更新日 2024年09月03日 | カテゴリ: 人間関係を良くしたい
へりくだり、控えめにしている「謙遜(けんそん)」は、長年日本文化では美徳とされてきました。
しかし最近では「謙遜しすぎ」=「不幸自慢・自虐自慢」という問題が取り上げられるようになっています。
「私ってバカだから」「かわいくないんです」等々、つい自分を「下げよう」としていませんか?
ここではそれらの発言が対人関係にあたえる悪影響と、その対策について紹介していきます。
「私ってダメなんですよね」と言ってみたと想像してみましょう。
もしも「そうですね、本当にあなたはダメですよね。」と肯定されたら、あなたはどう思うでしょうか?
「まったくそのとおりだ」と受け入れられる人はほとんど居ないはずです。
つまり、謙遜的な発言をした時点で相手に対して望んでいるのは「自分が発したネガティブ表現の否定」(そんなことはないよ、という肯定発言)ということになります。
「あなたはダメではない」=「優れている」という「賞賛」が欲しいという心理が、ねじれた形で現れているのです。
「私を褒めて」「私を認めて」と言っているのと変わらないことになります。
強い謙遜、自虐的な発言が繰り返されると、それを受け止める相手は無意識のうちにこのような「賞賛(他者承認)」を求める心を感じ取るもの。
「強い自慢をする人は敬遠される」というのは周知の事実ではありますが、実は「強い謙遜をする人」も、これと同じように人から距離を取られてしまうことが多いのです。
人間は他者に対して、その全てをくまなくチェックしているわけではありません。
ですから、人の長所や短所について、気づいていない点も多々あります。
ところがネガティブなポイントをアピールされると、人間はその「言葉」によって、相手のそのポイントに注視するようになります。
「人物の絵」を観た時を思い出してみてください。
「モナリザ」と言われれば全体的な印象を思い浮かべることはできても、細かい部分まで思い出すことは難しいですよね。
でも「モナリザは眉毛が見えない」と説明を受けると、その点が強く心に残ります。
次に「モナリザ」を思い出す時、私達は「眉毛が薄い顔」を思い浮かべるのです。
欠点のアピールもこれと同じ。
相手はあなたの言ったポイントを注視するようになり、その点を強く記憶にとどめるようになります。
特にネガティブ表現の印象は強く心に刻まれるもの。
自分の言った「謙遜」や「卑下」が、本当に「欠点」として認識されてしまうのです。
強い謙遜や自虐をする人の中には、芸能人などが行っている「自虐的な発言」を無意識に模倣していることもあります。 例えば「おバカタレント」や「結婚ができないタレント」というのも、自虐的なものですね。
タレントや政治家などが弱点をアピールするのは『アンダードッグ効果(負け犬効果)』を狙っているからとも言えます。
これは、劣勢な方や弱いものに対して同情心や共感、興味を持つという人間の心理。
「試合で負けている方を応援したくなる」というのも、負け犬効果のひとつです。
タレント・女優・政治家などの場合には、この心理作戦はなかなかに功を奏します。
庶民は彼らのことを「自分よりも上位に居る人だ」と普段は感じていますから、負け犬アピールをされることで「自分と同じレベルだ」と共感を持ったり、注目し、応援をしようとするのです。
ところが、通常の人間関係においては、この『アンダードッグ効果』はあまり良い結果を残しません。
謙遜や自虐発言を行う人に対し、相手は「自分よりも格が下だ」と感じ、優越感を持って対応するようになります。
「対等な人間関係」を築くことが難しくなってしまうのですね。
「もしかして、不幸自慢や自虐自慢をしてるかも…」と思ったら、まずは自分の内面に目を向けてみましょう。
自虐自慢や強い卑下をする人の多くは、自分で自分を認められない、自分に価値(VALUE)がないと感じてしまっているケースが多いようです。
自分自身の価値を自分で褒め、認めることができれば、他者からの賞賛や注目を得ようと躍起になることはありません。
自分を認める・自分を褒めるためには、「自ら行動する」ことが大切です。
例えば容貌・学力などの能力について「できない・ダメだ」という発言が多い場合には、その点をクリアできる行動を始めてみましょう。
「気になっている欠点を解決するのは難しい」という場合には、それをカバーできる長所を作れば良いのです。
「ここには自信がある」「努力をしている」と自分で認められるようになると、人は周囲に対してそれらのアピールをしなくなります。
強い謙遜(卑下)や不幸自慢・自虐自慢は、自分自身で気付くことが難しい発言でもあります。
しかし、話している相手から「そんなことはないよ」というような発言が出たら、それは直前に自分が「謙遜をしすぎた」可能性大。
どんなポイントで謙遜をしようとしているか、不幸自慢発言をしているかを自覚することが、これらの発言をストップさせる最初の一歩となるでしょう。
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