こんなに頑張ってるのに、周囲は評価してくれない--不満を抱えた時に振り返りたい3つのポイント

更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: もやもやする

「とても頑張ってるのに、誰も褒めてくれないんです」
「要領が良い人だけが昇進していくのはズルい!」

--このような「頑張りが認められない」不満を抱えているのは、とてもつらいですよね。
とは言え、「認めて!」と大きな声で言ったり、貯めた不満を怒りに変えて周囲にぶつけたところで、周囲が急に変わるわけではありません。

まずは不満を解消する最初の一歩として「自分の気持ち」を振り返るところから始めてみましょう。

1. 人間の90%は自分の行動を過大評価してる?

まずは今までの不満を「反対」にして考えてみます。
あなたの同僚や上司、パートナーが「君はちっとも私の努力を正当に評価してくれないね」と言ってきたら、あなたはどう思いますか?
「えっ、そうかなあ…そんなに頑張ってた…?」と思う人が多いのではないでしょうか。

実はこのような「周囲から正当に評価されない」という不満は、大なり小なり誰もが持っているもの。
そして自分の行為に対しては過大評価を下し、他人の行為に対しては過小評価を無意識のうちに下しています。

このような情報の受け取り方の偏りは「認知バイアス」と心理学で呼ばれるものです。
例えばテレビや雑誌、インターネット等の情報を受け取る時にも、「自分が平均よりも苦労している」という情報のみを取得し、「私は人より大変なのだ」と考えてしまうというわけですね。

周囲の人に対しても同じです。
例として「肉体労働で朝6時から昼の12時まで働くAさん」「デスクワークで朝10時から夜19時~20時まで働くBさん」を挙げてみましょう。
この時、AさんはBさんの「労働時間が長い」という情報を軽視しがちで、「デスクワークだから疲れないだろう」という情報のみを重視します。
反対にAさんはBさんの「朝が早く、肉体労働である」という情報を軽視し「短時間で終わるのだから疲労は回復できるはずだ」と考える…というわけです。

「自分が周囲より頑張っている」という評価の押し上げは、実に人間の80%~90%が感じているものとなっています。

2. 「相手のために」は「自分のため」?

相手や周囲への不満をもたらす原因のひとつが、「この行動は、周囲や相手のために行っている」という理由付けです。 しかし、本当にその行動は「周囲・相手に期待されているもの」でしょうか?

水を欲しがっている相手に水を差し出せば、これはもちろん喜ばれますよね。
ところがすでに満足している相手に更に水を与えたり、「ジュースもあります、コーヒーもあります」と言っても、あまり喜ばれません。

ではなぜ、人はそのような「不要とされるほどの苦労」をしてしまうのでしょうか。
この理由のひとつが「実は自分のためである」という点です。

例として、「プレゼントに手編みのセーターをあげたのに、相手がちっとも喜ばない」というケースで考えてみます。 一見すると「相手のために頑張った」行為に見えますね。
しかし相手がセーターを欲しがっておらず、ハンドメイドのものを喜ばないという場合、これは「自分のため」にほかなりません。
「ハンドメイドのセーターを作るような、器用な自分でいたい」「ハンドメイドを着用するような恋人関係で居たい」という「自分の理想の形」の押し付けとなっているのです。

このような「理想の押し付け」は、「有能な社員で居たい」「面倒見の良い人で居たい」「理想的な母親で居たい」など、さまざまな形で表現されます。
「周囲のために、誰かのためにやっている」という行為は実は自分の「満足」のために行われていることが多いのです。

3. 苦労と同量の「お返し」を期待している?

人に対して何かの行動を行った時、私達はほとんどの場合、その行為を「無償」とは捉えていません。
頑張れば頑張るほど、努力をした分だけの「褒賞」(ご褒美)」を相手から返してもらえると期待しているのです。
これを心理学では「報酬返報」と呼んでいます。

しかし、「1. 人間の90%は自分の行動を過大評価してる?」で紹介したとおり、人間は自分の行動を過大評価しがちです。
つまり「100%をやった」と自己評価をしている人間が、周囲から客観的評価を受けた場合に「せいぜい70%、実際には50%」というケースは多々あります。
そのため「行動に対して正当な報酬が与えられた」という場合(この場合は70%に対する報奨)でも、「報奨が足りない、不満だ」と感じてしまうわけですね。

同時に「2.「相手のために」は「自分のため」?」でご紹介したとおり、苦労した行動が相手のニーズに合っていないという可能性も考えられます。
相手が喜ばない行動は評価を受けませんから、自分では「100%やった、100%の報奨が帰ってくるはずだ」と感じていても、相手の満足度は「10%以下」という可能性もある…というわけなのです。

おわりに

自分への評価と他人からの評価・返報は、自分で思っているよりも遥かに大きな距離があることも多いもの。
「自分ひとりが苦労している!」と感じた時には、まず「自分が周囲を正当に評価できているか、過小評価していないか」というところから始めてみましょう。
相手の本音を聞いてみたら、意外と自分も相手の苦労を知らなかった…ということは多いはずですよ。

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