【職場ストレスを解消!】自分の「要望」を通しやすくするテクニックとは?

日本人には元々、集団の「和」を重んじる精神的な傾向があります。そのため「個」が持つ主張を自らの中に抑えこみ、職場でのストレスを必要以上に溜めてしまう人があとを絶ちません。

また、「自己主張」をするテクニックの習慣付けがなされてこなかった日本人は、社会人になってから急に「依頼」をする要件が増加し、相手の状況を読まずに頼み事をしてしまう傾向も。

更に、この「要望」を否定されることで人間関係にトラブルを起こしてしまう確率が高いと言われています。

上司や同僚と荒波を立てることなく、自分の要望を通すための心理的な「交渉のコツ」を抑えておきましょう。

1. 要望を細かく分けてステップアップさせる

人間はひとつの要望に「肯定」をすることで、相手に対して心を開き、次の要望を受け入れやすくなります。この最初のステップが小さく簡単なものであるほど、相手は「それなら聞き入れてもよいだろう」と判断を下すのです。

例えば「スケジュールを変更したい」という要望を通したい場合、いきなり上司の元へ赴いて、スケジュールの要望を話し始めるというのはうまい手ではありません。

「場を変えて貰えますか?」「一緒に休憩を取って貰えますか?」等、どんなことでも良いので、第一ステップとして相手が頷きやすい要望を出します。そしてこの要望が通った時に、きちんと感謝を述べましょう。

このような二段階、三段階に分けて要望をステップアップさせていくことは、欧米では「Foot in the door Technic(足をドアの中に踏み入れる技術)」と言われています。

まずは相手の心のドアに足を踏み入れる「最初の一歩」を成功させることで、次の要請が受け入れられやすくなるというわけです。

心理学の実験では、最終要望をいきなり出された人が要望を飲む確率は40%を切っていました。しかし、一度小さな要望を聞いてから最終的な要望を受け入れる人の数は、75%以上に上がることがわかっています。

2. 「本命」を通すために「断られても良い要望」を出す

人間の心理では、要望を断った時に少々「悪いな」「要望に応えられず、申し訳ないな」という気持ちを相手に対して持ちます。

この心理をある意味大きく使った技術が「まずは無理な要望を伝える」というものです。

例えばあなたが知人や同僚から「今度の週末の2日間、早朝から深夜までアルバイトをして欲しい」と突然言われたら、驚いて断ることでしょう。しかしこれを断り、相手にサッと引き下がられて謝られ、「ではせめて、そのバイトに関わるアンケートに応えて貰えないだろうか?」と頼まれたらどうでしょうか。この場合、「アンケートに応えて貰う」というのが相手の「本命の要望」になっているわけです。

このような「絶対に断られる大きな要望を出し、その後に本当の要望を出す」という二段階の要望の出し方は欧米では「Door in the face Technic」と呼ばれています。いきなりドアの中に顔を突っ込んで、相手を驚かせる方法と言ったところでしょうか。

ただしこの交渉術を使う場合、何度も要望を引き下げていくのはあまり良い効果を生みません。

相手が「足元を見られている」「値踏みをされている」と感じる恐れがあります。

3. 相手が要望を受け入れやすい「機会」を狙う

人間というのは、相手が何か自分の指示・命令を聞き入れてくれた時に「ありがたい」という感謝と「申し訳ない」という引け目の両方の感情を持ちます。これが大きな要望であればあるほど、「引け目」を感じやすいと言えるでしょう。

もちろん人に対して命令・指示を下すのを「当然」と考える人も居るには居ますが、人間というのは基本的には「人から好かれたい」「優しいと思われたい」という考えを持ち合わせているものです。

ですから、相手が大きな要望を出してきた時ほど、こちらの要望を通す最大の機会であると言えます。

例えば「休日出勤をして欲しい」等の依頼を上司から出された時こそが、あなたが普段抱えている要望を出す時です。

なお、人によって多少の違いはあるものの、最初に依頼を出した相手がこの「優しさ」を表現したがる期間は非常に短く終わります。

相手の要望を受け入れるか受け入れないか…といううちに、こちらの要望を出す、というくらいの素早さが重要と言えるでしょう。

おわりに

上記のような人間の心理面を突いた「要望を通す技」とも言えるコツは、はじめのうちにはなかなかうまくいかないかもしれません。前述のとおり日本人は「自分の要望を出すこと=和を乱すことになる」という認識が根深い上に、相手に対して「正直に振る舞う」ことを美徳としがちだからです。

しかし、あなた自身の心や体の健康を守るためにも、そして周囲との関係性をうまく築くためにも、「依頼」を上手に出し、それを受け入れてもらえる技術は非常に重要であると言えるでしょう。

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