更年期障害の母親との関係がストレス…上手に付き合うためにはどうしたらいい?

更新日 2024年08月29日 | カテゴリ: 子育て・家族関係

母親が以前とは違い、いつもイライラして喧嘩ばかりしてしまう。そうかと思ったら、メソメソと落ち込んで動けなくなっていて、会話がうまく行かないということがありませんか。もしかしたら、母親は更年期障害で苦しんでいるのかもしれません。更年期障害のことをよく知って、母親とのいい関係を取り戻しましょう。

更年期障害はどんな仕組みで起こるの?

更年期障害は体内のホルモンバランスの大きな変化がもたらす症状です。女性の場合、40代にさしかかる辺りから、女性ホルモンであるエストロゲンが急激に減少します。脳の視床下部にはホルモンをコントロールする下垂体という部分があるのですが、下垂体はホルモン分泌の指示を出す卵巣刺激ホルモンを分泌します。

しかし、卵巣機能は低下してきているので十分なエストロゲンを分泌することができません。そのため、体内のホルモンバランスが崩れてしまい精神的に不安定になります。さらに、視床下部は自律機能をコントロールする役割を持っていますので、脳の混乱により自律神経が乱れてしまい、様々な身体症状が出現するのです。

更年期障害の症状は?

自律神経とホルモンバランスの乱れは、体に大きな不調を起こします。自律神経のみだれるよる発汗は、「ホットフラッシュ」として有名です。また、全身の倦怠感やひどい頭痛に目まいが出て、ほとんど動けなくなることもあります。

肩こりもよく見られる症状です。動悸が激しくなったり、息苦しくなったりと毎日の生活に支障が出てしまうのです。そして、イライラや抑うつ感といった、精神的な不安定が起こります。感情のコントロールがうまく行かず、不調続きで苦しい日々が続くのです。

母親が更年期障害かもと思ったら

顔を合わせるたびに母親からグチグチと言われてうんざりしてしまっていることや、すぐにカッとなって声を荒げて言い合いになることがあります。また別の日には訳もなく落ち込んでいる母親を見ると、どう接していいのかわかりませんね。今までの母親との違いに驚いてしまいます。

まずは、母親が更年期障害の症状であるということを理解しましょう。性格が変わってしまったのではなく、症状に苦しんでいるという状態なのです。感情の起伏は大きくなり、体調が悪いためゆっくり考えることができずに、あなたといつも通りのコミュニケーションができなくなってしまっているのです。あまりにも、母親が苦しんでいるならば、ホルモン治療が有効であることを伝えてみることもよいでしょう。

次に、更年期の時期はいわゆる中年の危機というものと同時期に起こります。これはエリクソンという心理学者が提唱した社会的心理発達理論に基づいた、中年期に抱える発達課題というものです。

40代からの中年期は「生殖性 VS 停滞性」という課題があり、家族や社会において年長者となり、それまでの子育てとは別の役割が求められ始めることになりますが、それが達成できずに「自己停滞」しているという状況を表します。

今の自分がどう意欲を出してやっていくのかを見失ってしまい、ついついあなたにきつく当たってしまっているのです。母親の感じていることをゆっくりと聞くことが効果的です。

最後に、あなたと母親の関係が「大人と大人」の関係へと変わったということで、二人の関係がギクシャクしてしまっているのです。親からすると、子どもというのはいつまで経っても「こども」のままなのです。

そのため、親として子どもを導こうとします。しかし、あなたは立派な大人になっています。母親の過干渉を煩わしく思うのです。あなたは母親の子どもではありますが、「小さなこども」ではないのだということを伝えてみましょう。

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