更新日 2024年08月25日 | カテゴリ: 専門家インタビュー
カウンセラーって何をしてくれるのでしょう!?ただお話を聞いてくれるだけ?それとも、心の悩みを診断して、(薬以外の)対処法を指示してくれる先生?
社会には様々な相談機関があります。そこには専門家が居て、専門知識に基づいて、指導・助言をしてくれるでしょう。来談者はその回答によって「悩みが晴れて」(問題解決できない場合もある!)、相談料を支払って帰ります。しかしながらカウンセラーの役割は、これらの指導・助言をしません。カウンセラーの仕事はそもそも「悩みを解決してくれる」のではありません。カウンセラーの仕事は、クライエント(相談に来た方)が「ちゃんと悩めるようにする」お手伝いをすることなのです。
「ちゃんと悩めるようにする」とは、どういうことでしょう?!私たちが生きて行く中で、様々な問題場面に遭遇します。たとえば弁護士に法律上の問題を相談する場合は、専門家の合理的な知識と指示で、比較的容易に決着が得られる場合もあります。しかしながら、私たちの人生は合理的な説明では納得できない事柄が沢山あります。たとえば、親しき方の突然の死などは、いくら医学的な説明を受けても、私たちの心には収まりません。こんな時、カウンセラーは、クライエントのモノローグ(自分だけの心の世界)の語りに耳を傾けながら、それをダイヤローグ(共に語る物語)に変換してゆこうと働きかけるのです。「ちゃんと悩む」とは、自分だけの心の世界を、(善意の)第三者と「共に語る物語」に変える作業なのです。
例えば、彼女に振られた青年が、「あんな女はサイテーだ!」と言語化するか、「彼女の気持ちを得られなかったボクが未熟だった。もっと自分を見つめ直そう」とでは、まるでその後の行動が異なるでしょう(前者はストカーになる危険性があります)。端的に言えば、ほとんどの問題行動は、モノローグの暴走なのです。そしてこのモノローグの最悪の行き先の一つが、うつ状態や自殺です。
しかしながら、自分で踏み込んだモノローグの迷路は、なかなか自分だけで離脱するのは困難なのです。その時、私たちをサポートしてくれる方法がダイヤローグ(対話)です。ダイヤローグは、リアルな相手との肯定的で相互性の対話です。ここでいう肯定的相互性とは、文字通り、相手との対話関係をまず肯定する。相手からのメッセージが、自分にどのように「訪れる」かを、味わうこと(相互性)なのです。 近年、精神科医療で注目を浴びている「オープン・ダイヤローグ」Open Dialogues Approach in Acute Psychosis は、統合失調症の初期に徹底したダイヤローグの介入を行うことで、なんと40%のクライエントが投薬無しでの改善が報告されています。
結論から述べれば、私たちがモノローグの迷路にハマッテも、ダイヤローグが機能すれば、自己回復の可能性は高いのです。現在の心理臨床の中心となっている認知行動療法も、実は問題場面の「認知と行動」をクライエントとカウンセラーとが共にダイヤローグすることで、セルフ・コントロールを回復する方法だと言えるでしょう。
しかしながら、私たちが常に適切なダイヤローグのサポートを得るのは簡単ではありません。「心の悩み」は信頼できる他者に打ち明けることが出来るだけでも、かなり改善する。これは私たちが経験的に知っていることです。でも、その「信頼できる他者」は何処にいるのでしょう?友人・知人にシェアリング(分かち合う)してもらえることで回復できるなら、大いに結構です。しかし、親しい人だからこそ、知られたくない「心の秘密」もあるでしょう。その為の専門家としてのカウンセラーが居ます。歯が痛ければ歯医者さんに行くのと同じです。でも、カウンセラーはダイヤローグを適切に提供してくれますが、問題解決を決断する主治医は、あなた自身なのです!
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