更新日 2024年08月21日 | カテゴリ: キャリア・人生・仕事の悩み
「上司に何度も要望を出してるんだけど、ちっとも通らない」「パートナーにお願いごとを言っても話を聞いてくれない」などなど、「自分の意見」に納得をしてもらえず、不満を持っている人も多いはず。
「どうして私の要望は通らないんだろうか」と悩む前に、相手との「体の向き」を考えてみませんか?
心理学では、「意見が通りにくい位置」と「意見が通りやすい位置」があることがわかっています。
ここでは様々なシーンで使える「体の向きのテクニック」について紹介していきましょう。
私たちは人と話をしようとする時、ついつい「その人の真向かい」を選んでしまいがち。
例えば食事をする時、上司と話をする時など、相手の「正面」にまっすぐに向かってはいないでしょうか?
実はこれ、一番相手から理解を得にくいポジションなんです。
アメリカの心理学者スティンザーは、30年以上もの長年の調査を続け、ついに「相手との体の向き」が同調に大きく影響をおよぼすという効果を見つけました。
この効果については発見者である彼の名前を冠し「スティンザー効果」と呼ばれています。
スティンザーによれば、最も相手の意見に反発を覚えやすい位置が「正面」なのです。
真向かいにいる人とは、どんなに頑張っても目線が合ってしまうもの。
この「目線」が合えば合うほど、議論の際に人は「競争心」や「闘争心」が心の中に生まれてしまいます。
この闘争心が相手の発言への対抗感を強くさせ、「それは違う」「それは認められない」という否定的な発言を増やしてしまうのです。
かと言って、正面に座っているのに目線を無理に外してしまえば、「なんだか自信が無さそう」と感じ取られ、余計に意見が通りにくくなってしまますよね。
ですから要望を通したいという時には、なんとか「正面」という位置を外す必要があります。
では、スティンザーは「意見が通りやすい体の向き」については、どのように言っているのでしょうか?
それはズバリ、「隣同士(同じ向きを向いている)」という状態です。
隣に居る人に対しては、そもそもほとんど目線が合うことはありませんね。
「相手の姿勢や表情などを読み取らなくては」と緊張する必要もなく、リラックスして相手の話を聞けます。
そのため相手の意見に共感を覚えたり、同調することがたやすいのです。
まったく同じ内容の意見を言っていても、正面に座っていた時には否定的だった人が、隣で離された途端に軟化する…こんなケースは珍しくありません。
スカウトマンやキャッチセールスなど、街で声をかけてくる人を思い出してみてください。
反対側からやってきて、真向かい・斜め向かいなど前方から声をかけようとする人は居ませんよね。
後ろから声をかけ、隣を歩きながら話しかけてくることが多いはずです。
これも「相手に警戒させず、共感してもらいやすい」という心理効果を先人のセールスの人たちが発見したからなのでしょう。
会社の会議などでは、「反対意見を出しそうな人」の隣に敢えて座るというのが常套テクニックのひとつ。
相手がテーブルの短辺側に座るようであれば、この時も向かいの席は避け、せめて90度の位置に座るようにしてみましょう。
部長や課長など上役に要望を出しに行く時などは、「失礼します」と上役が座るデスク側にまわり、「お仕事をしながらで結構ですので」と言いながら、パソコンや書類に向かう上司と同じ方向を向いて話をするというのもひとつの手。
また会議の前などにあらかじめ「根回し」をしておいて、「対面席」には自分に友好的な同僚に座ってもらうというのも良いでしょう。
接待や打ち上げなどでテーブルの同じ向きに座ったり、カウンターしか無い店を選ぶというのもおすすめですよ。
「座る位置」のテクニックは、家庭でも使うことができます。
難しい話になりそうな時、自分の意見を言いたいときには、パートナーの正面に座ることになりがちなダイニングテーブルなどは避け、ソファ等に二人で腰掛けてみましょう。
また接待などと同様、カフェやレストランなどカウンター席のある店に誘って、そこでお願いごとをするというのも良い手だと言えるでしょう。
日本では昔から誠実さが正直さを表す言葉として「正面切って」なんて表現があったりしますね。
しかしコミュニケーションを心理学的に見ていくと、この「正面切って」という方法はあまり有効とは言いがたいことが多いのです。
「正面を避ける」というテクニックを覚えれば、あなたの意見が通る率は大きく変わってくるはずですよ。
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