更新日 2024年08月23日 | カテゴリ: キャリア・人生・仕事の悩み
ここ最近ビジネスシーンでよく聞くようになっているのが「新人が電話を取らない」という話。 何度もコールが鳴り、他の人が手が塞がっている状態なのに、「誰かが取ってくれるのを待ってしまう」という人が増えているようです。
また緊急時の連絡や問い合わせでこちらから電話をかけることもできるだけ回避しようとし、メールやLINE等のツールでなんとか対応しようと無理をするパターンも多い様子。
このような「電話を受けること、架けること」を極端に避けようとする人の中には「電話恐怖症」となっているケースも少なくありません。 ここでは電話恐怖症の特徴や原因、そして対策についてをご紹介していきます。
「電話恐怖症」は、社会不安障害(対人恐怖症)に含まれる症状のひとつ。 その症状は様々ですが、以下のような傾向が見られます。
・人混み・オフィス等、他の人が会話内容を聞いている場所で電話を取ることが怖い
・電話を取ると緊張し、言うべきことが思いつかなくなる
・電話になると言い間違いや言葉遣いの間違いが増え、より緊張する
・電話を取ろうとしたり、電話での会話中に手や足が震える
・友人相手等なら電話会話ができるが、ビジネス・店舗への問い合わせ等のオフィシャルな電話が苦手
・対面時には普通に話せる相手でも、電話となると緊張する
・電話のコール音がなると体がこわばる
一度電話の応対に失敗したり、言うべき内容を間違えた事などが原因となり、その後電話を受けることが怖くなってしまうケースも多いようです。
電話恐怖症となる原因の多くが、「周囲に話の内容を聞かれている」という緊張感。 上司や同僚等が内容を聞いている、どう思われているんだろう、うまく話さなくてはならない…このようなストレスが動悸や体の強張り、言い間違え等の症状を生み出すのです。
また最近では、固定電話を持たない家庭が増えたことや、メールやLINE等の通信ツールが発達したことも、電話恐怖症増加との関連があるとも考えられています。
固定電話が主流だった頃は、友人同士での電話でも相手の家に電話を架けますから、友人の家族と敬語で話す経験を持つことになります。 また店舗や企業等への問い合わせ、申し込み等も電話連絡しか無く、自然と「オフィシャルな電話をかける」という経験を誰もが積んでいたのです。
ところが現在、10代の頃から携帯電話を持つ世代は「知人、友人以外の大人と電話で話す」という経験自体が殆どありません。 さらにメール、LINEといった通信手段が主流となったことで、「電話自体に慣れない」という人も増えています。
経験値が少ないところに、急に「ビジネスマンとしての電話応対」というレベルを求められるという状況、更に「失敗を極端に恐れる」「挑戦を避ける」という現代の若者の心理傾向が、これらも「電話恐怖症」となる原因のひとつと言えるのではないでしょうか。
電話応対用のマニュアルが特に用意されていない、というオフィスも多いはず。 「電話を受けること」に慣れないうちは、まず社名や部署名、名乗りといった基本的な対応文章を自分用にメモしておき、常にメモを見ながら電話を受けるようにしてみましょう。
また電話を架ける際も同じです。 何を伝えるのかを事前にメモしある程度筋立てておくことで安心感が増し、周囲よりも「自分と相手の話す内容」に注目することができます。
人間は緊張すると、どうしても話し方が早くなってしまいがち。 また「早く相手に情報を伝えなくては」「黙っていてはいけない」という焦りの気持ちから、ますます早口になってしまう人も多いようです。
しかし実際には、顔や動きが見えない相手にとって、「声だけ」で情報を聞き取るのはなかなか難しいもの。 普段の話し方よりも1.5倍程度のゆっくりとしたスピードの方が、相手も情報を聞き取りやすく、好感を持たれやすいものなのです。
「ゆっくりと話して良いのだ」と考えると、話しながら考えもまとまりますし、言い間違えや言葉を噛んでしまうといった症状も減っていくことに。 焦りがちな人の場合、「いつもの2倍のゆっくりさ」を意識しても十分と言えます。
電話対応でひとつも言い淀まず、スラスラと対応ができるという人は、電話受付などの専門職でも無い限り、殆どいないと言って良いでしょう。
アナウンサーといった「喋りのプロ」であっても、言い間違い、噛んでしまうといったアクシデントはありますよね。 つまり電話応対は、誰もが間違え、失敗をする場とも言えるのです。
「ひとつも失敗せず、完璧な対応をしなくては」と力む必要はありません。 まずは50点、60点といった「そこそこの対応ができればOK」と考え、失敗については「次回の課題」としていきましょう。
電話恐怖症の症状が重い人の中には、業務に支障を来したり、転職を考えるといった大きな問題と発展するケースも見られています。 自分で対策をしても症状に改善が見られない、症状が重い場合には、専門医・カウンセラー等の専門家に相談をしてみましょう。
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