今や、核家族化や都市化の進行によって、人と人とのつながりが薄れた時代となりました。そのため、昔のようにお見合いをセッティングしてくれたり、縁を取り持ってくれるような良いお節介をしてくれる人がいなくなりつつあります。

だからこそ、独身女性も男性も、自ら出会いを求めて婚活に励まなくてはならなくなっています。月に何人もの人に会い、断り断られが続く婚活は、思った以上に疲れてしまうのも事実。幸せになりたいだけなのに、婚活自体が苦しくなる「婚活うつ」について、ご紹介します。

婚活うつとは？

現在、「婚活うつ」という症状が認識されつつあります。婚活うつとは、言葉の通り、婚活を行っている男女が婚活に疲れ果て、ゆううつ感や不安、やる気のなさなどを感じ、うつ状態になってしまうことだと言われています。婚活未経験者にとってみると、「婚活程度でうつになるの？」「幸せを目指してやってることなら、うつとは無縁じゃない？」などと思ってしまうこともあるでしょう。

ですが、婚活うつは、「婚活」という言葉が付いているだけで、症状は本来のうつとほとんど同じ症状なので、婚活うつに陥ってしまうと、仕事や日常生活に支障をきたしてしまうことが十分にあるのです。決して、軽く考えてはいけない問題だと言えます。

婚活うつに陥る原因

では、未来のパートナーを探すため、一見華やかに見える婚活が、どうしてうつ病と結びついてしまうのでしょうか？それには、以下のような原因があると考えられています。

1 ）数多くの人と会わなければならず、ストレスがたまってしまう

婚活をしたことのある方ならよく分かるかと思いますが、婚活はまず、人と出会わないことには始まりません。結婚相談所や街コンなど主催者は変わっても、お見合いやパーティーの日時が決まっているため、必ずその日にベストコンデションを整え、望まなくてはなりません。

また、会場で初対面の人と出会い、限られた時間で自己アピールをしなければならないというプレッシャーもあり、心身ともにストレスがたまってしまうのも事実です。ほとんどの人は、このスケジュールを仕事などをしながらこなさなければならず、自分の時間が持てない状況に陥り、生活リズムが崩れてしまうこともしばしばです。

2 ）断り、断られを続けると希望が持てなくなってしまう

婚活をして、目ぼしい人と出会い、実際に会ってみようというところまでこぎつけても、相手から断られたり、自分から断ったりしてなかなか良い縁がやってこない場合があります。また、実際に会うところまで行かず、お見合いを申し込んだ時点で断られることもありますし、ネット婚活で相手にメールを送っても、返答なしという場合もあり得ます。

実際に、付き合い始めてからも途中で音信不通になることもしばしば。こういう状況が繰り返されると、まるで自分の人格否定をされている気持ちになったり、結婚に対して希望が持てなくなります。そのゴールが見えない不安感から、不眠が続いたり、イライラ感や絶望感が出現することがあります。

婚活うつから抜け出すために

婚活をしていて、「苦しい！」「辞めたい」と感じたときは、すぐに婚活休みをすることが必要です。心が不安定な状態で婚活を続けていても、このようにストレスがかかる状況に身を置き続けていると、余計に心身ともに疲労してしまうからです。続けることだけが美徳ではありません。辞める勇気が美徳のことも大いにあります。

婚活からしばらく離れていると、また誰かと出会いたいなという気持ちになるまで、婚活をお休みするのも大切なことです。そして、婚活を休んでいる間に、今まで婚活のために我慢していたことをやってみてください。きっと、新しい視野が開けるはずです。また、婚活というものは、いわば「縁」です。仕事や勉強などと違い、やればやるだけ結果が出るものではありません。

そのしくみを頭の片隅に入れておくと、婚活＝成婚という思い込みが薄れるかもしれません。婚活中に相手に断られても、あなたの人格が否定されているわけではなく、婚活という狭い枠の中で、ただ相手の条件に合わなかっただけ。そして、あなたから断るという逆のパターンでも、同じことが言えるのではないでしょうか？

婚活に対して、このような考えにシフトできれば、今までとは違った角度で「婚活」というものが見えてくると思います。ですが、どうしてもつらい症状が現れたときは、我慢せず婚活外来などを受診してくださいね。婚活の前に、一番大切なのは、自分自身だと言うことを忘れずにいてほしいと思っています。