実践スキルを磨いていきます。
日々役立つ情報を収集したり、公演会や勉強会に参加したりしながら、知識のアップデートをはかるのも大切です。
カウンセラーには、相談者の心に寄り添いじっくりと話を聞く「傾聴力」が非常に大切です。
また、相談者が、悩みを打ち明けられるまで待つ「根気強さ」も必要になります。さらに、相談者を否定することなく、ありのままを受け入れ共感する「包容力」も大切でしょう。
悩みは人によってさまざまです。そのため、幅広い視野を持ち、相談者からどのような悩みを打ち明けられたとしても理解できるよう、相談者を一人の人として尊重し、寛大で優しい心で接することが必要です。
カウンセラーには、相談者の悩みを聞いて、問題を的確に汲み取る「洞察力」が必要になります。また、相談者の問題を客観的にとらえるための、冷静な「判断力」も重要です。
相談者はカウンセリング時、必ずしも冷静な状態とは限りません。感情の起伏が激しかったり、動揺していたりする場合もあります。相談者がどのような状態であっても、カウンセラーは、冷静に相談者の問題を整理し、適切な判断をしなければなりません。
カウンセラーの仕事は、心理学の専門知識と技能を活かして、悩みを抱える人に寄り添います。そして、相談者が悩みを解決したり、精神的不調から回復するのを手助けするための、助言・指導を行います。
カウンセリングの内容は、心理テストや話を聞くことが中心です。依頼を受ければ、ストレスケアなどの研修の講師をする場合もあります。
一般企業では、悩みをもつ従業員のカウンセリングを実施します。企業内には、キャリアや対人関係などさまざまな悩みを持つ人が多く、それぞれの悩みに応じた助言・指導を行います。カウンセラーの中には、企業カウンセリングに特化して、産業カウンセラーになる人もいます。
カウンセラーの活躍の場は多岐にわたります。主に「医療機関」、「企業」、「教育現場」、「福祉」、「司法」、「独立・開業」などがあり、職場によって相談内容は異なります。
例えば、学校で働く「スクールカウンセラー」であれば、相談対象は、いじめや不登校で悩んでいる生徒や、職場ストレスに悩んでいる教員です。
こうした相手の心の負担を減らすことに加えて、どのような行動を取るべきかアドバイスをしたり、教員や医師、行政の担当者など関係者と情報を共有し、相談者の問題解決に努めます。このようにカウンセラーは就職した場所に応じて、さまざまな役割を担っているのです。
カウンセラーの働き方として、相談者のカウンセリングの時間帯に合わせて、複数の職場をかけ持ちすることが非常に多いです。またカウンセラーの仕事は、カウンセリングだけが仕事ではありません。カウンセリングに付随する事務作業をこなすために、残業が発生することもあります。
病院や福祉施設などは採用の間口が狭いため、常勤で働くカウンセラーは多くありません。
学校や民間企業に勤めるカウンセラーは、週に数日勤務の契約制であることも多く、一つの職場で週に2~3日、1日に4~5時間程度の勤務になります。生計を立てるために数か所の職場をかけ持ちする場合もめずらしくなく、時間的に不規則になってしまいます。
独立したカウンセラーであれば、カウセリングルームの受付時間や勤務スケジュールは自分で決定できるので、比較的規則的な働き方ができるでしょう。ですが、集客も自分で行う必要があるため、カウンセリング以外の業務時間はどうしても必要になります。
カウンセリングは時間が決まっていますが、事務作業が多い日は残業が発生してしまうこともあります。
病院に勤務するカウンセラーの場合、病院にやってきた相談者に対して心理テストやカウンセリングを行います。それに伴い、カウンセリング前にはその準備、カウンセリング後には、カルテの記入や資料作成などの事務作業をこなす必要があるのです。
カウンセラーの仕事で残業が発生するかどうかは、働き方や勤務先によっても変わってきます。自身の担当業務や、その職場の人員体制などによって忙しさが違います。
カウンセリング予約を詰め込みすぎないなど、適度に息抜きをすることも、カウンセラー自身の体調管理やメンタルケアをするためには大切になってくるでしょう。
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会による認定資格です。臨床心理学をもとに、さまざまな知識や手法を使って相談者の心の問題をケアする民間資格です。
臨床心理士は、臨床心理学にもとづく知識や技術を用いて、さまざまな悩みを抱える人のサポートをする仕事です。
臨床心理士は、公益財団法人日本臨床心理士資格認定協会が実施する試験に合格し、認定を受けることで取得できる“心理専門職の証”となる資格です。多種多様な価値観を尊重しつつ、相談者の自己実現をサポートする専門家として働きます。
臨床心理士資格を取得するには、日本臨床心理士資格認定協会の資格試験に合格することが必須要件となります。受験資格を得るには、指定大学院(1種・2種)を修了し、所定の条件を充足していることが必要です。そのほか、臨床心理士養成に関する専門職大学院を修了して受験資格を得る方法などもあります。
試験は一次試験(筆記)と二次試験(面接)があります。筆記試験は、「多肢選択方式試験」と「論文記述試験」の2種類を1日で受験します。面接試験は、一次試験での「多肢選択方式試験」の成績が一定の水準に達している人に対してのみ実施され、2名の面接委員による「口述面接試験」を個別に受験します。
試験合格後は「日本臨床心理士名簿一覧」に登録する必要があります。その後、臨床心理士は、専門資質の維持向上に努めるため、5年毎に資格の再認定を受けるという「生涯学習」が求められています。
公認心理師は、心理学における唯一の国家資格です。心理的サポートが必要な人や、その関係者を対象に専門的技術と知識をもって相談や助言を行います。
公認心理師は、心理職における唯一の国家資格です。臨床心理士と似ている部分が多いですが、心の健康に関する教育や情報提供も実施するのが公認心理師の特徴です。
この国家資格制度により、一定の資質を持った心理の専門職者が多く誕生することを望まれています。
公認心理師は、認定心理士や臨床心理士とは違い、教育の方法、修得すべき科目、時間数などが、法律で厳密に定められています。また、その専門性の維持のために、知識や技能の修得だけではなく、スーパービジョンなど自分自身を客観的に見つめる作業が必要とされるなど、知識のアップデートを一生涯に渡って求められる資格です。
公認心理師法に基づいて資格制度が定められています。受験資格を得るには、公認心理師カリキュラムを組む4年制大学と大学院を卒業することが必須です。そのほか、4年制大学を卒業し、大学院に進まず認定事業所で実務経験を積んで受験資格を得る方法などもあります。
国家試験は、午前と午後で2時間ずつの計4時間で実施されます。幅広い内容を150問~200問のマークシート方式で出題されます。合格後は、一般財団法人日本心理研修センターに登録申請を行うという流れです。
一般社団法人公認心理師の会では、厚生労働省と文部科学省の後援のもとで研修会を実施されています。登録後の資格更新手続きは設けられていないため、自発的に専門知識を高めていく取り組みが求められています。
産業カウンセラーは、一般社団法人日本産業カウンセラー協会の認定する民間資格です。主に企業など、働く人のカウンセリングを行うカウンセラーのことをいいます。
産業カウンセラーは、主に企業を職場とし、働く人たちが抱える悩みをカウンセリングして、問題解決できるようにサポートするのが仕事です。時代とともに変わりゆく職場環境で、メンタル・ヘルスケアや、社内のキャリア開発支援者として活躍しています。
雇用の不安定化や成果主義の導入などにより、職場環境に悩む労働者は年々増加しています。そのため、企業として従業員のメンタル・ヘルスケアに対して、非常に注力しています。
そういったニーズに応じて、産業カウンセラーは労働環境に関する相談から、キャリア開発に関する相談まで、仕事に関する幅広い相談を聞き助言・指導を行います。
産業カウンセラーを取得するには、日本産業カウンセラー協会の資格試験に合格することが必須要件となります。受験資格を得るには、産業カウンセラー養成講座を修了することが必要です。そのほか、大学院などの指定の専攻を修了し指定科目を取得して受験資格を得る方法などもあります。
試験は、2週にわたり学科試験と実技試験があります。学科試験は、マークシート方式です。実技試験は、受験者同士でのロールプレイングや試験官との口述試験が行われます。
試験合格後は、産業カウンセラーの呼称を使用して活動するために、日本産業カウンセラー協会への資格登録する必要があります。会員の登録期間は入会年から起算して5年間とされています。資格登録を更新するには、登録期間中に1日6時間の「資格登録更新研修」の受講が必要です。
かつてカウンセリングを受けることは、少し勇気が必要なことでした。ですが、近年は以前よりも、ずっとフランクにカウンセリングを利用する人が増えています。
ストレス社会の中で、精神的ストレスや心の病を抱える人は増加しています。企業でも従業員のための相談室を設けたり、カウンセラーの導入を進めたりしているところもあります。また、個人でも、自身のメンタルケアの一環でカウンセリングを受ける人が多くいます。
毎日健全なメンタルで生きていくため、精神疾患の予防として、カウンセラーの持つ役割は大きなものです。今後さらに、カウンセリングに対する注目は増していき、カウンセラーの需要は高まっていくでしょう。
参考サイト:カウンセリングについて|困ったときの相談先|こころもメンテしよう ~若者を支えるメンタルヘルスサイト~|厚生労働省
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